国鉄フライヤーズ

目指せカネ、ヒマ、若さ

ケインズ先生復活、先ずはめでたしだが(学んでいないかも)

2013-01-15 01:00:00 | 経済投資

(下手の横好きのゴルフが趣味、家族がありながらボーイフレンドもいたらしい多彩なケインズ先生)

アベノミクスとやらで円安方向に為替が動き株価もあがっています。
結構なことです。
財務省・日銀の下僕であった野田さんと違い日銀に脅しをかけました。
まあ、白川さんもインタゲはやらなきゃなあ、と思っていたかも知れませんが「日銀の独立性」とか言われちゃうとね。
つまりは民主党お子ちゃま内閣は誰も責任を取ろうとしなかった。
官僚とアメリカの言いなりでした。
今回は安部さんが「やれ」と言うなら白川さんも気楽でしょう。

さて、ここまではフリードマンさんの金融政策ですが通貨量だけで景気を動かせるというのは単なる数式の世界。
金融政緩和で押し上げられるのは資産です。
株や国債などの債権、そして行く行くは不動産ですね。
つまりはバブルの再燃。
富裕層が潤います。

トリクルダウン効果とかで労働者層に恩恵が巡るのは(廻ったとしても)まだまだ先ですね。
当面は給料は上がらないが物価は先行して上昇ということになるかも。

世界経済が行き詰まり、先に行き詰まった日本を反面教師とした欧米では大胆な金融緩和策が次々にとられています。
紙幣をばんばん刷りまくるわけですから通過安になります。
乗り遅れた日本の円だけが独歩高でした。
それが是正されるのは好ましいことです。

しかし金融政策だけでは需要は拡大しない。
アメリカの例を待つまでもなく資産バブル、「雇用なき好況」、格差の拡大という副作用もあります。
民間の需要や輸出が低調なら政府が需要を肩代わりすべきですね。
長い間過去の経済学として過小評価されていたケインズ先生の復活です。
ハイエク先生やフリードマン先生と違って象牙の塔の学者ではありません。
事業家であり、投機家、ジャーナリストで、おまけに政治家で外交官。
空虚な理論より総合的な知力、歴史と常識に学びます

戦前のグローバリズムの結果起こった欧州のデフレ、無傷のアメリカからの大量資金流入。
不景気と資産バブル、そして滅茶苦茶な大型公共事業としての戦争。
忌まわしい歴史に学ぶことは大切です。
戦後、政府が介入して秩序ある保護主義体制が出来上がりました。
その青写真を描いたのがケインズ先生。

ケインズさんの構想に基づくIMF、ブレトン・ウッズ体制の下、資本の無節操な移動は制限されました。
そして未成熟な日本経済は関税や非関税障壁を許され高度成長した。
東西冷戦という政治的背景で覇権国アメリカにとって日本の成長が国益に叶うというラッキーもありました。
しかし、その後グローバリゼーションの30年間、緊縮財政という愚かな政策を続けた日本は全く成長していません。

そして戦後復興のための公共事業。
高速道路や新幹線。
今回のアベノミクスには大型の公共事業が含まれます。
頼もしい。

そういうと、ばら撒き批判が出ますね。
借金して政府が物を作れば子孫への負の遺産ができるだけ、という意見です。
でも、必要な事業はやるべきです。

インフレでは緊縮財政、デフレでは積極財政、これ常識でしょう。
需要が回復し、設備投資が行われる事で景気が上向き、税収も増える。
緊縮財政による負の連鎖を断ち切らなければいけません。

今は何はともあれ震災復興。
効果のない除染(移染)や原発再稼働、新設ではない。

4年以内に直下型地震が起きる可能性が70%、南海トラフの大地震も起きるとか。
建造物の耐震化、堤防の充実その他国家強靭化は待ったなしです。
国民の命を守ることが国家の責務、そのために税金はあります。

デフレの原因の一つは需要不足。
輸出よりも効果の大きい公共事業は必須だと思います。
道路や新幹線は子孫への財産にもなります。

【藤井聡】日本で まかり通っている虚事(そらごと)

(熱血ケインジアンの藤井先生)

しかし今回安部さんが出してきた内容はがっかりでした。
補正で真っ先に満額回答されたのが軍備増強費1805億円。
おいおい、それって新しい需要は生みませんよ。
あのね、財政破綻や国債暴落リスクがあるので緊縮財政してたんでしょ。

その貴重な資源で軍拡ですか。
とんでもない話です。
潤うのはアメリカの軍産複合体。
やはり日本の保守は対米従属なのでしょうか。

そんな安部さんですがオバマさんは一月中は来なくていいよと。
足元を見られていますね。
オスプレイやTPP(年次改革要望書の復活)、もっとお土産を持って来なさいという事。

