kyoの今日を楽しく☆

趣味の陶芸・食べ歩き・映画鑑賞などを通じて毎日を楽しく充実して過ごせたらと思っています!

「おくりびと」

2008年09月24日 22時42分53秒 | 映画
モントリオール国際映画祭でグランプリを取った映画
「おくりびと」を観に~。

かつて旅先で遭遇した納棺の儀式に感銘を受けた
主演の本木雅弘の発案で製作されたというこの作品。

私は、納棺師という仕事があるとは初めて知った!
遺体には清拭を行うことはなんとなく知ってはいたが
それは、病院で既に行われてから棺に納められて
自宅に帰ってくるものだとばかり思っていたが、
古式では、家族の目の前で納棺の儀式が執り行われるらしい。

ストーリーは・・・
所属する東京のオーケストラが解散してしまい職を失った
チェロ奏者の大悟(本木雅弘)は演奏家を続けることを諦め、
妻の美香(広末涼子)を連れて故郷の山形に戻ってくる。
早速、求人広告で見つけた「旅のお手伝い」とあった
NKエージェントに面接に出かけ、その場で採用になるのだが、
それは旅行代理店ではなく、遺体を棺に納める納棺師という仕事だった。
戸惑いながらも社長の佐々木に指導を受け、
新人納棺師として働き始める大悟だったが、
美香には冠婚葬祭関係の仕事に就いたとしか告げられずにいた・・・

とにかく、社長の山崎努と新人納棺師の本木雅弘2人の
スムーズできちっとした納棺の儀式の様子は
死に装束の着物の衣ずれの音まで聞こえ
静謐で緊張感溢れ、思わず息を止めてみてしまうほど。

所作のひとつひとつまで神経が行き届いて
無駄な動きのないところは、
同じく日本古来の伝統である茶道にも通じるところがあるのかもしれない。

こう書くと、堅苦しい作品なのかと思いきや
思わずクスリとさせられるユーモアが散りばめられている!

モッくんの「伊衛門」のCMでみられるような真面目で誠実そうな部分と
コミカルな動きのギャップが面白く、
山崎努の無駄口をたたかない深みのある演技や
物語のキーになる笹野高史の演技
吉行和子のあかぎれだらけの手のアップ・・など
脇を固める俳優陣の確かな演技力も物語を盛り上げていた。

誰にでも訪れる「死」というものだけれど
それぞれの人や家族の物語があるものだと
改めて感じるシーンが多い。

日本人にはなじみの深いお葬式だけれど
外国人が見て意味が分かるのかなぁ~と
映画を観る前は思っていたのだけど・・
国際映画祭で受賞したということは、
外国の方々にも、この空気感がばっちり伝わったんだぁ~と
なんだか嬉しい気持ちになった~。