以前拙文を投稿しましたが、ラオスにはバーシーという風習があります。
各種お祝い事や、転勤などの理由で親しい人とお別れする際など、相手の幸運や無事を願う気持ちを込めて、束にした数本の木綿糸を相手の手首に巻いて結ぶんです。
バーシーを巻く時、単に手首に糸を巻くのではなく、相手の手に何かしら持たせることが習わしになっております。
この画像ではミカンと卵を持った手の手首に糸を結んでいます。
その理由についてラオスの人からちゃんと説明を受けたわけではないのですが、私が想像するに、バーシーは、相手が手に入れたものや、それを招き込んだ幸運がその人から逃げないように木綿糸を結んで封じ込めるためのものではないだろうか、と。
この考え方はモザンビークで目撃したしめ縄状の風習に似ているような気がします。
モザビではマンゴーやヤシなどの実が、強風に吹かれて登熟前に落果しませんように、という思いを込めて幹に縄(というか切れにくい強い草)を巻きます。
日本では神聖な場所と俗世間を隔てるためにしめ縄を巻きます。その理由は神聖なものを粗末に扱うなどの間違いを犯すことによってもたらされるかもしれない祟りなどを恐れてのことだと思いますが、言い方を変えれば「祟りを封じ込めるためのもの」とも言えるかもしれません。
アフリカのモザンビークとアジアのラオス、そして日本。距離的に遠く離れた場所で、いずれも目に見えない「願い」を形にする風習として行われる、「結ぶ」という行為。
不思議な共通点を発見して、ちょっと嬉しく感じています。
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