軍拡とか放射能除染とか無駄な公共事業は止めて国民の将来のためになる事業は何なのか。
ばら撒き批判などしている暇があったら国民的議論で知恵を出し合うべきでしょう。

それと安部さん、規制撤廃だ、構造改革だ、TPPだといまだに新自由主義の肩棒を担いでいる。
がっかりさせられますね。
新自由主義がもたらすグローバル化こそが先進国でのデフレの最大の理由です。
規制撤廃して関税、非関税障壁を無くしたら途上国の安い製品や労働力が入ってくる。

消費者は安い製品の恩恵をあずかりながら一方で生産者としてコスト削減圧力を受けます。
労働者の給料が削減され、失業者が街にあふれ国民経済はガタガタになります(今がそう)。
潤うのは税金をあまり払わないグローバル企業のみ。
安部さんだけではない。
橋下さんや「みんなの党」も無邪気な新自由主義。
小泉さんと同じワンフレーズ野郎です。
ネオリベは学者(フリードマン先生達)の頭で考えたちゃちな合理性に過ぎません。
因みにケインズ先生は経済学位をお持ちでなかった。

学んでいないなあ。

訴訟王国アメリカ - TPPで日本の近未来(新年早々ロクでもない話ですが)

2013-01-01 01:00:00 | 経済投資

(トモダチのFRIはもうEND?)

トモダチ作戦の米空母ロナルド・レーガン乗員8人と、当時妊娠中の女性の子供が東電を相手取って、何と94億円の訴訟を起こしたそうですね。
何故か日本のマスメディアは殆ど報じません。

米兵「被ばく」東電に94億請求 8人、連邦地裁に提訴

東電が放射能情報の告知を怠った過失責任の補償として3000万ドル。
そして放射能被曝の治療費が1億ドルとか。
被害額の算出根拠がわかりません。
アメリカにたくさんいるゴロツキ弁護士仕掛けたのでしょうが、滅茶苦茶な金額を吹っかけてどこかで示談に持ち込もうという腹でしょうか。

もっとわからないのが提訴先。
東電相手に連邦地裁.
カリフォルニアはサンディエゴの連邦地裁。
私は法律のことはさっぱりわからないのですが、何故ここで?

でも、賠償命令が出ると大変ですね。
作戦に参加した米兵は24000人でしたっけ?
完全アウェイの陪審員裁判だからどういうことになるのか。

これで思い出すのがTPP。
日本をアメリカの都合の良いように作り変える小泉対米従属内閣の「年次改革要望書」。
これを破棄したのが鳩山・小沢革命内閣でした。
しかし、日本のメディアを総動員したアメリカと官僚の圧力で潰されてしまいましたね。

でも「年次改革要望書」は復活していません。
そこでです、敵も賢い。
早速、後任の菅さんに言い出させたのがTPP参加。
日本のアメリカ化という同じ話です。
1%対99%(あなたです)の超格差貧困国への道とも言えます。

このTPP、いまだに単なる農業問題だと勘違いしている人も多い。
金融で失敗したアメリカが国内産業を育成するために日本などへの輸出を5年で倍増するための包括的な協定です。
何度も書いているので繰り返しませんが、法律、医療、保健など多岐にわたる分野でアメリカ式グローバリズムを取り入れるという話。
そして企業は(実質的には米国グローバル企業は)相手国を不正障壁だと訴えられるんですね。
ISD条項というやつです。
例えば日本車の安全基準は不当に厳しいとか、環境規制を緩和しろとか、狂牛病の全頭検査や遺伝子組み換え食品の輸入規制は非関税障壁だと。

裁くのは世銀傘下の紛争解決センター。
つまりはアメリカによる一審制。
今回の東電訴訟のような悪夢です。

そしてTPPの下、米国の弁護士が日本で自由に活動する事が許される。
あちこちで裁判が起こされお金と時間が浪費され、人心が荒ぶ。
宮沢賢治さんに習って「北ニケンクヮヤソショウガアレバ、 ツマラナイカラヤメロ」と言いたくても手遅れです。

このTPP、後で「それはないでしょ」と後悔しても「もとには戻せない」ラチェット条項というのもあります。
何と手回しのいい。
そんな罠に自ら飛び込むって異常じゃないでしょうか。

安部自民党はTPP推進、増税、原発継続で国民の信認を受けた大政翼賛体制です。
原発再稼働のみならず建設まで推進するらしい。
それが民意でしたか?

