(下手の横好きのゴルフが趣味、家族がありながらボーイフレンドもいたらしい多彩なケインズ先生)
アベノミクスとやらで円安方向に為替が動き株価もあがっています。
結構なことです。
財務省・日銀の下僕であった野田さんと違い日銀に脅しをかけました。
まあ、白川さんもインタゲはやらなきゃなあ、と思っていたかも知れませんが「日銀の独立性」とか言われちゃうとね。
つまりは民主党お子ちゃま内閣は誰も責任を取ろうとしなかった。
官僚とアメリカの言いなりでした。
今回は安部さんが「やれ」と言うなら白川さんも気楽でしょう。
さて、ここまではフリードマンさんの金融政策ですが通貨量だけで景気を動かせるというのは単なる数式の世界。
金融政緩和で押し上げられるのは資産です。
株や国債などの債権、そして行く行くは不動産ですね。
つまりはバブルの再燃。
富裕層が潤います。
トリクルダウン効果とかで労働者層に恩恵が巡るのは(廻ったとしても)まだまだ先ですね。
当面は給料は上がらないが物価は先行して上昇ということになるかも。
世界経済が行き詰まり、先に行き詰まった日本を反面教師とした欧米では大胆な金融緩和策が次々にとられています。
紙幣をばんばん刷りまくるわけですから通過安になります。
乗り遅れた日本の円だけが独歩高でした。
それが是正されるのは好ましいことです。
しかし金融政策だけでは需要は拡大しない。
アメリカの例を待つまでもなく資産バブル、「雇用なき好況」、格差の拡大という副作用もあります。
民間の需要や輸出が低調なら政府が需要を肩代わりすべきですね。
長い間過去の経済学として過小評価されていたケインズ先生の復活です。
ハイエク先生やフリードマン先生と違って象牙の塔の学者ではありません。
事業家であり、投機家、ジャーナリストで、おまけに政治家で外交官。
空虚な理論より総合的な知力、歴史と常識に学びます
戦前のグローバリズムの結果起こった欧州のデフレ、無傷のアメリカからの大量資金流入。
不景気と資産バブル、そして滅茶苦茶な大型公共事業としての戦争。
忌まわしい歴史に学ぶことは大切です。
戦後、政府が介入して秩序ある保護主義体制が出来上がりました。
その青写真を描いたのがケインズ先生。
ケインズさんの構想に基づくIMF、ブレトン・ウッズ体制の下、資本の無節操な移動は制限されました。
そして未成熟な日本経済は関税や非関税障壁を許され高度成長した。
東西冷戦という政治的背景で覇権国アメリカにとって日本の成長が国益に叶うというラッキーもありました。
しかし、その後グローバリゼーションの30年間、緊縮財政という愚かな政策を続けた日本は全く成長していません。
そして戦後復興のための公共事業。
高速道路や新幹線。
今回のアベノミクスには大型の公共事業が含まれます。
頼もしい。
そういうと、ばら撒き批判が出ますね。
借金して政府が物を作れば子孫への負の遺産ができるだけ、という意見です。
でも、必要な事業はやるべきです。
インフレでは緊縮財政、デフレでは積極財政、これ常識でしょう。
需要が回復し、設備投資が行われる事で景気が上向き、税収も増える。
緊縮財政による負の連鎖を断ち切らなければいけません。
今は何はともあれ震災復興。
効果のない除染(移染)や原発再稼働、新設ではない。
4年以内に直下型地震が起きる可能性が70%、南海トラフの大地震も起きるとか。
建造物の耐震化、堤防の充実その他国家強靭化は待ったなしです。
国民の命を守ることが国家の責務、そのために税金はあります。
デフレの原因の一つは需要不足。
輸出よりも効果の大きい公共事業は必須だと思います。
道路や新幹線は子孫への財産にもなります。
【藤井聡】日本で まかり通っている虚事(そらごと)
(熱血ケインジアンの藤井先生)
しかし今回安部さんが出してきた内容はがっかりでした。
補正で真っ先に満額回答されたのが軍備増強費1805億円。
おいおい、それって新しい需要は生みませんよ。
あのね、財政破綻や国債暴落リスクがあるので緊縮財政してたんでしょ。
その貴重な資源で軍拡ですか。
とんでもない話です。
潤うのはアメリカの軍産複合体。
やはり日本の保守は対米従属なのでしょうか。
そんな安部さんですがオバマさんは一月中は来なくていいよと。
足元を見られていますね。
オスプレイやTPP(年次改革要望書の復活)、もっとお土産を持って来なさいという事。
軍拡とか放射能除染とか無駄な公共事業は止めて国民の将来のためになる事業は何なのか。
ばら撒き批判などしている暇があったら国民的議論で知恵を出し合うべきでしょう。
それと安部さん、規制撤廃だ、構造改革だ、TPPだといまだに新自由主義の肩棒を担いでいる。
がっかりさせられますね。
新自由主義がもたらすグローバル化こそが先進国でのデフレの最大の理由です。
規制撤廃して関税、非関税障壁を無くしたら途上国の安い製品や労働力が入ってくる。
消費者は安い製品の恩恵をあずかりながら一方で生産者としてコスト削減圧力を受けます。
労働者の給料が削減され、失業者が街にあふれ国民経済はガタガタになります(今がそう)。
潤うのは税金をあまり払わないグローバル企業のみ。
安部さんだけではない。
橋下さんや「みんなの党」も無邪気な新自由主義。
小泉さんと同じワンフレーズ野郎です。
ネオリベは学者(フリードマン先生達)の頭で考えたちゃちな合理性に過ぎません。
因みにケインズ先生は経済学位をお持ちでなかった。
学んでいないなあ。
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