ザ・名も無きランナー

50才から始めたマラソン。こころと身体が一つになって燃焼している感じが好きです。楽しんで走っていきたいと思っています。

第27回十勝健康マラソン(ハーフ)

2005年06月26日 | 完走記

 昨日までの酷暑の日々とは一変し、小雨混じりの涼しいマラソン日和となった。私が走るレースの日はいつも好条件になる。なんとも有り難いことである。地元のレースなのでのんびりと出発していったら、なんと競技場前の坂が渋滞し、クルマが遅々として進まない。心配になり脇道を通ってアイスアリーナの駐車場にたどり着く。なんだか先が思いやられる。競技場に急いでいたら偶然にカッチ&トモさんと出逢った。お二人は早朝3時過ぎの出発だったとのこと。遠い人たちの方が先に着いちゃって申し訳ない。早速スタンドに陣取って開会式をながめ、その後急いで準備を始める。もう少し早く来るべきだった。トラックに降りてから、大会の手伝いに来ている高校陸上部の娘にスナップを1枚撮ってもらった。スタートラインに並ぼうとしていたら、今度はFさんに出逢う。Fさんは会社の若い部下を引き連れての参上だ。そこでカネボウから高岡選手をはじめ3選手が参加していることを知らされる。全体の参加人数はどの位だろう、美瑛よりは遙かに少ない。私は後方に引き下がって号砲を待つ。目標タイムはもちろん1時間50分だ。

 スタート。競技場の中を約3周してから外のコースに出て行く。カネボウの3選手は我々がトラックを走っている間に颯爽と外へ出て行ってしまった。ここは美瑛とは違って平坦コースのせいか、スピードがどんどん加速されることはない。むしろ最初に突っ走ってしまったら後が続かなくなってしまいそうで、ちょっと自重気味に抑える。しかしなんだかスピードに乗れない感じだ。トモさんに声をかけて先に行かせてもらう。呼吸はそれほど苦しくない。競技場を出てからはず~っと畑の中の道。後方スタートの早いランナーたちが次々と追い抜いていく。ペースがつかめないまま5Km地点を通過。(5Km:28分33秒)

 美瑛に比べるとかなり遅いペースだ。もう少しペースを上げないと後半に負担がかかりそうなので、軽い下りをきっかけにちょっと頑張ってみることにする。しかしその分その後の登りがきつかった。さっき抜いた人に逆に抜かされ、あまり意味無かった。畑の中の道をただひたすら走る。42分の頃、折り返してきたカネボウの3選手とすれ違う。あっという間だった。あまりにもレベルが違いすぎて私には全く参考にならなかった。とにかく身体が違うし速かった。その後少しずつすれ違う選手が増えてきて、ichanさん、カッチさん、そしてFさんと続き、Fさんにガンバと声をかけられる。Fさん、この調子だと完全に1時間50分を切れそうだ。なんとか私も頑張りたいところ。しかし折り返し地点が全く見えてこない。(10Km:54分07秒)

 こりゃやばいな~、なんて考えているうちに、気がついたら10Km地点を通過していた。このペースだとやはり1時間50分は無理そう。やがてようやく折り返し地点が見えてきた。折り返してからは、気力でスピードをグンと上げてみた。グンというのはあくまでも自分の感覚である。要するに実際にはチビットなのである。それでも少しずつ前のランナーとの距離が縮まり、時々何人かを抜けるようになった。このペースをどこまで維持できるかだ。時々ペースが落ち気味になったりはするが、なんとか頑張り続ける。(15Km:1時間21分13秒)

 あと6キロを30分くらいで走れるか?頑張ればなんとかなるかも!そこからはもう時間との戦いであった。前半もう少し早く走れば良かったとしきりに後悔しながらも、必死で頑張る。周囲で一緒に走っているランナーもしきりに時計を見ている。きっとこの付近を走っているランナーたちはみな同じような気持ちなのだろう。声を掛け合うことはなかったが、なにかこうみんなで一つのことに向かっている連帯感のようなものを感じてしまう。しかしその途中で力尽き諦めて脱落していく人たちがいる。確かに可能性はもうないのかもしれない。これまでの私だったらもう無理なんだからととっくに諦めていただろう。でも今日はなんとか最後まで諦めずに走ってみようと思った。競技場が見えてきた、そして今日最後の距離表示が見えてきた。(20Km:1時間49分02秒)

 あと1キロ少々。もう目標記録の達成は不可能となった。でもどの位足りないのか、やってみるしかない。競技場に入って行くと女房とFさん、そして女子10キロを走ったHさんが手を振っていた。競技場を1周してようやくゴール!
 記録更新はならなかったが、後半は頑張ったという充実感があった。次にまた記録に挑戦しようと思った。(記録:1時間55分30秒)

 その後競技場をフラフラ歩いていたら、手伝い中の娘に会った。ゴール前の姿を携帯で撮ったからね、と言われた。格好いい姿を見せられなくて、父親としてはチョット残念だったかな~。終了後カッチさんに足が痛いでしょうと言われた。でも何故か私の足は痛み信号を送ってきていなかった。やっぱりこりゃ私は本気で頑張っていないということなのかな~。

