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僕の読書ノート「Casa BRUTUS 2020年3月号 [バンクシーとは誰か?]」

2020-03-01 13:20:42 | 書評(アート・音楽)

今年は、日本で初のバンクシー展があいついで開かれる。「バンクシー展 天才か反逆者か」が、横浜・アソビルで2020年3月15日~9月27日、大阪で10月から、また「BANKSY展(仮称)」が東京・寺田倉庫で2020年8月29日~12月6日に開催が予定されている。これらの展覧会を見る前の予習に使えそうな情報源が本書である。

[バンクシーとは誰か?]というタイトルが付いているが、バンクシーが誰かの正体探しがテーマになっているわけではない。それについて少しは触れているが、よくはわからない。正体ではないかと評判になっているマッシブ・アタックのロバート・デル・ナジャ(3D)は、バンクシーにとってのヒーロー、先駆者という位置づけになっている。バンクシーという人物とそのアートがどういうものなのかを、多方面から紹介することが主題となっている。サザビーズでのシュレッダー事件、東京都知事による港湾地区のバンクシー作品保護といった最近の話題から始まり、パレスチナに建てられたThe Walled Off Hotelについては14ページがさかれているほか、いろいろな情報が満載で、今まであまり知らなかったことも載っている。

たとえば、どうやって収入を得ているのか?壁に描かれるグラフィティとは別に、アトリエで制作した作品も出回っている。最初は安価で知り合いなどに売っているらしいが、オークションやディーラーを通じて作品が転売されるたびに、その都度作者に印税が入るARR(アーティスト再販権)制度が英国やEU圏にはあり、収入になっているという。また、自ら監督した映画「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」はアカデミー賞にノミネートされるほど成功したので、そこからの収入もある。

バンクシーは匿名の作家なので偽物も出やすいが、どうやって防いでいるのか?コレクターが偽物をつかまされないために認証機関「ペストコントロール」が作られた。作品の真贋を確認し、本物と認められた作品には証書が発行される。

手掛けたCDジャケットは、ブラーのThink Tankだけだと思っていたが、マイナーなアーチストを含め少なくとも9作品を提供しているようだ。

990円でこのボリュームとクオリティーは、コスパが高いと思った。

 

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