ザ・名も無きランナー

50才から始めたマラソン。こころと身体が一つになって燃焼している感じが好きです。楽しんで走っていきたいと思っています。

2009北海道マラソン

2009年08月31日 | 完走記

 結果:制限時間内になんとか完走なる!

 顛末:これまでになく受付は前夜に済ませた。当日はこむら返りに備えて、朝食前に芍薬甘草湯をお茶のように飲み干した。10時過ぎには中島公園入り。スタート地点を確認しながら会場を進み、更衣室脇に陣取って、ゆっくりと準備に取りかかる。予想していたとは言え、大勢のランナー達に圧倒され、しばし緊張感の中を漂う。予定の行動をこなすうちに緊張感は消腿した。スタート1時間前を過ぎたので、手荷物を預け、トイレの列に並んだ。しかしあまりの長蛇で遅々として進まず、30分前のアナウンスに諦めて、スタート地点へと向かう。黒山の人だかり。抵抗は無駄だと再確認。E地点の後方に整列した。目標はキロ6分で走り切ることだ。高層マンション群の谷間のせいかガーミンが衛星を捕捉できない。

 12時10分、定刻通りに号砲が鳴り、拍手と大歓声がわき起こる。歩いて前進し約2分後にスタートラインを超えた。最初は30m登ってその後60m下る。しかし登りは苦にならず、下りは自然にスピードが上がったので気がついた。自制を心がけた。第一関門は5km地点を40分以内に通過することだが、なんとかなりそう。5km地点が近づきトイレの表示を探した。<5km:30分58秒>

 5km地点の直後から給水テーブルが延々と続いた。これなら途中の給水は大丈夫と踏む。結局トイレ表示を発見することはできなかった。平岸を過ぎ、豊平川を渡り、創成トンネルをくぐり抜けた。ふだんは交通量の激しい創成川通りを、沿道の声援を受けて、大勢のランナー達が北上する。鮭の遡上を思い描いた。きっと凄い眺めだろう。後方からFやGやHのナンバーを付けたランナー達がどんどん追い越していく。<10km:28分58秒、59分57秒>

 10km地点で水分を補給した。なぜかここにもトイレ表示はなかった。途中で気がついたのだが、どうやらランナー達は沿道にあるコンビニで用を足しているようだった。私も北24条通りに左折する角のコンビニに駆け込んだ。3人ほどが並んでいた。パンパンにたまっていたせいか排出に時間がかかった。ここで3分はロスしたろうか。新川通に入って、なもなく右折。<15km:31分46秒、1時間31分43秒>

 その後新琴似1番通りに入る。おやぢさんを真似て、家族がこの辺りで応援している筈だ。ランナー達の中から私を見つけ出す家族も苦労だろうが、家族を探す私も大変だ。なんとかお互い発見でき、手を振る私を女房がデジカメに納めてくれた。その後まもなく優勝したダニエル・ジェンガ選手とすれ違った。あきれるほど速かった。一流選手は全く格が違う。新川通に戻ると途端に道が拡がった。<20km:29分08秒、2時間00分51秒>

 折り返してくる選手の数が俄然増えてきた。中間点を超え、ペースを維持して石狩浜を目指す。沿道にいろんなランニンググループの私設エイドが点在していた。単調なコースなので仲間の応援は嬉しいことだろう。途中で私も完走梅を一つ口にした。<25km:30分24秒、2時間31分16秒>

 折り返し地点を過ぎると早々と疲れがやってきた。3日前の20km走が災いしたかもしれない。27kmでザバスを1本補給した。反対車線を収容バスが通り過ぎた。道は広いがなにせ長かった。<30km:31分53秒、3時間03分10秒>

 あたりはなんとなく薄暗い。今年は曇天で本当に良かった。足が重くなってきていた。これが例年のような晴天だったらもうとっくにギブアップだったろう。32kmでもう1本のザバスを補給した。再び新琴似1番通りにもどった。ふと呼ぶ声が聞こえて横を振り向いた。女房だった。今はもうキョロキョロ探す余力が薄れていた。グリコーゲン切れかもしれなかった。<35km:32分51秒、3時間36分02秒>

 いつの頃からか給水のたびにアスリートソルトを1粒かじることにしていた。水だけを飲むと気持ち悪くなって、吐き気がくるようになっていた。脱水なのだろうが、その水が飲めない、スポドリも大して飲めなかった。完走梅を口にしたが、口が渇いていて収まりが悪かった。スピードが落ちているのが分かった。時々膝がガクッときた。北大が近づき、沿道から「あと5km」と声が飛ぶが、走っても走っても「あと5km」と聞こえるような気がした。北大構内に入ると、さらにスピードが落ちた。足がものすごく重く、吐き気がひどかった。しかし心肺機能はまだまだ大丈夫に思えた。意識はしっかりしていて、「まだまだ頑張れるだろう、怠けてるんじゃないのか」と言っていた。と、同時に「もういいよ」とも呟いていた。目の前に40kmの給水地点が見えてきた。…歩いていた。「もういい」という気分が勝っていた。<40km:37分48秒、4時間13分50秒>