美瑛ヘルシーマラソン2005

2005年06月12日 | 完走記

 早朝5時女房の起きる気配で目覚める。小雨である。起きて簡単に朝食を済ませ、予備に特大のおにぎりを作ってもらう。荷物をクルマに積み込み、5時50分、女房とともに出発。狩勝峠は霧で途中雨脚が強くなる。雨天中止かと一瞬頭をよぎる。富良野まで2時間で行ければ美瑛に間に合うと踏む。しかし山部から横道に入り富良野を迂回。途中で国道に合流し美瑛には8時20分頃に到着。指定駐車場は会場から若干離れたところにあり、受付には徒歩で急ぐ。8時30分過ぎに受付完了。ホッと一息ついて携帯を見るとカッチさんからの電話が履歴に残っていた。電話で到着を知らせ、スタート地点で会えることを確認し、クルマに戻る。今後雨がどうなるのか心配だったが、上は半袖、下はショータイに決め、急いで着替える。必要最小限を袋に入れて会場へ。写真を撮っているうちにスタート地点への移動バスが最終便となる。それでもまだ沢山の人が並んでいた。バスで20分ほどコースを登った所がスタート地点の大雪青年の家であった。携帯でカッチさんに連絡。一時預かりのトラック前でカッチさんに初めてお会いする。私より年長とのことであるが、身体が軽快で若々しい。いかにも速いぞという感じ。気さくな方でホッとした。教えてもらったように、ウインドブレーカーを脱ぎ、所持品をすべて指定の袋に入れてトラックに預けた。やっぱり寒い!時間がちょっとあったのでトモさんにもご挨拶。私はいつものように後方からのスタートだ。

 スタート!一斉に飛び出すが、コースが狭く路面が濡れているので、人と接触したり転んだりしないように注意して進む。しかしかなりの下り。だからドンドンスピードが上がる。下りで膝を痛めた昨年の千歳を思い出す。前半飛ばしすぎて後半バテてしまう最近の練習が頭に浮かぶ。しかし行けるところまで行ってみることにする。みんなそのつもりなのだろう。何人参加しているのか知らないが行けども行けどもランナーでごった返している。STVのカメラマンも所々に立って撮している。雨が相変わらず降り続いているがもう寒さは感じない。5キロ地点で驚いた。これは高速レースだ。<5Km:24分47秒>

 5キロまではかなりの勾配の下りだったと思う。7キロ位からは下り勾配もやや緩やかになり、段々民家も見られるようになる。雨が降り続きあたりの景色を見ることもなくただ黙々と走る。ペースはあまり落ちていないようだ。最近のスピード練習が良かったのかと考える。<10km:49分14秒>

 中間点を過ぎても強烈な疲れが来ない。なんとかこのまま行けば1時間50分を切れるのではないかという期待がだんだん頭の中で膨らんでくる。しかし雨の中でただすぐ前だけを見て走るという単調な走りが延々と続く。やおらここに来て段々スピードにムラが出てくる。徐々に遅くなり、それに気づいてあわててピッチを上げるということを繰り返すようになる。周囲のランナーと抜きつ抜かれつのレース展開である。高齢の人も随分多く走っている。女性も結構いる。中にはビニールのゴミ袋を3方切って両手と頭を出しカッパ代わりにしている人もいる。なんとか残りを60分で行ければと考える。<15km:1時間16分31秒>

 やはりペースが落ちていた。なんとか残りを30分で行きたいところだ。と、思っていた矢先のことである。前方に途轍もない坂が見えてきた。バスに乗る前に二言三言会話を交わした人が言っていた、最後の方に坂があるらしい、って。それがこれか~。突如としてスピードが落ちる。落ちるっていうようなものじゃない。自分では走っているつもりだけど歩いているようなもの。とにかく下を向いて歯を食いしばって登って行く。登り始めて間もなく「頑張ってくださ~い」という女性の声がする。前方を走っていた人たちが急にみんな声のする方に寄っていく。ようやく前が空いたと思っても足があがらない。そのうちに私もその女性のわきに差し掛かったのでソッと顔を上げてみると、紛れもなく増田明美さんだった。みんな握手をしたりハイタッチをしていた。残念ながら私は気づくのが遅く、そのまま通過。みんなは増田さんにパワーをもらったのか、私をドンドン抜いていく。反対に私はパワーをもらい損ね、ドンドン置いていかれ、坂の上に達した時には足がもうガタガタであった。最悪!私は命名しました、この坂を「なんじゃこりゃの坂」と。でも私は頑張ったのです。かすかな望みを持って…。

 最後の最後まで頑張りました。それなのに終盤の指定駐車場の辺りでついに運命の1時間50分は来てしまった。女房がカメラを手に待っていた曲がり角を過ぎた辺りからは、気が抜けたのか、あまり足が上がらなくなっていた。そのあとは次から次へと抜かされ続け、ようやくゴール!<ハーフ:1時間52分51秒>

 ゴール後女房に迎えられ、それでも大幅な自己記録更新であったことを確認し、あと3分ほど速ければ北海道マラソン参加資格が得られたことを悔しがったのでした。でもその時女房に言われたのです、「前だったらゴールしたら話もできないで座り込んでいたのにねえ」って。「えっ?」ということはまだ余力あるの?いや、欲を出しちゃいけません。今回は本当にベストを出し切ったのです。高速レースではあったけど、レースってそう単純に良い結果が出るような甘いものではないのです。ちゃんと最後にはキツイ登り坂が待っているのです。これが現実、これが実力なのです。走りきった後はハッキリ言って爽快でした。カッチさんにもう一度お会いし、2週後の十勝での再会を約束したのでした。

 レース後一旦晴れていた天気だったが、帰りの途中からはまた土砂降り雨。帰りはずっと女房に運転を任せ、途中で入ろうと思っていた温泉もパスし、力を出し切った私はフニャフニャになって家に帰ってきたのだった。女房に感謝です。お疲れさまでした。