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別荘購入。危ない選択

2007年02月22日 08時31分30秒 | 住・環境

 
   団塊の世代が定年退職を迎えている。退職金の総額は15兆円とも言われている。

 ここでも新しく土地を購入して、新築の別荘・永住らしきものが次々に建ち始めた。

 バブルの時は3500区画の全てが売れて、垂直に近い崖でもドンドン売れたらしい。結局建物は建たず土地のままに放置されている。

 ブームを見越して不動産販売会社は800区画ほどを新しく売り出した。合計4300を超えるわけだ。

 さて古い物は二束三文で売れず、新築はラッシュである。前回も書いたが、多くの人は色々雑誌などを見て別荘に大きな夢が膨らんでいる。知人も呼びたい、友達も、同級生も、サークル仲間も・・・・と恥ずかしくないものを計画する。費用はドンドン膨らみ退職金だけでは足りない場合もある。「どうせ建てるのだから、妥協はしない」とばかり銀行からローンを借りて、限度額一杯の物を建てる。

 終の住家とばかり暖炉、バルコニー、岩風呂、サウナ・・・と贅沢は目いっぱい。
 移り住むと楽しい、自然が一杯だ。小鳥好きには堪えられない。空気も綺麗だ。農作物も地元のものを安く販売している。レンタル農園もあり、無農薬野菜を自分で栽培できる。

 朝起きる。富士山が目の前に雄大にそびえる。自宅の温泉が体に残り軽い心地よい疲れはあるが幸せだ。

 30年以上働き、別荘を住処にした。満員電車にモミクチャにされることもなく。人生の最高の時だ。最高、最高が心の中で連発している。

 買い物などは少し遠いが町は大きく都会とさして変わらない。インターネットができれば不便は殆ど感じない。携帯電話も十分通じる。
 
 友人や昔の仲間を招く。来客は「いいな、いいな・・・毎日が天国だ・・・」と皆、羨ましがる。

 4,5年が過ぎる。長年無理して働いてきた疲れ、不調が訪れる。胃がん・大腸がん・糖尿病・などが現れたりする。病院探しが大変だ。近くの医院は20年以上も前の古い治療や投薬、検査を営々と続けている。

 かなり遠くに大学病院がある。片道約1時間、待ち時間3時間から5時間。やっと自分の番だ。「あれ、先生が若い。数年前に資格取ったようだ。中待ちの壁に「先生が変わる」がべたべた張ってある。めまぐるしく医師が変わる。ベテランらしき医師もいるが疲弊している。昼飯もろくに食べられないと言う。

 医療で落胆する「これでは治る病気も治らない」を悟る。そして貯金をはたいて都心の老人マンションに越す。別荘を売りに出す。売れない、急ぐ、早く売りたい。仕方なく業者に売る。5,000万円が2,000万円以下となる。4,5年で3,000万円の損だ。新しく購入した都心の老人マンションと損の3,000万円で殆どのお金がなくなる。マイナスの場合もある。

 ローンで購入した人は借入金の多くが残り、住むところも失う。30年働いて貰ったお金の全てに足が出て無一文となり都心で安アパート住まいとなる。

 このような最悪のパターンを選ぶ人が今日も増えている。

 くわばら・・・くわばら・・・・・。
  



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