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海杉ブログ 木材を中心に書き残したいことを投稿します

日々、気づいた事、エクステリアウッドのテクニックを書き綴ります。やりたい時、書きたい時だけ、疲れるので笑笑

素材 木材DIYの難しさ

2017年08月05日 10時02分45秒 | 屋外木材講座
DIYで一番取っ付きやすい素材は、木材だと思います。

皆さん、たくさんUPしています。

でも、一番難しいと感じるのも、木材です。

特に屋外での木材使用は、プロでも躊躇します。

昔、大工だった親父が、営業しなくても「仕事は、向こうからやってくる」と言っていました。

昔の大工さんは、家を建てたところにサービスで棚や物干し台を作ったあげたものです。

ちょっとしたことでも、大工さんに任せた方が安心というわけです。

屋外に物干し台を作ってあげるとだんだん腐るんですね。

そこへ親父が「奥さん!物干し傷んできたから、そろそろ取り替えようか」と話が出るんです。

屋外に木材を置いてあるからできるんですね。

プロもお客さんも「木材は腐る」という認識だからできる営業なんです。

いちいち、玄関に入り込まないでもできる営業って素晴らしいと思いませんか?

しかし、アルミサッシができて、大工さんの仕事は、一変しました。

木材は、屋外にさらすと腐るという認識では、素材としての価値がないと判断されるようになりました。

しかし、このブログでも紹介しているようにきちんと手順やルールを踏めば、だいじょうぶであることを実証しています。





屋外木材講座25八丈島のシロアリ

2016年08月07日 06時37分23秒 | 屋外木材講座
八丈島のしろあり

面白いブログを見つけました。

ブログの内容は本当でしょうか?

ブログを書かれた方には、まだ、お断りをしていませんが、私も勝手に考えてみたいと思います。

八丈島に生息するシロアリは、本土のシロアリとは、異なります。大黒シロアリなどとても強力なシロアリさんです。

ブログの筆者が「石場建て」と呼んでいる工法で本当にシロアリは、防げるでしょうか?

答えは「否」です。

私は、石の周りに溝を掘っているモノを見たことがあります。

これは、筆者が言われる石よりもシロアリに対応したモノです。進化系といってもいいでしょう。

この溝のついた石に柱を建てるのですが、その溝に鯨の油をいれてシロアリ除けにするのです。

このことからも「石場建て」だけでは、シロアリは、防げなかったことがわかります。

しかし、ブログの筆者が書いているように

・アリ道を早く発見できる
・床下に簡単にもぐれる
・アリの繁殖に不適切な環境

この3つは、とても重要なことだと私も思うのです。

最近の「べた基礎」が、シロアリを防ぐというのは、単にまやかしであると思います。

屋外木材講座14 「テレビ番組 ビフォーアフター」

2016年06月02日 15時15分04秒 | 屋外木材講座

屋外木材講座14 「テレビ番組 ビフォーアフター」

放送もされましたので、私の写真も、公開しても良いでしょう。テレビ番組「ビフォーアフター」の撮影班が、酸化亜鉛含浸処理の注入釜の撮影しているところです。匠と呼ばれる方がチラリと写っています。動画の方も公式に発表していますのでご覧ください。
番組では、酸化亜鉛含浸処理を丁寧に説明していただきました。毒性がないということでツリーハウスに採用していただきましたが、その耐久性にも自信があります。こちらの方がきゅうようなのですが、結果は、まだ先ですね。
薬液を手で触って、安全性を強調しています。従来の防腐処理の薬剤では考えられないシーンだったと思います。
短い時間で、これだけ、酸化亜鉛含浸処理の特性や採用理由を検証できるとは!流石としか言いようがありません。

私たちは、屋外に木材を用いて腐らない技術を強調してしまいがちですが、番組では、安全性が強調されていました。保育園で使われる遊具ということもありますし、何よりも、素人が製作することのできる素材という点では、杉は、良い事例ではないでしょうか。

