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18年にもなりますか

感じた事、出来事、いろんなこと書き綴ってます。

ノーサイド

2006-04-26 02:16:23 | スポーツ
 ラグビーワールドカップアジア地区予選を2戦2勝で通過したジャパン。しかし欧州、オセアニアなどの海外勢にはまだまだ実力もすべて遠いままである。

 Jリーグの成功を受けて、さまざまな社会人スポーツがプロ化、あるいはセミプロ化、選手のプロ契約という様に発展しようとしているが、なかなか成功しないままでいる。もちろんJリーグもすべて順風満帆に事が進んできたわけではなかったが、しかし結果からみれば、理念とそれを貫く信念とそして用意周到さをきっちりとこなしてきた、関係者全員の思いが一つになってきた結果だろうと思う。

 一方バレーボールのVリーグなどは、オリンピックでの栄光を知っている人たちが牛耳っているのか、そういう一体感は無い。そう考えると日本サッカーリーグはバレーボールよりもマイナーだったのが良かったのかもしれない。せいぜいメキシコオリンピックでの銅メダル(でも十分誇れるのだが)ぐらいしか無いのはバレーボールからみれば隅っこにおいやられてしまわざるを得ないのだろう。

 陸上や体操、スキーやスケート、卓球は個人競技。あと団体といえばバスケットボールとホッケー。これらもやはり海外で戦う機会が圧倒的にない。ワールドカップという冠が付くその他のスポーツといえば、やはりマイナーなラグビーになる。

 ラグビーというスポーツもちょっと変った存在で、大学選手権や日本選手権などでは国立競技場を満席にするぐらいのスポーツなのに、普段はあまり目立たない。少し昔のことだが、ちょうど毎年成人の日である1月15日に日本選手権が行われる試合には、晴れ着姿の女性もちらほら目立つこともあり、ラグビーファンの女性には美人が多いなどと言われてきた。 最近でもおおよそその傾向は残っていて、ラグビー観戦にくる女性は結構おしゃれである。どことなくサッカー観戦に来る女性たちとおしゃれ度が違うように思える。

 また、ミュージシャンによるサッカーをテーマにした楽曲は全く記憶に無いが、ラグビーには、ユーミンの”ノーサイド”がある。ラグビーにはそういう歌にできる、あるいは歌にしてみようと思わせる、人間くささというか、スポーツの背後にある人間の生き様を感じさせる物があるのだろうと思う。

 近年関係者の努力のおかげと、世界でのラグビーに対するプロ化の波を受けて、スポンサーをつけた試合をやれるようになったり、日本代表選手のユニホームにスポンサー名が入ったりと徐々に資金力を上げるようになってきた。こんなふうに徐々にラグビー人気が上がってくることはとても嬉しいことだ。

 サッカーとはまた違った秩父宮ラグビー場での歓声、どよめき、拍手。何とも言えない雰囲気はラグビーならではである。

 次回の秩父宮での試合は6月11日リポビタンDチャレンジ2006 対イタリア戦である。
ラグビーを知っている人と是非見ることをお勧めする。

ラグビーのルールに関するサイトはこちら
日本ラグビーフットボール協会のサイトはこちら



神戸製鋼コベルコスティーラーズ

2006-01-24 02:48:50 | スポーツ
 1月22日(日)に秩父宮ラグビー場にラグビーのマイクロソフトカップを観戦に出かけた。前日の大雪と22日の朝の凍結で足元が大変な状態だったが、試合は無事行われた。

 観戦したのは、東芝府中VS神戸製鋼の試合。結果は東芝府中の勝利なのだが、見ていてどうも神戸の選手、あるいはチームの”集中力”あるいは”勝つ意欲”が見えなかったのが気になった。年末に神戸ウイングスタジアムで見たトップリーグ戦のワールドとの戦いもそうだったがどこか今ひとつ覇気が感じられないのはなぜだろうか?

 弱いチームではない神戸製鋼だが、どこか、まあトップリーグにいるんだからいいじゃないか、みたいなところがあるのではないだろうか?何が何でも優勝するのだ!というエモーショナルな雰囲気が無い。トップリーグが開催された初年度のチャンピオンの座を獲得したものの、それ以降はチームはトップリーグの中でも中位に甘んじている。かつての、強さ、情熱が感じられないのは、チーム再建中だからなのか、もともと悲惨さを感じさせない神戸製鋼ならではの伝統なのかよくわからない。