どうなってしまうのでしょう、ニッポン。

米兵訴訟を受けて(?)ずる賢い官僚は東電をスケープ・ゴートにするつもりでしょうか。
これだけの事故を起こしても捜査さえ入らない異常事態は何だった?

原発事故 100人超聴取へ 東電旧経営陣・班目氏ら 検察 来春立件判断

1000兆円は国(国民)の借金ではなく政府の借金、国民の資産

2012-06-13 01:00:00 | 経済投資


田村秀男のコラムだ。

「1000兆円」は国民の資産、財務官僚にだまされるな
2012/05/12 15:58


英語ではgovernment debt。
明らかに政府の借金で、貸しているのは日本の場合ほとんどが国民だ。

何やら消費税増税を受け入れるのが国民として責任ある行動でもあるようなのが昨今の大手メディアの報道だ。
しかし実体は政府による借金。
政府にぶら下がるシロアリを退治せずにどうやったら財政状態を改善できるというのだ。

消費税増税で景気はさらに悪化して税収は減る。
財務省が国会の答弁で認めている。
何の為の増税?
シロアリの餌に決まっている。
また高速増殖するぞ(笑)。

税金を上げては免税措置を施す。
それが財務省をはじめとする官僚の利権、すなわち天下り先製造装置だ。
つまり、増税すれば一時的のみならず構造的に政府の支出が増えて財政は悪化するわけだ。

バブルでは所得税、相続税などで税収は増えたがどうなったか。
結局シロアリが忽ち食い散らかしただけだ。

消費税25%の理想国家スエーデンでは65歳の年金支給が怪しくなってきた。
最近では75歳まで働けと。
平均寿命80歳ですぞ。
政府のもらい逃げだな。
どこの政府も油断ならない。

毎日のニュースでは小沢一派が消費税増税に反対している困った人たち扱い。
消費税増税に反対しているのは国民の大多数だとなぜ報道しない、マスゴミ!

増税法案が通らないのは政治が混乱しているからではない。
増税に理がないからだ。

増税を掲げれば選挙に負ける。
だから大連立とか話し合い解散とか言っては国民に対する争点隠しに奔走する。
愚民の意向は関係ないということ。
財務省が仕掛ける政界の野合だ。
両政党とも「民主」を党名から削除しろ。
あ、「党」という党名もないな。
じゃあ非民主党、自由な非民主党。

官僚機構をさらに肥大化し、輸出を生業とする大企業に大儲けさせる消費税増税を許せるか。

(おまけ)

毎日新聞の社説が笑える。

「消費税、海外の例を見ても生活必需品などの軽減税率も必要だ。(中略)知的課税をを避けるため、新聞などには軽減を適用すべき・・」。

わかりやすい人たちで開いた口が塞がらない。
この中に明らかな間違いが一つある。
新聞が「知的」だって?

亡国の経団連、消費税10%なら大企業は6兆円のボロ儲け

2012-04-18 01:00:00 | 経済投資


これも財務省やスポンサーに隷属する大手メディアが伝えない事だ。
意外と知らない人が多いので驚かされる。

引用

2012年4月10日 日刊ゲンダイ

還付金制度の重大欠陥

<湖東京至氏(元静岡大教授)>

「消費税は最大の不公平税制です」。
消費税増税にヒタ走る野田政権に対し、元静岡大教授で税理士の湖東京至氏(72)が怒りの声を上げている。

消費税は「国民が広く公平に負担する税」などといわれてきたが、これは大ウソだ。
「増税で潤うのは大企業だけ」と言い切る湖東氏に“カラクリ”を解説してもらった。

「消費税の最大の問題は、輸出企業への還付金制度です。
外国人に日本の消費税を負担させるわけにはいかないという理屈で、国内の部品仕入れ段階などで発生した消費税を国が後で戻す仕組みのことです」

 消費税の税額は年間売上高から年間仕入れ高を差し引いた額に5%掛けて決まる。
輸出分の税率はゼロだから、輸出割合が高いほど、仕入れ段階の税額と還付金の逆転現象が起きるというわけだ。

「例えば、ある企業の売り上げが国内で500億円、輸出で500億円だったとします。
仮にトータルの仕入れ額が800億円だったとしましょう。
その場合、国内で販売した500億円の売り上げに対する税額は25億円、仕入れの税額は40億円となり、差し引き15億円が還付されることになるのです」

 つまり、本当は1000億円の売り上げがあるのに、500億円も低くなり、それでいて仕入れ額の800億円はそのままで計算されるというわけだ。

「政府の予算書を見ると、こうした還付金は約3兆円(10年度)あり、消費税の総額(約12兆5000億円)の約3割に上ります。
仮に10%に引き上げられれば還付金は単純計算で6兆円にも達するのです」