屋外木材講座16 「屋外で木材を使う意味・含水率」

2016年06月01日 07時38分16秒 | 屋外木材講座

屋外木材講座16 「屋外で木材を使う意味・含水率」

「屋外で木材を使う」そもそも、この意味を考えないとステンレスやプラスチックでいいじゃないかということになってしまいます。

ステンレスやプラスチックは、「腐らない」という前提があります。

木材は腐るから・・・。

土木・建築業を営んでいる私は、直ぐに強度管理を考えました。木材は、品質管理が、確立されていない。

仕事を宮崎県で始めたころ、大工の使う住宅の梁が、杉でそれも、生材(グリーン材)を使っていることに驚いたのです。

材木屋さんに話をしても、「乾燥させないと強度は出ない」ということが、あまり、認識できていないようでした。

世の中は、信頼関係で成り立っている。それは正しいのですが、建築に土木に使用する素材は、品質管理が問われます。鋼材・コンクリート・ガラスなどすべて、品質管理がなされているわけです。

木材は、天然だから、自然素材に・・・・。という言い訳は通じない世界なのです。

その基本が含水率なのですが、その頃の木材屋さんや製材所の方は、含水率=乾燥=割れ、反り=クレームと言ったことがトラウマのようになっていたのだと思います。

含水率は、木材にどのくらい水分が入っているか確かめる尺度なのですが、木材屋さんは、乾燥すると割れたり、反ったりすることを極端に恐れていました。

しかし、品質管理の元、素材の含水率を求めることは反りや割れではなく、含水率は、素材に求められる強度の値を基準となるものという認識でなければなりません。含水率を揃えることによって素材そのものの強度を計算することができるのです

私は、製材所の先輩に「乾燥した木材を打ってくれませんか?」とお願いした。

先輩は「海野、お前は、そう言うけど、大工さんは安いグリーン材を持ってこい!というんだぜ」

「確かに安いに越したことないけれど、お客様にクレームを受けるは工務店で、あとで手直しになるのは、大工さんなんですよ」

もう、20年以上も前の話です。

屋外木材講座14 「テレビ番組 ビフォーアフター」

2016年05月31日 15時14分05秒 | 屋外木材講座

屋外木材講座14 「テレビ番組 ビフォーアフター」

放送もされましたので、私の写真も、公開しても良いでしょう。テレビ番組「ビフォーアフター」の撮影班が、酸化亜鉛含浸処理の注入釜の撮影しているところです。匠と呼ばれる方がチラリと写っています。動画の方も公式に発表していますのでご覧ください。
番組では、酸化亜鉛含浸処理を丁寧に説明していただきました。毒性がないということでツリーハウスに採用していただきましたが、その耐久性にも自信があります。こちらの方がきゅうようなのですが、結果は、まだ先ですね。
薬液を手で触って、安全性を強調しています。従来の防腐処理の薬剤では考えられないシーンだったと思います。
短い時間で、これだけ、酸化亜鉛含浸処理の特性や採用理由を検証できるとは!流石としか言いようがありません。

私たちは、屋外に木材を用いて腐らない技術を強調してしまいがちですが、番組では、安全性が強調されていました。保育園で使われる遊具ということもありますし、何よりも、素人が製作することのできる素材という点では、杉は、良い事例ではないでしょうか。

屋外木材講座15 「馬蹄形の花壇」

2016年05月30日 07時48分04秒 | 屋外木材講座
屋外木材講座15 「馬蹄形の花壇」




木材を曲げる。古来人間は木材を曲げる努力をしてきました。でもなかなか、曲がるものではありません。




ある方から「後輩なんだけど・・・。面倒みてください」と頼まれた。




早速、電話が鳴った。




「あの・・・。花壇を設計しているんですが、木って曲がります?」




正直、その発想大好きです。




「形は・・・」一生懸命形を説明してくれる。




ああ、馬蹄形ですね。素敵じゃないですか、馬蹄形の花壇!!




このような仕事は、ドキドキして、楽しい。




写真ではきちんと曲げているでしょ!






この方法は、桶や樽の曲げ方と似ているのですが、「箍」を使わないので、ちょっと、違います。




「馬蹄形」ですので、つなぎません。




これは、大きな南京玉簾なんです。




「ナンキンタマスダレ???」




若い日人には説明しても無理か!!!