 どれだけ歩いたのか…気持ちが弛緩していた。しかし、クラーク会館が近づくと、再び走り出していた。あとはもう惰性だった。正直35kmからは頑張れと言う声援がきつかった。だが、あれは大通りの手前だったと思う。一つの声援が耳に入ってきた。女性の声だった、「おつかれさま~」。…ホッとした。情けないが、なんとか頑張りを認めてもらえた気がした。本当に嬉しかった。フィニッシュ。<手元記録:19分12秒、4時間33分02秒>

 呆然として進み、ボーイスカウトの少年にメダルをかけてもらった。少年は心なしか気が進んでいないように見えた。キロ6分の目標ペースを守りきれず、たまらず途中で歩いてしまった。しかし、このレース、私にはこれが精一杯だった。メダルが私の頑張りの証拠に思えた。あの「おつかれさま~」が私を救ってくれたのだった。制限時間内になんとか完走を果たせたのだから、良いじゃないか。タイムは目標ではなかった筈だ。今の持てる力をすべて出し尽くしたんだから、それで良いじゃないか。走り出して初めて手にするメダルを見つめながら、手荷物回収所近くのベンチに腰掛け、私はそう自分を慰めていた。


FR301:故障→復活

2009年08月27日 | 装備

 7月26日の釧路湿原マラソンの後から、愛用のガーミンが不調だった。前日充電しておいたはずなのに翌日の使用時にすでに電池切れの状態になっていた。きっと前夜にスイッチを切るのを忘れて放置してしまったからだろうと、最初は思った。次の使用機会でも同じことが生じた。これはおかしい。再充電して電源に繋がっている間は操作可能であった。データも残っていた。いざUSBケーブルを電源から抜くと、途端に充電メモリが急速に小さくなり画面が消え操作不能となった。きっと内蔵の充電機構に不具合が生じたのだろうと思った。

 やばい、1ヶ月以内に道マラが迫っている。初めての道マラ、酷暑の道マラ、ガーミンがないとペース配分の確認やハートレートモニターによる自分への負荷具合を知る手がかりを完全に失ってしまう。困ったことになった。ガーミンの寿命がどのくらいかは知らないが、買い換えの時期なのかと思って、調べてみた。今夏の新型が出ていた。FR310XTとFR405CXだ。どちらも4万円を超す代物だ。SUUNTOt3cアウトドアパックもPC・PODを追加するとさらに高額となる。厳しい。なんとか修理できないだろうか?でも道マラまで時間も限られている。

 そこで、購入元のライトスタッフのHPをのぞいてみた。ここでは購入初期にデータ処理のことで相談したこともあり、その時親切だったので、掲示板などを眺めていたら、ガーミンの修理の相談にも乗ってくれている。ひょっとしたらと思いメールをしてみた。上記の状況を伝えた。しばらくして返信があった。見てみなければ分からないが、電池交換だけで済めば、お盆明けまでには修理可能とのこと!

 翌日発送した。待つこと4日、メールが来た。端子と横のトランジスタの範囲まで汗?が浸入し、右側の端子の根っこは腐食で切れ、黒いプラスチックをはぐると一緒に剥がれてくるような状態(下図)で、処置をしてもトランジスタの下まで痛んでいれば金額が相当かさむので、修理としては勧められない、とのこと。

 首を長くして待つことさらに6日。ついにメールが返ってきた。「内部の洗浄と乾燥、その後の補修が終わりました。あとは接着して硬化すればOKです」。やった~。愛着のあるFR301が復活して戻ってくる。道マラにも間に合う。高額の出費もせずに済んだ。ライトスタッフ様様である。ここまでアフターしてくれるなんてサイコー、大感謝。

 しかし残念なことに、ガーミンが到着する前に私は神戸出張と相成った。神戸では娘のお古のG-shockを借りて走ってきた。コースは事前調査を元に決め、帰宅後に再確認した。

 これ(下図)が戻ってきた復活FR301である。さてこれ装着してこれから最終調整に出かけるとしようか。ウキウキ。


神戸出張ラン

2009年08月25日 | コース

 冷夏の北海道から抜けだし、暑い神戸に出張。神戸は初めてだ。着いてみるとなんと、ここは単に暑いだけじゃなかった。蒸・し・暑・い~!仕事中は建物の中にいるから涼しいのだが、着慣れない上着を着たまま外を歩いていると、5分で汗がじんわり沸いてくる。やはり道産子は暑いところには住めん。

 今回もキャリングケースの中にシューズとウエアを忍ばせてきたので、なんとか時間を作って外ランを敢行した。初めてのコースは土地勘が全くないので、迷子にならないように慎重に走らざるを得ない。だからとても緊張する。ましてや夜となると恐る恐る走るものだから、スピードは期待できない。それよりも今回は暑さに堪えて走ることが目的の一つだった。神戸の夜はとかちの日中よりも気温が高いようだった。