 こうした輸出企業の本社を抱えた税務署は徴収する消費税よりも還付金の方が多く、「赤字」になっているという。
「トヨタ本社がある愛知の豊田税務署は約1150億円の『赤字』です。
税務署はトヨタに毎月、200億円近くを振り込まなければならず、遅れると巨額の利息が付くので大変です」

 黙っていてもカネが入る――。
政財界が一体となって消費税増税にシャカリキになる理由がここにあるのだが、対照的に中小企業は苦しくなる一方だ。

「消費税の滞納率は5割にも上ります。これは事業者がわざと滞納しているのではなく、経営が厳しくて納めたくても納められない中小企業、自営業者が多いのが実態です。
ズルズルと税率が引き上げられれば、滞納額も大変な額になるでしょう。
欧州並みに失業率が高くなり、国家は疲弊する。還付金制度を廃止するだけで3兆円の増収になります。
増税などとんでもない話で、消費税自体を廃止するべきです」 .

引用終わり


こちらは経団連の経済予測を伝えるNHKニュース。
力強い日本を取り戻すためTPPに参加しアジアの成長を取り込めと。
アホか。中国も韓国もインドもインドネシアも入ってないよ。
米倉の会社はモンサントの代理店。
TPPの受益者だ。
そして財政再建を先送りせず消費税を増税しろと。
理屈はいくらでもついてくる。
相変わらず強欲なジジイたちだな。


試算 日本は先進国から転落も

消費税増税、馬鹿も休み休みに(無産階級化が進む)

2012-04-08 01:00:00 | 経済投資


田村秀男
民を殺す消費税


消費増税で政治生命を賭けるという野田佳彦氏と民主党執行部、政局の手段にする自民党執行部。
それは経世済民を忘れた日本の政治そのものである。
機械的なNHKの日曜討論や御用メディアの衆愚報道ぶりに怒りを覚える。
預金など金融資産は日銀傘下の金融広報中央委員会データによれば、日本の無産階級化に加速がかかっている。
国民3人のうち1人弱が預金ゼロなのだ。個人の金融資産1400兆円というデータの裏側は無産階級の急増である。

こんなことは終戦時以外、なかったことである。
低所得階層へのバラマキで済む話ではない。
デフレを加速させ、所得を減らす増税偏重政策が元凶なのである。
このグラフを見よ。与野党を問わない、恥を知る政治家はいるか。
グラフが示すように、97年の橋本内閣による消費増税と社会保険料負担増など9兆円の国民負担増による税・社会保障一体改革の結果、98年から国民が貧しくなる慢性デフレが始まり、現在に至る。(グラフは上のリンクから見てください)


でも、こう言う田村氏の産経新聞を見ると(土曜日)一面で伊藤という東大の先生が反消費税論者を無責任と詰っている。
勿論財政再建は必要だ。
それに反対するわけではない。
要は支出を削って税収を増やすことだ。
でも消費税を上げて税収が増えるか、バーカ。

97年に橋本内閣は消費税を3%から5%に増税した。
消費税は4兆円増えたが不景気で所得税・法人税は6.5兆減った。
税収が下がったということだ。

それから政府金融当局の愚策で日本経済は沈没したままだ。
デフレだよ。
田村によれば、デフレとは物価の下落をしのぐ速度と幅で一般の所得が下落すること。
所得の下落こそが問題だ。
所得が下がれば税収は減り、社会的コストは上がる。
財政は悪化する。

20年前の税収が消費税3%で60兆円。
今は消費税5%で40兆円。
ここで財務省の省益に乗って増税すれば日本は財政破綻の前に経済破綻必至だ。

財務省の言いなりで消費税増税、経産省や原子力村の言いなりで原発再稼動、アメリカの言いなりでTPP参加に邁進する野田政権。
気持ちの悪いロボット首相だ。
そして田村の言うとおり「機械的なNHKの日曜討論や御用メディアの衆愚報道ぶりに怒りを覚える」。


ギリシャは民主主義を守るためデフォルトしろと、イギリスが(笑)

2012-02-23 01:00:00 | 経済投資


Financial Times
ギリシャは民主主義のためにデフォルトしろ
2012.02.21(火)


イギリスのファイナンシャル・タイムズによると、ドイツの財務相がギリシャ支援の条件として、
4月の総選挙を延期するか、結果にかかわらず大連立を組めという「非民主主義的」提案をしているそうだ。