発想はあっても、アイデアがあっても、技術があっても、モノは生まれません。




この馬蹄形花壇は、決して最新技術でも、斬新なアイデアでもありません。








できてしまえば「なんだ!それならできる」と言うものばかりです。




私たち先代の知恵が、少しずつ、結集してモノが生まれると思っています。長い年月をかけて、生み出す技術をほんの少し、頭を切り替えるだけで生まれるものがあります。




ものづくりに携わって、やった!!と喜ぶ瞬間ですね。



屋外木材講座13「木材を使ったデザインの自由性」

2016年05月24日 07時17分52秒 | 屋外木材講座
屋外木材講座13 「木材を使ったデザインの自由性」

ちょっと衝撃的な写真です。
宗教施設での十字架です。


場所は、韓国釜山ある教会の前です。
高度な技術を駆使して、製作されています。
素材は、杉で、酸化亜鉛含浸処理をしています。ここでは、水際が問題になると考えられますが、今までの経験上、水際は大丈夫です。私は、斜めにしたために十字架の荷重を受けている部分が、心配です。
腐らない木材を用いることのメリットは、この写真のようにあらゆるデザインが、フレキシブルにできるということです。

もう一つの写真は、教会の壁に張り付けた十字架です。

ここにも屋外で木材を使うちょっとした工夫をしています。
木材は、木口面と板面があります。木口面は、導管と呼ばれるストローのような口が束になっている断面の部分です。
ここに水が入るのは、腐れやすくなるので、この部分はステンレスの板で覆っています。
屋外でのデザインが、素材によって限定されていましたが、木材でしかも、杉でできることを実証する機会に恵まれました。
韓国では、大変評判が良いということで酸化亜鉛含浸処理が、スタンダードになるかもしれません。
これだけ堂々と屋外で木材を使用していますので!

屋外木材講座12 「素材」

2016年05月05日 17時26分11秒 | 屋外木材講座

屋外木材講座12 「素材」


私が考える木材は、「有機物」であるということを前提としています。つまり、「腐る」ということです。

近代建築の基本に「鉄」「ガラス」「コンクリート」という三大素材が、あります。この3つの素材を使うことで「近代建築」が成り立っていると言うことです。

この3つの素材は、建材としてさまざまな優れた要素持っています。「品質管理」「大量生産」「価格」などです。

この3つの建材が出現する前は、「木」「竹」「草」「レンガ・瓦」「石」「土」などです。日本には「紙」もあります。

日本の建築の「築」と言う文字を見てください。

「築」

この文字には、「竹」「土」「瓦」「木」と言う文字が、組み合わさっています。

この文字は、建物を作る素材です。

近年、天然素材、自然素材などと言っていますが、この素材を本当に極めている建築関係者が、何人いるのか?

かわいそうなのは、何も知らないユーザーなのです。

「木」ひとつでも、屋内と屋外では技術が、違うことをこの講座では知って欲しいと11回ほど書きましたが、まだまだ書き足りません。今後実例を含めながら回を重ねていきますので、よろしくお願いします。

「木」という素材だけでも、知らないことが、たくさんあるのです。

近代建築の「鉄」「コンクリート」「ガラス」は、産業革命以降大量に安く、品質も管理できるようになりました。職人の素材から、工場の素材に代わって言ったのです。しかし、その中で暮らす人間は、当然「有機物」であることを認識し始めました。