 かつては、毎シーズンそれぞれ課題と新しい何かを求め続けてきた神戸製鋼だった。日本のラグビーシーンを変える、世界に通じるラグビーをするといった高邁な目標があって、どんどん走るラグビーをやったかと思えば、痛いラグビーをやる、細かいパス回しのラグビーをやったかと思えば、キックを活かしたラグビーをやる。また80分間おもいっきりつかれるラグビーをやった年もあったはず。

 それが22日の東芝府中との試合では、フォワードの集まりも遅いし、パス回しも遠距離でバレバレ、展開も遅いし、かつての面影はゼロ。

 ALWAYS ATTACKというキャッチフレーズのシーズンは、何しろボールをつなげてつなげて、なかなかホイッスルが鳴らない。時には大柄で足の遅いフォワードだってボールをもって走った時もあったほどだ。当時大八木選手がボールをもってどんどんゲインして走ってゆく(といっても遅いからすぐに追いつかれる)姿に競技場が沸いたのも記憶にあるぐらい。どよめきと感動を呼んだ試合、変幻自在でラグビーを楽しんでいる試合をしていたのだ。

 それが今は東芝府中がそれを実現している。もちろんいつも強いチームなんてなかなか出来ないけども、それにしてもちょっと残念だ。

 かつての、三洋電機から”何が何でも倒すのだ”と思われた神戸製鋼の復活を期待している。もういちどラグビーの原点に戻って、痛くて、しんどい、ラグビーをしてはどうだろうか?走って走って走って、へとへとになってしまうラグビーをもう一度やってはどうだろうか?



サッカー第84回全国高校選手権 野洲高校優勝

2006-01-09 20:52:48 | スポーツ
 ラグビーに並ぶ冬のもう一つの球技といえばサッカー。1月1日の天皇杯を浦和レッズが獲ったニュースもつかの間、高校生もすごいなぁ。

 この決勝戦は、実力・スピード・体力・経験(監督の)のそろったという前評判の鹿児島実業と、個人技(といわれている)、サッカー未経験監督の野洲との戦い。非常に象徴的な試合のように思えた。

 おそらくこの決勝戦に出てこなければ、野洲を”やす”と読むことも、滋賀県の学校であることも、近畿・関西地区以外に住んでいる人は知らなかったのでは無かろうか? 

 野洲は監督がサッカー経験が無いことが話題になっていたが、監督のサッカーに対するなみなみならない猛勉強で得た”サッカー”とはどういったスポーツ(ゲーム)なのかいう理解と、なによりも選手達の”サッカー”というゲームに対する理解と、たくさんの練習の繰り返しを積み重ねた結果がそんな話題を蹴散らした形になったのではないかと思う。

 高校選手権では一般に選択しない戦い方や、”ふつうはやらない”ことを敢えて選び、サッカーのおもしろさを感じながら実力を積み重ねた野洲のサッカー。ふとかつての神戸製鋼ラグビー部の平尾キャプテン(当時)がやったことを思い出した 

 彼もそれまでの神戸やってきたラグビーを少し変えた。彼がCTBと言うこともあったが、それまでの"押せ押せどこまでも”ラグビーから、”さっさとボールをバックスによこせ!”ラグビーに変えた。それまでそんなラグビーにはお目にかかったことがなかった各チームは神戸製鋼に翻弄され、その後も”変化しつづける”神戸製鋼に結果として7連覇を許した。
 
 この野洲もそれと重なる部分があるように思える。神戸製鋼が3連覇を掛けた対三洋電機戦は、後半43分ロスタイムでの大逆転のとおり、実力では三洋電機が上回っていたのではないかと思われる試合だったが、最後の最後、プレイがとぎれたら間違いなくノーサイドだったワンプレイを活かした神戸製鋼が勝利した試合。鹿児島実業と野洲高校のそれぞれの良いところがぶつかった試合と印象が重なるのは、やはり、すばらしい試合だったからだろう。

 

第42回全国大学ラグビー選手権

2006-01-08 18:35:37 | スポーツ


 今日、国立競技場で行われた大学ラグビー選手権大会はおおかたの予想通り早稲田大学が快勝で、優勝を飾った。冬の風物詩の一つであるラグビーはいろいろと考えさせられるスポーツでもある。

 結果は41対5という早稲田の圧倒的な勝利だったが、試合を見ていても早稲田のそつのなさ、危なげなさが大いに光ったように思えた。

 試合開始直後から、関東学院は何度かブラインドサイドを突かれ、ゲインを許していたのが気になった。また関東学院が得点されたシーンの殆どは、ディフェンスの数が足りなく、ウイングの快走を許したパターンだった。

