相変わらず、声優人気は盛んだ。
それに応じてどんどん養成所が増える。
昨日、99.99%は成功しないを述べた。
私が借りている稽古場の別の部屋で、中型スクリーンに映画やアニメを映して、若者たちが声、台詞を吹き込んでいる。
プロの現場を再現しているわけだ。
ここで上手くなっても、仕事にありつけない。
サザエさんでも、ドラえもんでも何十年と主役級は続いている。
脇役でも入り込めない。
新人若者達のありつく仕事は、ワーワー喚く。殺される、助けてなど声を潰す仕事しかない。
一時間も、悲鳴を上げていたと私の生徒は言う。
これで殆どの若者は声を潰す。
私の生徒は声が潰れない。
そして生き残り、徐々に上にあがっていった。
どんなに巧に洋画など吹き替えをやっても、プロの大手劇団、例えば文学座の俳優には及ばない。
新しい若い役など大手のプロダクションが奪い合う。
入り込む余地はゼロに近い。
お笑いでだつて、名前だけで、声の吹き替えが来る。
名前が出ただけで視聴率を上げられるからだ。
歌手だって同じだ。
声優の仕事は、声優に任せてなんて、甘い考えは通用しない。
製作側も生き残りに必死なのです。
そんな事情を全く知らないで、今日もスクリーンに声を当てている。
海で川魚を採るように。
アーアー馬鹿馬鹿しい。
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