有機物が、無機質の中で長時間暮らすことの難しさを知ったら・・。

有機物を求めるのです。

少しでも、有機物に触れたい。有機物を見たい。有機物に囲まれたい。言葉に出さなくても、本能が、そうしたいと感じるのです。

しかし、全てを天然素材に、全てを自然素材にということもナンセンスだと思っています。

有機質と無機質は、自然界には、どちらとも存在します。

鉄とコンクリートとガラスでできた近代建機築の建物を否定することもしません。また、鉄をまったく使わない木造建物を賞賛する方も否定することはしません。

私は、「バランス」だと思うのです。

「適材適所」と言う言葉があります。

屋外木材は、この「適材適所」を見極めることが大切でこのことができないとすぐにしっぺ返しが来る建材なのです。



屋外木材講座11 木製ベンチ

2016年05月04日 07時17分29秒 | 屋外木材講座
屋外木材講座11 木製ベンチ




木材は腐ります。




写真は日向市の片隅に設置している木製ベンチです。朽ち果てています。私は直接、関わることができませんでしたが、日向木の芽会の仕事でした。(この事案には、私の意見は、はずされました)(笑)




当時、日向市駅舎周辺のベンチを見たぷらっとバス担当の方が、バスの停留所にも「ベンチを置きたい」との相談でできたベンチです。少ない予算で10基ほど製作したと思います。




もちろん、私の製作した日向市周辺のベンチは、今でも腐っていません。




悔やまれるのは、もう少し、この件に関して踏ん張っておけば、このようなことにならなかったかもしれないと言うことです。行政やお客様からすると「少ない予算で効率的に数を多く設置したい」と思うのは、当然です。




そこで、知恵を絞るのが、私たちプロの役目ですし、的確なアドバイスや経験したことを隠さず伝えることも大切です。




素人とプロの違いは、経験だけでしょうか?




木材関係の方で「木は腐る」当然のように話をします。これは、結構なことだと思います。ただ、腐るとどのような支障が起こるのか。腐る前に何をすべきか?腐ったらどうすべきか?は、最低、話しておかなければならないことだと思うのです。




「木は腐るのだから、また、同じように換えればいい」




という意見もあります。私もそう思うのですが、これは、こちら側の意見でお客様や行政の管理者からすれば、「とても、承服できない」と言われても仕方がないこととも、認識しておかなければなりません。




現代の社会では、数年後に腐って使えなくなったら、また「新しいもの(同じもの)を買え!」という習慣は、少なくなってきています。少しでも、メンテナンスを少なくして、初期の性能を長く維持できるものを求めるようになります。木材には過酷ですが・・・。




腐ったバス停のベンチの件は、要するにアマチュアの仕事だったんです。




予算に合わせてただ、「木材を置いた」に過ぎなかったのです。木材のプロではありますが、屋外に木材を使うプロではなかったのです。




当時、材を大きくすればそう簡単に腐らないだろうという誤った認識があったと思います。これは、明らかに間違いです。写真を見ていただければ分かるように「座」の部分の大きな材の方が朽ちています。大きな材は、乾燥が十分ではなく、増して、半分に切った部分は中央は、腐れ易いのです。木材は乾燥させると腐れや虫食いが、極端に減ります。






木材の中にある「リグニン」と呼ばれる成分が、固着化することによって腐れや虫食いを防ぐ効果が発揮されるのです。




まだまだ、伝えたいことがたくさんあります。


屋外木材講座10 根継ぎ

2016年04月24日 08時19分56秒 | 屋外木材講座

屋外木材講座10 根継ぎ



木材は腐ります。昔の人は、腐る木材を腐った部分だけ、切り取って取り替えていました。ある意味高度な技術です。
仕事柄、木材の補修工事の相談を受けます。
写真の家は、建物の一番隅の束で、束自体根元から腐っていました。
束が腐ると建物が傾きます。傾くと当然建具の動きが悪くなります。この建物の建具は、変形して取り付いていました。

人間も同じで、ある箇所の骨が、悪かったとします。当然、その骨をかばうように外の骨が動き出すので、今まで悪くなかったところが、悪くなるのです。



束が腐り建物が傾いて、建具が、動かなくなったと言うことで家主は建具屋さんを呼びます。

建具屋さんは建具の具合だけしか、直せないないので、変形した建具で調整を始めます。私が、この建物の調査をしたときには、建具が、菱形をしていました。



私が、まずはじめに、行ったのは、建物の整骨でした。「矯正」ですね。建物を矯正すると腐った部分は、なくなっているわけですから、当然浮いてきます。浮いた分だけ、腐ってなくなった部分だけ、新しい部材を入れてあげればよいのです。