破綻したギリシャの再建にはぐうたらな国民の意思は障害。
選挙などで無駄な時間を潰している場合では無い。

つまりは厳しい緊縮策を押しつけられる「ギリシャはユーロ圏の植民地?」。
そこでは「誤った」民主主義は回避されなくてはならない。

そして政権を決めるのはギリシャ国民ではなくユーロ圏(ドイツ)というわけだ。
ユーロ圏にとって、あるべき政権は実務家のパパデモス首相が率いる現政権。

こういう内政干渉にあたる要求はドイツ国内に適用されれば憲法違反。
「倫理にもとる」要求だ。

しかし、FTによるとこれは元々無茶な要求で、実はギリシャ国民を挑発して即刻デフォルトさせようというのがドイツの思惑。

「陰謀論は山のようにある。ギリシャのメディアでは、アンゲラ・メルケル首相とショイブレ財務相にナチの制服を着せた漫画が載らない日はほとんどない。ドイツの議員らは、ギリシャの怒りに対して怒りを露にした。ドイツの大衆紙ビルトは、ギリシャをユーロ圏から「放り出す」ことを求めている。
 ギリシャにいるドイツ人やドイツにいるギリシャ人に対して暴力が振るわれる事態を考えると、ぞっとする。これは容易にエスカレートし得る類の対立だ。」
 
「遠からず、さらなる緊縮策が実施されるだろう。いずれどこかの段階で、誰かがプツンと切れるはずだ。
 ドイツの戦略は、生活を耐え難いものにして、ギリシャ人自身がユーロ圏から出ていきたくなるように仕向けることのようだ。メルケル首相としては絶対に、ギリシャを撃った銃を手にしている姿を見られたくない。ドイツの戦略は自殺幇助戦略であり、極めて危険で無責任なものだ。」

これって、ユーロ崩壊を狙う英米覇権主義者のシナリオ、或いは願望のようにのように読めてワロタ。
両国民の怒りを煽ってるのはあんた達じゃないの?
ギリシャ危機そのものが英米が金融兵器の格付け機関を使った仕掛けだろうし、救済策が出来上がった今でもギリシャ国債を先売り攻撃しているのが英米の投機筋だ。

ギリシャ国民の「自殺幇助」は英米の「陰謀」と言い換えればすっきりする。
金融システムが自壊しているのは実は英米の方だろうに。

第二次世界大戦によって延命した英米覇権主義の「終わり」は始まっている。
米軍はイラクやアフガンを撤退し、欧州駐留軍も大幅に縮小する。
田中宇によれば「EUが政治経済的に対米従属を離脱し、EU統合軍ができてNATOが有名無実化し、米軍は欧州から出ていく」。

対米従属を続けたいのは日本と韓国だけになるのだろうか。


オリンパスを叩くべきか(似非グローバル主義に騙されるな)

2011-12-12 01:00:00 | 経済投資

(正義の人?)

ホリエモンはメルマガで、オリンパスの粉飾決算はライブドアより巨額で長期にわたることをあげ、
「市場へのインパクト考えれば上場維持が正解なのだろうけれど、刑罰を受け入れて服役中の身としては、
法の下の平等とは何なのか心がざわつく」と書いているそうだ。

全くの同感。
フジテレビという権力のブラックボックスを買収しようとした堀江は許せん、という検察。
小沢一郎や鈴木宗男と同じく、存在そのものが有罪(笑)という二重標準だ。

あれだけの粉飾決算を続け多くの株主に大損害を与えたJALの旧経営陣や共犯の国交省が裁かれることはない。
東電だって実は債務超過なのではないのか。
経営陣の責任を問わず、前社長に多額の退職金を出し、社員にボーナスを支給する。
立派な犯罪行為だと思うが。

それだけではない。
重大な被害をもたらしている原発事故に捜査の手さえはいらない。
存在そのものが無罪だ(今のところ)。

司法は岸や椎名が築き上げた芸術品である統制経済の遺産だ。
日本をバラバラにして支配しようとした占領軍。
ドイツでは直接統治をしたが日本は不思議の国だった。

経済界や政党は解体したが官僚機構と農協は残した。
アメリカも日本社会の特殊さ(西欧から見て)が理解できなかったのだろう。
権力の中枢としてに二重標準さえ許されている存在が日本の司法だ。

