あけましておめでとうございます。今年もよろしく。
リゾネイターはギターの種類の一つです。リゾネイト(resonate)は「共鳴する」とか「鳴り響く」という意味。
スピーカー・コーンの共鳴板がブリッジの下に仕込まれており、そのため独特の響き方をします。主にブルーズで使われ、特にスライド・ギターとして伸びやかなフレーズを響かせることが多いギターです。
以前から興味があったのですが、この手のギターは市場でも珍しく、しかもアメリカのナショナルやドブロなど、いわゆる老舗専門メーカーによる製品しかなくて、そのため値段が少々お高くなる場合が多いんです。
ところで千葉県の成田市にあるサウンドハウスという楽器店はとてもユニークで、自社製作したいろんなギターを比較的安価で販売しています。プレイテックという自社ブランドのラインナップには三台のリゾネイターが含まれており、私が注目したのは木製ボディの最も安価なモデル。
数年前に帰国した際、ショールームまで出向いて試奏させてもらいました。
12フレット・ジョイントのコンパクトなボディ。でも内蔵されている共鳴板とそのステンレス製カバーのせいでしょうか、かなり持ち重りがします。そしてその重さから、頑丈そうな印象も感じます。
弾いてみるとすごく大きい音がします。軽く爪弾いただけなのに大音響。アルミ製の共鳴板を震わせるポコンというような、バンジョーにも似たクリスピー感とともに、ひび割れたような独特のサウンドがビヨーン。ボディの頑丈そうな印象とはちょっと違う、悪く言えば軽々しい音です。材料に振動しにくい堅く重いマホガニーの合板を用い、そのぶん共鳴板を賑やかに振動させているようです。構造上、サステインが効くので残響も激しく、いったん弾いた弦はミュートしない限り、かなり長く尾を引きます。
ブリッジが共鳴板の上にあるせいでしょう、弾いた弦から他の弦にも振動が伝わり、弾いてない弦も勝手に響いちゃう。とても賑やかです。ベンチで待機中だったはずなのに、いつの間にか乱闘に加わっていた野球選手みたい。直接の当事者じゃないのに暴れまくり。
なので、ピックを使ってストローク、という弾き方はできません。音が散らかっちゃって全然まとまらない。
抱えているギターから振動がほとんど感じられず、フロント面から「突然!」というカンジで音が出てくるので、一般的なギターと勝手が違います。そのへんが新鮮でなんだか面白い。
リゾネイターを弾くこと自体が初めてなので他のモデルを知らず、比較検討はできなかったのですが、でも面白い音で弾き易くて十分楽しいギター。しかも、どういうタイミングだったのか3割引きの衝撃価格。購入しました。
やはり出音が大きいのは楽に弾けます。あまり力まずに弾いても大きめの音が出る。それに合板ギターなので湿度・温度の変化にも神経質にならずに済みます。手元において頻繁に弾ける。
私個人の感覚で言えば、弾き語りには向いていないような気がします。音質がヒトの声に近い気がするんです。かぶりすぎてる。間奏中のソロに使うと良いかも知れません。
テンションを高くしたわけでもないのに、プラスティック製のナットは購入後1年で1弦下が割れてしまいました。このあたり、やはり低価格の特徴が出てしまうようです。ですが行きつけの楽器店で牛骨のものに交換してもらいましたら、他弦へ共振しやすくなったようで、音がさらに響くようになりました。オリジナルのナットが割れたことで取り換える機会となり、かえって良かったかもしれません。
今年はスライド・ギターを練習して、うまくなろう。
ケースは同じサウンドハウス社・ZENNのクラシックギター用のソフトケース(CGG)が、ぴったりサイズでおすすめです。
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