そこで「根継ぎ」をしていきます。「矯正」の次は、「手術」です。

腐った束を切り取り、新しい束の材を入れます。腐ったところは、建物の隅で風雨に晒されていました。木材としての環境も悪いところです。より耐久性を求めて酸化亜鉛含浸処理(モックル処理)を施した「弥良来杉」で根継ぎをしました。

この建物では、「矯正」「手術」として、屋根瓦の吹き替えまで行いました。



屋外木材講座9   屋外で木材を使うための実例

2016年04月21日 05時17分20秒 | 屋外木材講座
屋外木材講座9 

屋外で木材を使うための実例


屋外で木材を使うために様々な取り組みをしている実例です。




とある場所のウッドガードレールですね。




木材の需要拡大につながると大いに期待されて、鳴り物入りで、販売されましたが、見るも無残な姿を晒しています。




【写真1】のように新しく更新するのであれば問題は、新規に取り替える予算の問題だけです。


【写真1】


しかし、【写真3】のようにガードレールを手前に新規に設置されては、何のためのものなのか?になってしまいます。

【写真3】




何が、間違いだったのでしょうか?




問題は、いくつもあります。




このような事例が出てしまうと業界を上げての木材の需要拡大活動に支障がでてしまいます。そのことをわかっている業界の方は、「屋外に木材を使うな!」という方もいます。




決して、私は、この製品事例を非難・中傷するものではありません。しかし、屋外で木材を使うのなら、やるべきルール作りが必要なのです。




日本の木材は、JASと言う規格に基づいて生産されます。(全てではないのですが…)日本の基準ですから、その基準を満たしたものは、大丈夫というお墨付きを得たと思うのです。しかし、どうも、そうではないようです。


【写真2】


話は、変わりますが、サボテンは、人間の言葉が、わかるそうです。

毎朝、サボテンさんに優しい言葉をかけながら、水を差すと言葉をかけなかったサボテンとでは、成長が違うと言うのです。




【写真4】のウッドガードレールは、竣工から、14年経過しています。まぁ、仕方のない状況と考えて、橋の欄干部【写真1】は、取り替えたのでしょう。
【写真4】




もう一つ。




法隆寺の宮大工の棟梁の西岡氏の話です。

法隆寺が、何故、1400年も建っていられたか?世界最古の木造建築群として残っているのか?

西岡氏は、法隆寺の宮大工の存在をあげています。宮大工は、町屋の大工工事を請け負わないそうです。法隆寺の近くで自給自足の生活で、毎日、法隆寺に出向くのです。




「サボテン」と「法隆寺」では、かなり、飛躍していますが、木材が、生き物と思えば、理解してくれるのではないでしょうか?




大切な事は、屋外に木材を使用することは、どれだけ愛情をかけるかで、随分と違ってくると考えるのは、私だけの考えでしょうか?



屋外木材講座8  シロアリ

2016年04月14日 07時43分22秒 | 屋外木材講座
屋外木材講座8  

シロアリ 見分け方

屋外木材講座を書こうと決めてもう8回目となる。早いもので・・・。今回は、シロアについて、「シロアリ」と言っても日本には、数種類生息する。最近「アメリカカンザイシロアリ」という種類のシロアリが見つかったというニュースを見たが、この「アメリカカンザイシロアリ」の話は、後日、書こうと思う。

今回は、日本に多い、イエシロアリとヤマトシロアリについて。

シロアリは、湿気た材を好んで食べる。

通常、住宅に使われる材は、乾燥していることを前提ですので被害は、少ないのですが、湿気た場所や水分が材に着くとシロアリが発生します。

屋外で使用する木材にとって、シロアリは大敵なのです。

はじめにシロアリの見分け方

4月から7月にかけて羽蟻が、動き出します。

この時に、シロアリが見つけやすいのですが、蟻も同じように羽をつけて飛びます。羽蟻ですね。

シロアリだ!と判断する方法は、「胴回り」です。

ヤマトシロアリもイエシロアリも胴回りが、くびれていません。

所謂、「寸胴」です。

羽蟻は、蜂のようにくびれています。

もう一点!!

