トルーマン・カポーティを読んでいる。
カポーティといえば一番有名なのは「冷血」だろうか。映画化もされた。いわゆるノンフィクション・ノベルだ。
アメリカ・カンザス州で起きた一家4人の惨殺事件の全貌を追ってゆく。
被害者はロープで縛られ、至近距離から散弾銃で射殺されていた。この事件をニュースで読んだカポーティは、5年の歳月を費やして詳細で緻密な取材を行って「冷血」を仕上げ、なんと犯人2名が絞首刑で罰せられるその現場にまで同行した。
そしてそれらの顛末は、「冷血」を取材して書き上げるまでを中心に描いた伝記映画「カポーティ」としても公開されている。
主役はフィリップ・シーモア・ホフマンで(本人そっくりの演技で素晴らしかった)、05年度アカデミー賞において、作品賞、監督賞、主演女優賞、助演女優賞、脚色賞の5部門にノミネートされ、フィリップ・シーモア・ホフマンは主演男優賞に輝いた。
実は、正直に告白しちゃうと「冷血」という本、20数年以上前既に新潮文庫版を買っていたのだけれど、本棚の隅っこで未だ読まれずに眠っている。まあ、そういう本が何百冊とあるわけですが・・・。
なので、今その「冷血」を取り出して読もうと思っている。
トルーマン・カポーティは、幼い頃、両親の離婚から、仕方なく親戚筋を転々としながら暮らすことになった。
かなりたらい回しにされたようで、学校にもほとんど通えず、独学を強いられ、彼の母親は後に自殺している。
そのことが彼の作風にも大きく影響しているようだ。
そして彼は「アンファン・テリブル(恐るべき子供)」とも呼ばれた。
若干19歳の時に掲載された最初の作品「ミリアム」でオー・ヘンリー賞を受賞したからである。カポーティは早咲きの天才作家だったのだ。
「ティファニーで朝食を」と聞いたら、まず頭に浮かぶのは、オードリー・ヘップバーンが主演した映画「ティファニーで朝食を」を思い浮かべる人が多いかもしれない。
ヘンリー・マンシーニの主題歌は今でも有名で、喫茶店や色んなところでBGMが流れている。
監督がブレイク・エドワーズ、映画主題歌が「ムーン・リバー」だ。
でも、内容や設定は小説と映画では違っている。
なので、映画は映画、小説は小説と、まったく別な物として捉えたほうが無難だろうと思う。
それにしても、トルーマン・カポーティの小説「ティファニーで朝食」は素敵な小説だ。
その物悲しいような、少し切なさを伴うような読後感は、ちょっとF・スコット・フィッジェラルドの名作「華麗なるギャッビー」(グレート・ギャッビー)の読後感に似てなくもない。
都会小説、とても洗練されたラブ・ストーリーといってもいい。小説好きなら読むべきだ。
小説の舞台は、第二次大戦下のニューヨーク。
そこで自由気儘な恋愛を楽しみ、セレブたちが集う社交界という華やかな海を軽やかにスクロールする女性、それが物語の主人公である新人女優ホリー・ゴライトリーだ。
そんな魅力的な若手女優を付かず離れず見守る、同じアパートメントの住人である小説家「僕」の視点で語られてゆく。
美しい文体。都会的な雰囲気。静謐な空気感。研ぎ澄まされた会話と地の文・・・。
ラストの儚さと切なさ。
素晴らしい!
もちろん、トルーマン・カポーティは「ティファニーで朝食を」だけではない。ほかの短編小説もまた中々素晴らしい。
トルーマン・カポーティが好きだ。
カポーティといえば一番有名なのは「冷血」だろうか。映画化もされた。いわゆるノンフィクション・ノベルだ。
アメリカ・カンザス州で起きた一家4人の惨殺事件の全貌を追ってゆく。
被害者はロープで縛られ、至近距離から散弾銃で射殺されていた。この事件をニュースで読んだカポーティは、5年の歳月を費やして詳細で緻密な取材を行って「冷血」を仕上げ、なんと犯人2名が絞首刑で罰せられるその現場にまで同行した。
そしてそれらの顛末は、「冷血」を取材して書き上げるまでを中心に描いた伝記映画「カポーティ」としても公開されている。
主役はフィリップ・シーモア・ホフマンで(本人そっくりの演技で素晴らしかった)、05年度アカデミー賞において、作品賞、監督賞、主演女優賞、助演女優賞、脚色賞の5部門にノミネートされ、フィリップ・シーモア・ホフマンは主演男優賞に輝いた。
実は、正直に告白しちゃうと「冷血」という本、20数年以上前既に新潮文庫版を買っていたのだけれど、本棚の隅っこで未だ読まれずに眠っている。まあ、そういう本が何百冊とあるわけですが・・・。
なので、今その「冷血」を取り出して読もうと思っている。
トルーマン・カポーティは、幼い頃、両親の離婚から、仕方なく親戚筋を転々としながら暮らすことになった。
かなりたらい回しにされたようで、学校にもほとんど通えず、独学を強いられ、彼の母親は後に自殺している。
そのことが彼の作風にも大きく影響しているようだ。
そして彼は「アンファン・テリブル(恐るべき子供)」とも呼ばれた。
若干19歳の時に掲載された最初の作品「ミリアム」でオー・ヘンリー賞を受賞したからである。カポーティは早咲きの天才作家だったのだ。
「ティファニーで朝食を」と聞いたら、まず頭に浮かぶのは、オードリー・ヘップバーンが主演した映画「ティファニーで朝食を」を思い浮かべる人が多いかもしれない。
ヘンリー・マンシーニの主題歌は今でも有名で、喫茶店や色んなところでBGMが流れている。
監督がブレイク・エドワーズ、映画主題歌が「ムーン・リバー」だ。
でも、内容や設定は小説と映画では違っている。
なので、映画は映画、小説は小説と、まったく別な物として捉えたほうが無難だろうと思う。
それにしても、トルーマン・カポーティの小説「ティファニーで朝食」は素敵な小説だ。
その物悲しいような、少し切なさを伴うような読後感は、ちょっとF・スコット・フィッジェラルドの名作「華麗なるギャッビー」(グレート・ギャッビー)の読後感に似てなくもない。
都会小説、とても洗練されたラブ・ストーリーといってもいい。小説好きなら読むべきだ。
小説の舞台は、第二次大戦下のニューヨーク。
そこで自由気儘な恋愛を楽しみ、セレブたちが集う社交界という華やかな海を軽やかにスクロールする女性、それが物語の主人公である新人女優ホリー・ゴライトリーだ。
そんな魅力的な若手女優を付かず離れず見守る、同じアパートメントの住人である小説家「僕」の視点で語られてゆく。
美しい文体。都会的な雰囲気。静謐な空気感。研ぎ澄まされた会話と地の文・・・。
ラストの儚さと切なさ。
素晴らしい!
もちろん、トルーマン・カポーティは「ティファニーで朝食を」だけではない。ほかの短編小説もまた中々素晴らしい。
トルーマン・カポーティが好きだ。