しかし本件、別の意味でも二重標準だ。
コーポレート・ガバナンスとかコンプライアンスとかいう英米式グローバルスタンダード。
これこそがダブルスタンダードだ。

時価会計を押し付け日本の金融機関を弱体化し買収した。
オリンパスの事案も昔の会計制度ならセーフ。
しかし時価会計が公正だと主張する欧米は、自分たちが苦境に陥れば抜け道はいくらでも作る。
欧米の銀行は時価会計の特例で延命している。
大体、アメリカ経済そのものがFRBによる大規模な「飛ばし」によってのみ延命しているではないか。
国家のバランスシートをFRBのバランスシートにつけ替えているだけ。
FRBは債務超過だがここは聖域。
ロンポールらが査察しろと言っていたがどうなったか。

TPPでアメリカが押し付けたいのがISD条項。
つまり進出企業が現地の政府の施策によって不利益を被っていると思えば国際的仲裁機関に提訴できる。
善悪の判断をするのは彼らだ。
英米傘下の似非グローバル主義。
ご都合主義で断罪できる。

イランの核疑惑がまた言われているが、これも同じ。
戦争を起こさないと生きていけない軍産複合体。
彼らのお得意さんを公然と設定したのがブッシュ政権。
「悪の枢軸」の一員であるイランは存在自体がが有罪というわけだ。

やはり「悪の枢軸」であったイラクでは、4400人の米兵と100万人以上のイラク人が犠牲になった。
軍需産業は儲けたがアメリカは直接戦費だけで1兆ドル。
スティグリッツによると、機会損失を含め3兆ドルが浪費された。
アメリカの覇権からの凋落を決定づけた。

サダムが大量破壊兵器を作っているというデマ。
ここにも「存在そのものが有罪」という人がいた。
今イラクで米軍が撤退している事を日本のメディアは伝えない。
日本のカネもここで無意味に浪費された責任は不問だ。
悪の枢軸たあ、誰のことだ。

イランでも同じ猿芝居が繰り返されるかもしれない。

猿回しが天野 之弥という外務省のトンデモ?役人だ。


彼が率いるのが国際原子力機関(IAEA)。
核疑惑の検証をする機関だが、天野はアメリカに完全追随。
自らそう発言したとWIKILEAKSにすっぱ抜かれている。

名前はカッコいいがコーポレート・ガバナンスもコンプライアンスもグローバル主義という
英米ご都合主義の一部だということを忘れるべきでない。

オリンパスの株価が下がり買収されれば日本の優れた技術が流失する。
叩いてばかりいられないぞ。

自助自立(草の根の声を聞こうか)

2011-11-24 01:00:00 | 経済投資


最近、新型鬱病の話をよく聞くようになった。
会社に行くと欝になり休みの日には元気になるというアレだ。
それなら大多数の勤め人は昔から欝だったのか(笑)。
経営者にとって頭の痛い話だ。

この新型欝、従来型と違うのは気分の浮き沈みが激しく、又苛立ちの矛先を自分よりも他人に向けるという。
真面目で責任感の強い人は欝になりやすいと言われるが、どうやら真反対だ。
症状は従来の食欲不振、不眠よりも過食、過睡眠だと。
昔で言えば我儘な怠け者だ。
病気だと言うので気の毒だが、何やら人間或いは社会の劣化を感じる。

市場原理主義という非人間的な概念が社会全体を覆い、物事を極度に単純化している。
カネに換算出来ないものの価値は経済的には無いに等しい。
大量生産、大量消費で商品がスペック化し、同品質の商品間の選択は価格の高低。
成熟した社会には馴染まないつまらない話だ。

そこには人間的繋がりや社会の共生感が感じられない。
競争もいいが「進化は協力や共進によってより多くもたらされてきた」と建築家の鈴木エドワードさんもフェースブックで語っている。
新自由主主義のなんと底の浅いことか。

宗主国に媚び新自由主義のTPPを推し進め、国民の財産をかすめ取る官僚の尻馬に乗って増税を持ち出す政治家。
思想を失った官僚と無批判に権力に迎合するメディア。
現在進行中の金儲けを延命することしか考えず原発だ、TPPだと方向音痴で醜怪な経団連の年寄り達。
やはり我々は劣化してきているのかも知れない。

草の根の声を聞こうか。


仙台いちご再生支援プロジェクト



【経済が告げる】産經新聞朝刊

編集委員・田村秀男 「自助自立」を問うTPP

2011.11.22

 政府の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加表明をめぐって世間が騒然としている中、小さいが、東日本大震災被災地から力強いニュースが伝わってきた。

 津波で農地の95%以上が被害を受けた宮城県亘理町と山元町の「仙台いちご」の産地が今季初のイチゴ出荷にこぎ着けたという。農家が結束し、遊休農地を借り上げてゼロから再出発して、需要期のクリスマスに間に合わせた。8月に会ったJAみやぎ亘理の岩佐國男組合長は「以前の補助金漬けに戻るつもりはない」と言い、自力再建を掲げてきた。