羽の長さが、シロアリが、同じです。

羽蟻は、前と後ろの羽の長さが、違います。前の羽が長く、後ろは、短く小さいです。

この時期(4月から7月)、シロアリは、動き出しますので、要注意なのですが、シロアリか羽蟻なのかは、見つけたときに判断してください。

窓の外にたくさんいた!!というときは、じっくりみてくださいね。








屋外木材講座7 ウッドデッキの張り方

2016年04月12日 23時58分36秒 | 屋外木材講座
屋外木材講座7




ウッドデッキの張り方




ウッドデッキを張るときに「木裏」に張るか、「木表」に張るか?

どちらにします?




この論争、結構、人によって違うんです。




私の答えが正しいとは、言えないのですが、私は「木裏」派です。




ではなぜでしょう?




多くの大工さんは、特に日本の大工さんは、「木表」だと思います。




ウッドデッキという概念は、外国仕様なのです。




日本は縁側、縁台、番子でしょうか?木を屋外に晒すと言うことは木を腐らせることを知っていたと思います。




ですから、日本の大工さんは、屋外に木を張るにしても、美しさを第一に考えると思います。屋内の張り方と同じように・・・。




木表に張るときれいです。




木表に張ると節も少なくてすみます。




しかし、木表に張ると反り返りが、板の中心にして「谷」になってしまいます。




雨などの水が、板の上にたまりやすくなるのです。




木裏に張ると反り返りが、板の中央で「山」になるので板に水がたまりにくくなるのです。




木裏が、優れているかというとそうでもないのです。年輪に近いため、材の年輪が切れます。そこは、逆木が起こり、切れやすくなります。杉やヒノキに多いのですが・・・。材をみて、張り分けることができると「この大工さん知っているな!」となるのです。




逆木が起こるくらいなら、木表もありです。




今日、マルウッドさんでリブ加工して、木裏面にスリッドを入れたデッキ材を見せてもらいました。スリッドが、みごとに収縮を緩和して、木表のリブ加工面が、反って「山」になっていました。




これも考え方だと思います。




どうしても、木表を主に張りたいと考えるなら、デッキ面に勾配をつけることも一案です。この場合も、材の長手方向ではなく、短い方向に勾配をつけることをお勧めします。




勾配が、材の長手方向にしかとれない場合は、迷わず「木裏」張りで指示します。




イラストや写真があると分かりやすいのですが、この考えは、「弥良来杉」になるとあまり関係なくなってしますのでまた、別の機会にとっておきます。



屋外木材講座6  掘立小屋

2016年04月09日 16時27分37秒 | 屋外木材講座
同じ「屋外で木材を使う」と言うことでも、いくつか違いがあります。

露天であるか?否か?

木材を設置する場所が、屋外でも露天と屋根の下では、天と地の差があります。

木造建築では、世界最古と言われている奈良の法隆寺は、瓦の屋根があったから、腐らずに現在でも残っているとも言われています。もちろんそれでけではないのですが・・・。

屋根の下でも、土の中に入れるのであれば、露天とは、違う意味で、条件が悪くなります。

掘立小屋
掘っ立て小屋

粗末な家と言う意味で「掘っ立て小屋」と言われますが、文字通り、穴を掘ってその穴に柱を立てて作る家の事です。

簡易な建築ですが、とても合理的な建物でもあります。

しかし、木材の柱にするとどうしても、土際が、腐り始めます。そこで、束石や礎石などに柱を載せることで、腐らない工夫をするのです。

木造住宅の進化は、木材が腐らないようにするための工夫でもあります。


屋外で使用する木材は、地際には、束石や礎石の上に載せて、土に直接触れさせないと言うことも大切です。

アメリカでは、建築の法律で「建物の柱などを木材を土に直接接触させてはならない」と言うことを聞いたころがあります。

写真の倉庫の柱は、弥良来杉です。



弥良来杉を使って簡易な倉庫などで建てたのですが、まさに「掘っ立て小屋」ですね。