日々、土器実測(仮)

発掘された遺物の図化作業メインのお仕事ブログのはずが、日々の徒然・スピ話ばっかりになっちゃってる日記。

流儀あれこれ:2

2008年07月06日 | 仕事
私はトレースもしていますが、私を仕込んでくれた上司は、徹底して無駄を
省く人でしたので、実測図にもそれが反映されています。
まず文様や調整を書く範囲ですが、当然全部ではありません。
勿論必要であれば、本来省かれる部分であってもちゃんと書きますが、
基本は全部書く必要なし。
見栄えも考慮されている事と思いますが、全部ではなくても、そこだけ見て
充分分かる範囲ですから、書いていても、この程度書けば充分だと感じます。
第一報告書を見るのは、ほぼ専門の関係者に限られてるのですから、まず
それらの人が理解出来れば問題ない訳で、何から何まで懇切丁寧に図化する
必要もないと思います。
図化する事で逆に、粗が見えたり辻褄が合わない事も出て来るし(汗)。
縄文に関しては、実測図の段階で、節も全部入れるところもあるようですが、
これもそうではありませんでした。
条線1本には、ちゃんと節の大きさと個数を計測して入れますが、他はこれに
順ずると云う事で縄文は条線のみ、節はトレースで入れます。
ですが1番新しいところでは、1単位をくくり、その中に2本程度の条線を
入れるのみ、と云うやり方もあり、段々簡素化されて行く一方です。
ただこれは、簡素化されてはいますが、1単位がきっちりくくられているので、
施文の上下・前後関係も表現出来、悪い方法ではありません。
それに云われてなるほどと思ったのですが、下手くそな人に変な単位で条線を
書かれると、トレースで混乱すると思うから、この単位方式の方がいいだろうと
云う事、これは一理あります。
大体条線に対し、節の角度が決まっているのですから、単位さえ分かって、そこに
目安になる条線さえあれば、自ずとトレースは出来る訳で。
大体トレースする人だって、ド素人ではないでしょうからね、これだけ分かれば
書けるんじゃないのかなと云うのは、実際書いている私の感想です。
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