 1回目(8月21日):北野界隈。夜の異人館街は人通りが少なかった。

 2回目(8月22日):ハーバーランド周辺。さすがにこちらはアベックが沢山いらした。

 走ってみて気がついたのだが、すれ違うランナーがいない!神戸ではランニングが盛んではないのか?それとも皆さんもっと別なコースを走っているのか?一応コースはジョグノートで調べた神戸のパノラマコースに準じていたのだが…。


筋肉が攣るということ=こむら返り

2009年08月09日 | 参考資料
 おそらく多くの人が経験しているであろう「筋肉が攣る」という現象について調べてみた。

 よく見られるのは、ふくらはぎの筋が異常に強く収縮し同時に強い痛みを伴うもので、これが所謂「こむら返り=muscle cramp」と呼ばれるものである。「こむら」とは「ふくらはぎ=腓腹筋」のことを指しているが、このような筋の異常収縮は太腿、腹部、頚部、足底など他の筋でも起こりうる。

 運動神経の末端部の機能異常が原因と考えられているが、今のところ詳細は不明である。

 「こむら返り」は色んな場合で生じ、何らかの疾患に関連した病的なものと、健常者にもみられるものとに大別される。病的なものについてはここでは触れない。健常者にみられるものとしては、運動に関連したもの、高齢者でよく夜間に生じるもの、妊娠中の下肢の循環不全に関連したものがある。

 運動に関連したものは、走ったり跳んだりして筋を過度に使用するような運動の最中や運動後に起こりやすい。長時間にわたる運動や高温多湿環境での運動で多量の汗をかいたことによる脱水や血液中の電解質バランスの崩れ(低ナトリウム血症、低カリウム血症、低カルシウム血症)あるいは準備運動不足や過度の緊張などが誘因と考えられている。また冷水プールでの水泳や冬季の運動などでの環境温度の急激な変化も誘因となる。

  「こむら返り」を生じている筋は硬く収縮し盛り上がっているが、筋電図では正常の運動単位電位が高頻度に出現しているとのこと。ふつうは数秒から数分の持続で一過性のものであるが、自動的には弛緩しないため、収縮した筋を他動的に静かに徐々に伸ばすことによって軽快する。筋痛に対しては軽めのマッサージや消炎鎮痛剤の湿布が役に立つ。脱水が判明すれば水分や塩分の補給が必要となる。漢方薬の芍薬甘草湯エキス顆粒を治療ないし予防に用いると効果があるという。運動前に十分に準備運動やストレッチをしておくことも予防的に有用である。

  運動に関連した「こむら返り」はその詳細な病態メカニズムがまだ解明されていないらしく、そのせいか対処方法は経験的、常識的な水準に止まっている。まあその場で自力対処が可能な、非致死的な病態なので、きっと誰も本気で研究しようとする人がいないのだろう。

<追加>2009/08/10
 下記のサイトから新たな知見を得たので、ここに追加記載しておく。

 「こむら返り」が生じる詳しいメカニズムはやはり明らかではないが、多くの専門家の一致する見解では、神経筋接合部において筋に電気的刺激を与える神経の過剰興奮によって引き起こされるということのようである。これは上述した筋電図の所見とも矛盾しないのではないだろうか。

 運動に関連した「こむら返り」は、不自然な姿勢をとり続けることによる筋の疲労や激しい運動による筋の反復使用に伴って生じることが多く、脱水や血液中の電解質バランスの崩れが有力な誘因であることは確からしい。

 その理由としては「通常、人の体の細胞内にはカリウムイオンが、また血液中にはナトリウムイオンが多く含まれているが、筋肉が収縮するときには脱分極が起きて、カリウムイオンとナトリウムイオンはそれぞれ細胞外、細胞内へと移動する。しかし血液中の水分が不足していたり、電解質のアンバランスがあったりすると、この移動がうまくいかず、筋肉の収縮が正常にできにくくなる」からだと説明されている。特に多量の発汗による脱水では、細胞外体液のナトリウムが大量に失われることが主因であって、この場合「こむら返り」は熱中症の早期兆候となりうるというから注意が必要である。

 低カリウム血症が「こむら返り」の誘因となることもあるが、低カリウム血症では筋の脱力が著しくそれ以上運動を継続することは難しくなるようだ。低カルシウム血症や低マグネシウム血症では、神経筋接合部での神経終末や筋の興奮性が高まることで「こむら返り」の誘因となり得るという。老年者や妊婦での「こむら返り」はカルシウムやマグネシウムの不足によるとのこと。

<参考資料>
(1) Muscle Cramps(cont.): MedicineNet.com;
http://www.medicinenet.com/muscle_cramps/page2.htm#2whatare
(2) こむら返りはなぜ起きる?:nikkeiBPnet;
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/404/404652.html

<私の対策>2009/08/11
(1) まず準備運動とストレッチはしっかりやる。ハーフ以上ではウォーミングアップのランは力一杯しない(エネルギー温存のため)。
(2) 次回はスポドリの小さなボトルとアスリートソルトを携帯し、途中で2、3回はソルトを摂取してみる(脱水予防とナトリウム塩の補給のため)。
(3) これでも駄目なら芍薬甘草湯の予防服用を考える(漢方ならなんとなく副作用も少なさそうだから)。