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ソニーの有機ELテレビXEL-1、寿命は公称の約半分? DisplaySearch社リポート

2008-05-09 00:31:56 | Weblog
ソニーが昨年発売した世界初の有機ELテレビ XEL-1は最薄部3mmの薄さ、
暗所コントラスト比100万:1をはじめとする優れた映像品質などから話題を呼びましたが、
有機ELディスプレイで必ず引き合いに出されるパネル寿命については
公称と大きく異なる予測があるようです。

NPDグループのディスプレイ産業調査企業DisplaySearchが公表したリポート
OLED Characterization Report: Sony XEL-1 によると、XEL-1のOLEDパネルの予測寿命は
白色(RGB)で約5000時間 ・ 一般的な動画でおよそ1万7000時間となり、
ソニーの公称である3万時間を大幅に下回るとのこと。
またRGBの各色で輝度の落ち方が大きく異なる"differential aging"の問題も指摘されています。

この場合の「寿命」とは輝度が半減するまでの時間を指し、XEL-1のパネル寿命は30000時間、
すなわち毎日8時間使用しても輝度が半減するのは10年後であるとされてきました。
一方DisplaySearchの実測では、1000時間後に青の輝度が12%、赤が7%、緑が8%低下しており、
一般的な動画の表示で寿命を迎えるのはおよそ1万7000時間後(公称の約56%)であると
予測されています。

具体的な計測条件、1000時間後の数値から輝度半減までの期間を求めた手法etcについて
気になる方はDisplaySearchのリポートを購入してください。

現実にどのくらい早死にするのか長生きするのかは5年あるいは10年経ってみなければ
分かりませんが、11型で960 x 540解像度のテレビを20万円で購入するような層にとって
重要なのは「世界初」「OLEDディスプレイ」という点であって、初物としての価値がなくなったころに
暗くなっても別に構わないのではないでしょうか。

ソース
http://japanese.engadget.com/2008/05/08/sony-xel-1/
DisplaySearch リポート「OLED Characterization Report: Sony XEL-1」
http://www.displaysearch.com/cps/rde/xchg/SID-0A424DE8-1ADDAC52/displaysearch/hs.xsl/oled_characterization_report_sony_xel-1.asp

SONYの有機ELをこの段階で買っている人はいわゆるアーリーアダプター。多少寿命が短いところで気にするとも思えんが・・・。