 思い起こすのは、関東大震災(1923年9月1日)直後、ただちに「帝都」(東京)の大復興を設計した後藤新平内相兼帝都復興院総裁が盛んに説いた「自助自立」である。その精神は日本人に脈々と受け継がれ、大震災の東北で発現しているようで、「仙台いちご」の復活にいささか感動を覚える。

 当時、後藤が大原則の一つとしたのは、増税なき復興である。巨額の復興債を発行するが、「(復興の)方法が機宜(きぎ)よろしきを得れば、かえって最小の経費をもって最大の効果を挙げることができる」と力説し、綿密で大胆な復興計画を立案した。当時は第一次世界大戦後の反動不況で復興債の国内消化は困難で、多くは高金利で米英に引き受けてもらうしかなかった。だが、後藤にとって計画を推進する原動力は民の「自治精神」であり、民の力を損なう増税の拒絶は当然の帰結だった。

 翻って、今の政府や政治家に自らの手で日本を再生してゆく気概と見識があるのか、暗然とさせられる。野田佳彦内閣は家計の可処分所得を減らす増税一本やりだ。「日本はギリシャ、イタリアみたいになる」と騒いで消費税増税を国際公約する。後藤の時代と違って世界一の対外債権国である日本は民が蓄えた預貯金を国内投資に振り向ける自助自立型のビジネスモデルは十分可能なのに、国民に負担ばかり押し付ける。

 野田首相は「アジアの成長力を取り込む」とTPPの効用を説く。意味するところは、成長めざましいアジア市場への輸出や投資を増やせば国内経済がよくなるというのだろうが、外需頼みで日本再生が進むというのは、安直すぎる。国内総生産(GDP)に占める輸出の比率は15%程度であり、しかもアジアのライバルたちは日本の家電や自動車技術に追いつきつつある。輸出競争力を高めるなら超円高を是正するしかないのに、欧州危機のせいにしてその場しのぎだ。経済活性化のためにはGDPの6割近い民間消費を増やすのが本筋で、そのためには脱デフレ策が先決だ。円高是正と脱デフレを両立させるなら、増税をやめると同時に日銀が大胆な量的緩和(お札を継続的に増刷すること)に踏み切るべきなのに、政府は小出し緩和に徹する日銀に注文しようともしない。

 自立する国民が持ち合わせている潜在力を引き出さなければ日本再生は不可能だ。前出の亘理町の専業農業者たちからは、「われわれは世界の潮流から外れてよいとは思っていない。この機を逃さず、農地を集約化して大規模経営を実現する、高品質のいちごで世界に打って出る」と聞いた。反対派に多い「TPP=日本農業壊滅」という負け犬論ではないのだ。TPP参加を推し進めるなら、政府は内需拡大策と併せて、民の自助自立精神をせめて邪魔しないでもらいたい。

大丈夫かアメリカ(日本てダメなの?)

2011-09-20 01:00:00 | 経済投資



先日ラジオのポッドキャストでBBCのニュースを聞いていたら、アメリカの経済危機について特集していた。
貧困層が急激に増えていて国民が将来に希望を持てなくなっているという話だ。
まあ、それ以前にイギリス経済も相当おかしくなっている。

先日の英国での暴動。
その後のニュースがあまりなく、原因については分からないことが私には多い。
わからない、しかし問題が経済についてだということは想像がつく。

暴動の原因は大体いつでも分配だ。
米国同様、債権金融が経済を引っ張ってきた英国。
製造業などの実際の産業は衰退を続けている。

マネーの世界には人手はいらない。
経済は拡大しているようにも見えても大した雇用を創出しない。
雇用なき成長は虚構の繁栄と言ってもいいと思う。
金融業者は有り余った低金利の資金を運用すべくコンピューターを回す。
巨額のマネーを商品などの比較的小さい規模のマーケットの投入すればブル市場は簡単に作り出せる。
そこで一挙にカネを抜けば暴落も演出できる。

近頃の市場のボラティリティをみていると、金融マフィアの独壇場という気がする。
比較的余裕のある一般投資家がターゲットとなってカネをむしり取られているなという感じだ。

新自由主義とかいうマネー・ゲーム経済では富裕層がますます豊かになる。
先富政策とか言って、上が成長の恩恵を受ければ経済全体が潤うという考えもあったが、
どうも、そううまい具合にはいかないようだ。

結果は中産階級の没落。
雇用が回復しなければ中間層が貧困層に吸収される。
一握りの大金持ちと多数の低所得者に二分化だ。
そして数の多い低所得者層の中で仕事の奪い合いが始まる。

先進国で先ずターゲットになるのが移民。
仕事の取り合いだ。
そして職を失った移民は母国に帰る?

