ザ・名も無きランナー

50才から始めたマラソン。こころと身体が一つになって燃焼している感じが好きです。楽しんで走っていきたいと思っています。

筋肉が攣るということ=こむら返り

2009年08月09日 | 参考資料
 おそらく多くの人が経験しているであろう「筋肉が攣る」という現象について調べてみた。

 よく見られるのは、ふくらはぎの筋が異常に強く収縮し同時に強い痛みを伴うもので、これが所謂「こむら返り=muscle cramp」と呼ばれるものである。「こむら」とは「ふくらはぎ=腓腹筋」のことを指しているが、このような筋の異常収縮は太腿、腹部、頚部、足底など他の筋でも起こりうる。

 運動神経の末端部の機能異常が原因と考えられているが、今のところ詳細は不明である。

 「こむら返り」は色んな場合で生じ、何らかの疾患に関連した病的なものと、健常者にもみられるものとに大別される。病的なものについてはここでは触れない。健常者にみられるものとしては、運動に関連したもの、高齢者でよく夜間に生じるもの、妊娠中の下肢の循環不全に関連したものがある。

 運動に関連したものは、走ったり跳んだりして筋を過度に使用するような運動の最中や運動後に起こりやすい。長時間にわたる運動や高温多湿環境での運動で多量の汗をかいたことによる脱水や血液中の電解質バランスの崩れ(低ナトリウム血症、低カリウム血症、低カルシウム血症)あるいは準備運動不足や過度の緊張などが誘因と考えられている。また冷水プールでの水泳や冬季の運動などでの環境温度の急激な変化も誘因となる。

  「こむら返り」を生じている筋は硬く収縮し盛り上がっているが、筋電図では正常の運動単位電位が高頻度に出現しているとのこと。ふつうは数秒から数分の持続で一過性のものであるが、自動的には弛緩しないため、収縮した筋を他動的に静かに徐々に伸ばすことによって軽快する。筋痛に対しては軽めのマッサージや消炎鎮痛剤の湿布が役に立つ。脱水が判明すれば水分や塩分の補給が必要となる。漢方薬の芍薬甘草湯エキス顆粒を治療ないし予防に用いると効果があるという。運動前に十分に準備運動やストレッチをしておくことも予防的に有用である。

  運動に関連した「こむら返り」はその詳細な病態メカニズムがまだ解明されていないらしく、そのせいか対処方法は経験的、常識的な水準に止まっている。まあその場で自力対処が可能な、非致死的な病態なので、きっと誰も本気で研究しようとする人がいないのだろう。

<追加>2009/08/10
 下記のサイトから新たな知見を得たので、ここに追加記載しておく。

 「こむら返り」が生じる詳しいメカニズムはやはり明らかではないが、多くの専門家の一致する見解では、神経筋接合部において筋に電気的刺激を与える神経の過剰興奮によって引き起こされるということのようである。これは上述した筋電図の所見とも矛盾しないのではないだろうか。

 運動に関連した「こむら返り」は、不自然な姿勢をとり続けることによる筋の疲労や激しい運動による筋の反復使用に伴って生じることが多く、脱水や血液中の電解質バランスの崩れが有力な誘因であることは確からしい。

 その理由としては「通常、人の体の細胞内にはカリウムイオンが、また血液中にはナトリウムイオンが多く含まれているが、筋肉が収縮するときには脱分極が起きて、カリウムイオンとナトリウムイオンはそれぞれ細胞外、細胞内へと移動する。しかし血液中の水分が不足していたり、電解質のアンバランスがあったりすると、この移動がうまくいかず、筋肉の収縮が正常にできにくくなる」からだと説明されている。特に多量の発汗による脱水では、細胞外体液のナトリウムが大量に失われることが主因であって、この場合「こむら返り」は熱中症の早期兆候となりうるというから注意が必要である。

 低カリウム血症が「こむら返り」の誘因となることもあるが、低カリウム血症では筋の脱力が著しくそれ以上運動を継続することは難しくなるようだ。低カルシウム血症や低マグネシウム血症では、神経筋接合部での神経終末や筋の興奮性が高まることで「こむら返り」の誘因となり得るという。老年者や妊婦での「こむら返り」はカルシウムやマグネシウムの不足によるとのこと。

<参考資料>
(1) Muscle Cramps(cont.): MedicineNet.com;
http://www.medicinenet.com/muscle_cramps/page2.htm#2whatare
(2) こむら返りはなぜ起きる?:nikkeiBPnet;
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/404/404652.html

<私の対策>2009/08/11
(1) まず準備運動とストレッチはしっかりやる。ハーフ以上ではウォーミングアップのランは力一杯しない(エネルギー温存のため)。
(2) 次回はスポドリの小さなボトルとアスリートソルトを携帯し、途中で2、3回はソルトを摂取してみる(脱水予防とナトリウム塩の補給のため)。
(3) これでも駄目なら芍薬甘草湯の予防服用を考える(漢方ならなんとなく副作用も少なさそうだから)。


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