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Weekend Strummer

ウィークエンド・ストラマー。
世間知らずのオジサンが脈絡無く語る、ギター・アフリカ・自閉症。

別けて食べる国・混ぜて食べる国

2009-09-26 04:14:04 | ラオス

「美味しんぼ」という有名なウンチク・グルメ漫画があります。
連載開始後間もない頃のエピソードで、横浜の中華街が取り上げられたことがありました。
主人公一行が、ある有名店で色んな料理を注文するのですが、取り皿は客各人に一つづつしか出てきません。それでは複数の料理の味が混ざってしまうため、主人公は「料理の数に応じて取り皿を増やすべきだ」と店主に掛け合います。ですが、店主は主人公の頼みを拒み、その結果、怒った主人公は料理を食べずに席を立ってしまう、というストーリー。
客に使わせる皿を減らすことで洗う手間を省く→コスト削減のために客をないがしろにしている→けしからん。と、作者は言いたかったようです。

さて、中国と地続きのラオスにも多くの中華料理屋があります。そのほとんどは中国系ラオス人(中国からの移民)によって経営されており、たぶん中国と海を隔てた日本よりはオリジナルに近い形の中華料理が供されているんだろうと思います。
で、どの店に行っても、取り皿はたいてい一人に一つづつなんです。注文した料理の数に関係なく。食事をする客の中にも多くいる中国系のヒトたちをさりげなく観察したところ、みんな一つの皿で平和に食事を楽しんでいます。
前述の美味しんぼのエピソードで紹介された中華街のお店は、どうも単にコスト削減のために取り皿の数を制限したのではないようです。取り皿は一人にひとつ。これは中国では当たり前の習慣なのかもしれません。

これはきっと食べ方の違いによると思うんです。
素材が持つ味を大事にする日本人は別けて食べることが好きです。多くの種類の料理を少しづつ楽しむ習慣もあるために別の料理の味が混ざると、素材独自の味が邪魔されるようで嫌なんです。
しかし、中華料理を食べる時にはこのルールは通用しないのでないか。
もともと豚肉とパイナップルを一緒にして「酢豚」という絶品料理を考え出してしまう民族です。「素材の味をいかに合わせるか」こそが中華料理のテーマであると言えましょう。
実際、一つの皿で色々な中華料理を食べると、例えば海老のチリソース煮を食べたその皿に炒飯を盛って食べると、パラパラに炒められたご飯にチリソースが馴染んで舌触りが良くなったりしますし、更にそこに青菜の油炒めを追加すると、薬味のニンニクの香ばしさが、一旦は融合したチリソースと炒飯の味を鋭く引き離したりするのを感じたりして、結構楽しいんです。
もしかしたら、これが中華料理の醍醐味なのかも知れません。
更に考えると、取り皿の中で複数の料理の味がいかに混ざるかを考慮した上で、料理を注文し、食べる順番を決める。これが真の中華の達人(食べる方の)の姿かも。

・・・考えすぎ?

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