 両チームともを通じて、ペナルティーゴールをねらうシーンは早稲田の1回のみだったが、スコアボードを見ると明らかなのが、早稲田の攻めのバリエーションの豊富さである。ドロップゴールあり、ペナルティゴールあり、もちろんトライ+ゴールキックによる得点あり。前半のブラインドサイドを突いたのが功を奏したのだろう、後半は殆どがオープンサイドへ速いパス回しに関東学院がついて行けていなかった。

 前半20-0というスコアで折り返した後半の関東学院の奮起も期待したが結局は、早稲田の冷静な試合運びで終わった試合だったので、関東学院のメンバーがベストだったのかどうかはよくわからないが、決勝戦にしては試合内容がちょっと一方的かなと思えた。

 また全体の印象としては、関東学院がボールを持ってからの攻めの選択をしているように思えた。これではラグビーは戦えない。早稲田はボールが意志をもった生き物のように展開され安定感を持っていた。練習量の差なのか、プレイしている選手の意思疎通の問題なのかよくはわからないが、この決勝では、関東学院はたくさん出来なかったことがあったのではないかと思われる。

 両チームの戦績が拮抗している割には、ちょっと試合内容が残念だった。




想像力

2005-11-23 00:03:54 | スポーツ
 サッカーのシーズンも終盤になり。全34節のうち31節が終了した時点で、まだ優勝チームの行方が分からない。サッカーファンにとっては最後まで見逃せない展開となっている。J1リーグが2ステージ制から1ステージ制になったことで、中だるみが心配されたが、とりあえず今年はそういう心配も杞憂に終わりそうである。1ステージ制はダントツ1位チームが現れると、リーグ全体がシラケテしまう可能性もあり、運営を懸念する声もあったが、今年を見る限りその心配はなさそうである。

 一方で、グラウンドで展開されるもうひとつのスポーツといえば、ラグビーである。12月27日に全国高校ラグビー選手権大会がスタートする。サッカーとともに、イギリス発祥のこのスポーツは、知性と肉体、スピードとパワーを必要とする本当に知的なスポーツである。サッカーが”ミサイル”や”ロケット砲”のようなボール運びで、どちらかといえばそのスピード感から、空中戦のイメージで見るものを圧倒するのだが、ラグビーは、白兵戦あり、ロケット弾あり、どちらかといえば、地上戦のイメージといえるだろう。

 サッカーもラグビーも共通して言えるのは、以前にも日記にアップしたが、やはり「ゲームの理解」だ。ゲームの理解でもっとも気をつけなければならないのは、「危機感」とか「リスク」の感じ方である。強いチームと弱いチームの差のうちもっともはっきり現れるのが、得点力なのだが、もうひとつ欠かせない要素がこの危険の感じ方である。

 この危険の感じ方が鈍いと、相手に簡単にポジションを取られたり、スペースに走りこまれたり、スキをつかれて、すべてが後手後手にまわり、そのうち体力を消耗して、スタミナ負けしてしまう。

 さて、この危険の感じ方のうまい敏感な人は、いったい何に対して敏感なのだろうかを考えてみた。

 まずひとつは、試合全体感をつかんでいること。つまり相手チームも味方チームもどこの動きがすばやくてどこの動きがわるいのか?相手選手と味方選手のプレースタイルの差からくる相性の良し悪しだとかを、プレーしているグラウンドでも感じとれる感覚である。
もうひとつは、自分が相手チームの選手だったら、こんな攻撃を仕掛ける、あるいは相手チームの力からすればこんな攻め方をする、といった想像力だ。この想像力は言葉で言うほど単純なものではない。

 想像及ぶところはすべて対象になる。たとえば、膠着状態が続いていて、攻めても攻めてもなかなかゴールできないといった試合展開の場合、相手チームはどのように攻めるか?どんな心理状態になるか?試合後半あと残すところ10分ぐらいでのスタミナ状態からくる緊張の緩み、審判の微妙な判定に対する選手の心理状態といった試合中に発生するものから、たとえばリーグ戦の場合勝ち星や得点数の獲得が順位に影響する場合など、引き分けに持ち込むか、勝ちに行くかなども想像の範囲だ。

 これらは多くの経験と感受性が物を言う部分だから、経験を積まないとある程度の想像力以上は発揮できないはずである。

 この2つを感じることができる選手はそうはいない。そういう選手がいわゆるゲームメーカーとしてチームあるいは、試合全体をコントロールする。そんなチームリーダーと、優秀な選手がそろっていると強いチームになる。松尾擁する新日鉄釜石の時代のラグビーは見ていないが、神戸製鋼のラグビー7連覇や東芝府中の3連覇もそんな意味での強さが際立ったのではないかと思う。