ラオスの南部の町・サバナケットの中央市場に行きました。
大きな市場です。面積を比較しますと、東京ドームとほぼ同じ大きさ。
サバナケット県はラオス国内でも最も人口の多い県で、しかも国境を越えてタイやベトナムに通じる国道も通っているため、商業活動が盛んで市場がデカいんです。
ブラブラしていましたら、カブトムシが売られているのを見つけました。
ラオス語でメンカーンと言います。大き目の洗面器に千匹くらい入っているのでセンメンカーンですね(ってウソです、そんなにいません)。
大量のメンカーンはガサゴソと音を立てて盛んに蠢いており、全然落ち着きがない。もうジャンボリー状態。自然界ではこんなに大量のカブトムシが一堂に会すことなどないでしょうから、コーフンするのも無理はない。
値段を訊いてみますと「10匹で25000キープ」とのこと。200円くらいです。1匹20円。日本のペットショップで売られるカブトムシの価格と比べると桁違いの安さです。
オスもメスも同じ値段で、それもそのはず、これは食用として流通しているんです。
甲虫もイモムシも、ラオスでは昆虫はたいてい素揚げにして塩を振って食べます。
甲虫の場合、飛行時に翼となる背中の硬い部分はむしり取り、内臓が詰まった柔らかい腹の部分を食べるんです。脚の部分もいろいろ口中で引っかかりそうなので食べない方がいいでしょう。胸は筋肉がいっぱいあるのでおいしいかもしれませんが角が硬そうです。
私は食べたことが無いので、想像ですけど。
別の洗面器に入れられた2羽の鳥も気になるところです。売っているヒトに、何ていう鳥?と尋ねてみても「知らない」としか答えてくれません。
趾(あしゆび)を見ると2羽とも「三趾外対趾足(さんしがいたいしそく)」というタイプで、これはカッコウやキツツキやフクロウに見られる趾の形状なんだそうです。
フクロウは独特の猫面をしておりますし、カッコウには托卵する習性があります。托卵先にいる他の雛を皆殺しにすることで有名ですから、同じ種類の2羽が一緒にいるのは不自然ですよね。
ということは、こいつらはキツツキの一種かな?
森に住む少数部族のヒトが樹に開けられた巣穴を見つけ、親鳥の不在時によじ登って急襲して雛を捕獲したのではないかと思われます。成長に少々差がある2羽が一緒にいるということは、複数の巣穴から採集されたのかもしれません。で、里の人に売って現金化した、と。
なーんて勝手に脳内でドラマ化してみました。
市場の奥に進んでみましょう。
こんなものが売られていました。
これ、水牛の皮です。ラオス語でナムケン。表面にまぶしてあるのはおがくずかな? これも食用であります。
細く切られた皮を一本ずつ新聞紙1枚(A4コピー紙でも可)にくるんで火を点けます。新聞紙が燃えて、水牛の皮の表面が焦げます。体毛も焼けてしまいます。火が消えたら、その辺の石を拾って皮をゴンゴン叩きます。焦げた部分がはげ落ちて、中から白く柔らかい部分が露出します。それを食うんです。
スルメみたいな硬さ。しゃぶったり噛みしめたりしながら米焼酎・ラオラーオを飲む、というのがラオスの田舎のオジサンたちの飲み方です。
さらに奥に進むと…。おっと、市場の外に出ちゃいました。
通りに沿っていろんな食べ物屋さんが並んでいます。蒸し器の中に変わったものを見つけました。
卵の殻を一部割って中身を取り出し、だし汁と混ぜて再び殻に戻し入れて蒸したもの。カイピンというそうです。
ひとつください。
殻を剥くと、こんな感じ。アッツアツなんでティッシュペーパーにくるんで持ってます。
ネギのみじん切りが混ざっているのは殻付きでも見える部分だけでした。
オケツの部分には粗挽き胡椒が混ざってました。
いろんな味がしておいしかった。基本、茶碗蒸しの味ですけど。
えーと、オレ、市場に何しに来たんだっけ?
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます