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サブプライムローン、リーマンショック、株価暴落…。世界中を金融危機の渦に巻き込んだウォール街崩壊の内幕を暴きだした社会派ドキュメンタリー!第83回(2010年)アカデミー賞 長編ドキュメンタリー賞を受賞(オリコン、データベース)
2008年にリーマンショックとした崩壊した金融バブル。
徹底的な規制緩和で証券会社のみならず銀行までが博打に走った。
しかし所詮、博打は博打。
いつも勝てるわけではない?
いやいや、勝てる方法はある。
ゴールドマン・サックスらの金融大手が政治家、学者、格付け機関、マスコミを支配して荒稼ぎした様子がよくわかる。
言葉は悪いが詐欺だ。
アメリカンドリームの幻想のもと、頭金なしで低所得者層にカネを貸した。
銀行ローンは証券化され機関投資家や一般投資家に販売された。
もともと資金のない人たちの住宅購入であるサブプライム・ローン。
焦げ付くリスクは大きい。
しかしそれをパッケージ化して他の債券とごっちゃにして売り出す。
そんな債券にAAAのお墨付きを連発したのが格付け機関。
年金基金などの安全資産を求める投資家には有難い話だ。
日本の国債より格付けが上だもの、ついつい手が出る。
しかし格付け機関は安全だと思ってAAAとつけているわけではない。
儲かるからだ。
潰れれば「あれはただの意見です」との厚顔ぶり。
実態は屑の証券。
もともと金融会社の種々のコストが組み込まれた高金利ローン。
しかしこのローンの成功で住宅バブルが起きた。
住宅価格が頭打ちになれば問題が一挙に噴き出す。
そこでAIGなどが売り出したのがCDS。
債券がデフォルトになっても全額支払い保証してくれる。
そして債券が破綻したときの保険であるCDSも証券化された。
サブプライム証券破綻となれば一企業では支払いきれないほどのCDSが売られる。
サブプライム・ローンを売りまくって大儲けしたゴールドマンらは目の前に迫る破綻を前に今度はCDSを買いまくる。
そしてハルマゲドン。
AIGも当然共倒れだ。
しかし、これも想定済みだ。
ゴールドマンの幹部だったポールソンが時の財務長官。
ただちにAIGを国有化。
そしてNY連銀のガイトナーがゴールドマンらにCDSという保険金を全額支払わせた。
そしてそのガイトナーがオバマの財務長官になる。
全部グル。
レーガン政権下で財務長官になったメリル・リンチのリーガンから始まり、財務長官はルービン、ポールソンら金融マフィアの指定席。
彼らが有り余る金でロビイストを使い(なんと金融ロビイストの数が議員の5倍いるらしい)、金融の規制緩和を推進した。
そしておこぼれに預かったのがハーバートやコロンビア大学の御用学者たち。
金融工学というお笑いだ。
そしてグリーンスパン、バーナンキ率いるFRB。
なにやら原子力ムラに似ているなあ。
そして破綻。
負け組は国民の90%。
10兆ドルの資産が吹き飛び、300万人が失業、米国政府の債務は倍増した。
儲けたのが、今盛んに言われる1%の人たち。
ルービンもポールソンもガイトナーもグリンスパンもバーナンキも格付け機関のトップも御用学者たちも1%として大幅に資産を増やした。
誰一人として責任追及を受けないし、気持ちが悪くなるほどの額のボーナスを貰っていた破綻金融機関の経営者も返還を求められない。
ITバブルの時、買収されて怪しいネット株を推奨したアナリスト達もお咎めなしだった。
そして今、ドル延命のために再び金融バブルが仕掛けられ雇用なき繁栄が続いている。
コンピューターを回して儲け続ける1%。
やがて来る危機の再来でも大儲けするのだろう。
ロムニーは完全に金融側の人。
危機の際、次々と金融規制を打ち出したオバマに期待するのも非現実的だ。
改革は即座に腰砕けした。
当然だ。
オバマのスポンサーはゴールドマンの大ボスであるジェイ・ロックフェラー。
人殺しで金儲けする軍産複合体グループとデリバティブという金融大量破壊兵器で富を独り占めるする金融マフィア。
彼らがアメリカや周辺国の政治・経済を動かしていることは紛れもない事実だ。
この欲深さと用意周到さには驚かされるばかりだ。
日々のちまちましたカネを追いかけ、現状維持に汲々とする日本の既得権益層とはスケールが違う。
いやいや、アメリカが羨ましいとは言っていません(笑)。
アメリカの救いはジャーナリスト精神がまだ残っているらしいこと。
新聞、テレビは「そもそも論」的に金融マフィアや軍産複合体に直接支配されているが、それに立ち向かうジャーナリスト精神は健全だ。
そこだけは羨ましい。