日々、土器実測(仮)

発掘された遺物の図化作業メインのお仕事ブログのはずが、日々の徒然・スピ話ばっかりになっちゃってる日記。

価値観

2010年04月23日 | 仕事
今日は古代土器のトレースをしました。
個体数も少ないし調整も殆どないのでサクサク進み、修正まで終わり。
更に時間が余ったので、残っていた縄文トレースの修正まで終われました。
後は古代の観察表を作れば、今引受けている分は終わりです。
週明けには直ぐ観察表に入れるので、午前中には終われます。
あ~、思ったより仕事が早く進んで、ホント気分がいいです、にょほほ~。

会員になっているお店の開店感謝祭の期間限定ビール割引があると云う事で、私の誕生日祝いを兼ねて、私の実測の
師匠と飲みました。
毎年誕生日のお祝いで、このお店からデザート盛合わせのサービスも受けられるので、何時も一緒に行きます。
そこであれこれ話をしたのですが、縄文土器の事で、なるほどなあと思う事がありました。
火炎土器のような凄い土器で煮炊きをしていたと云う事について、今の価値観で考えれば、使い勝手が悪いから煮炊き用
ではないだろうと私は考えますが、縄文人は形や文様に価値を置いて、使い勝手は二の次だったもしれないと云われました。
更に、装飾がゴテゴテだったり口縁部の突起が凄い、日常的な煮炊きに使うように見えない土器は、そう云う煮炊きではなく
祭祀の煮炊きに使ったかもとも云われました。
でも、今のお供え物を考えた時、どれも調理前のものばかりですから、祭祀での煮炊きと云うのも変だよなと思いましたが、
これも、今はそうでも当時はそうではなかったかもしれず……。
こんな風に、今の価値観から外して考えて行くと可能性は限りなく、タイムマシンでもないと本当のところは分からないまま
なのかもしれないなと思いました。
時代は縄文ですからねえ、こればかりは単純に今との比較では考えられませんよね。
でも薄っすらでも思うのは、縄文人は頭の良い人たちだったのだろうなと云う事と、精神性もかなり高かったのだろうなと
云う事です。
そう云う部分と云うのは、な~んか伝わって来ると云うか、感覚的に分かりますよね。
何かの縁あって、この仕事に関わっているんだろうなあと、改めて思います。