彼らは先進国に残るんですな。
福祉が行き届いている。
母国とはえらい違いだ。
仕事が無くても最低限の文化的生活が送れる。

すると今度は自国民(例えば英国の低所得者)が俺たちの税金でやつらを食わせるな、
余ったカネがあれば俺たちに回せ、ということになる。
イギリスの暴動も、ノルウェイの虐殺の背景もそんなところだろう。

アメリカではサブプライムに端を発する金融危機から銀行を守るために米国債の乱発でドルが無制限に刷られた。
この輸血を続けないと経済破綻、という自転車操業。
財政赤字は増えるばかり。

そこに待ったをかけたのが茶会だ。
大きな政府に反対する伝統的なアメリカ主義の保守層。
連邦政府は一度破産して出直したほうがいいと考える地方分権主義。
オバマは2兆ドルの支出削減を約束させられた。

何を減らすか。
軍事費は軍産複合体の抵抗が強く大幅カットはオバマの身の危険にも繋がりかねない。
結局セーフティー・ネット等の社会保障費が削減される。

貧困層直撃だ。
いつの間にかハンパ無いのが貧困層の数。
米国勢調査局の最近の発表では、2010年の米国の貧困者が4618万人(前年は4356万9000人)と、統計を初めて公表した1959年以降最多になった。
全人口に占める貧困者数の割合は15.1%(同14.3%)と、3年連続で上昇。
4人家族の場合、年収が2万2314ドル(約172万円)以下の世帯が貧困層と定義されている。

3人家族で月に100ドル弱のフード・スタンプを給付されている人が4500万人に達しようとしている。
上記の貧困層とほぼ同数だ。
アフリカの貧困層とアメリカの貧困層で大きく違うのが体型だ。
値段は安いが、脂肪分や糖分の高い食品を摂取するので肥満が多い。
当然、健康に不安を抱える人も多い。

潜在的暴徒と言ったら失礼だが、この層が更なる苦境に立てば社会不安は高まるばかり。

栄華を誇った上層の金融界も安泰とは言えない。
アメリカ最大の銀行である「バンク・オブ・アメリカ」が3万人の人員削減計画を発表。
焦げ付き住宅債権をしこたま買わされたバンカメの超大型倒産も噂されている。
バフェットが50億ドル出して買い支えようとしているが焼け石に水かもしれない。

オバマは35兆円の雇用対策をするというが財政難の州や地方自治体では10万人以上の雇用削減を行っている。
州政府は1兆1900億ドル、地方自治体は1兆7400億ドルもの財政赤字を抱えている。

結局は更なる資金供給のQE3で時間稼ぎというのが大方の見方だが、
連銀の資産はこの3年で膨らみ切っており、最近ではバーナンキの口からもQE3の話は出ない。
先ず約束した2兆ドルの歳出削減に目処をつけなければ茶会が黙っていない。
アメリカ会計検査院(GAO)がアメリカ連邦準備理事会(FRB)に監査を行った結果、
07年12月から10年7月21日までに金融機関に行った融資の総額が16兆1千億ドルであったと。

いやはや滅茶苦茶な「飛ばし」だな。
アメリカ政府の赤字は約1兆5千億ドル。
アメリカのGDPは14兆1200億ドルしかない。

16兆ドルですぞ。

財政赤字ではないんですな、本当の問題は。
これだけの資金を富裕層の銀行に注ぎ込んだアメリカ政府。
今でも政治家のスポンサーは富裕層。
メディアが既得権益者の方を持ち公平な報道をしないのも日本と同じだ。

S&Pの米国債格下げは、あたかも間違った判断だったかのように扱われ忘れ去られようとしている。
米国債の価格は上がったからね。
賢い連中は株式市場からカネを抜いた。
株や商品が下がると有り余るマネーの行き先が無くなる。
銀行に預けるのも危ない。
タンス預金も無理だ。
行き場を失ったカネが「安全資産」米国債へと向かう。

また、当然の帰結として金の高騰となったが世界中で今度は個人による金取引に規制の網を掛ける動きが出てきた。
個人の抵抗には限度がある。
アメリカは借金踏み倒し態勢に入っているのだろう。

金と言えば、日本では高騰した今が売りどきという話をよく聞く。
そうかもしれないが、中国は逆に買い漁っているらしい。
金準備を増強して将来の元の国際化、或いは基軸通貨化の準備をしているとか。
侮れないな、中国。

英米覇権の終わりはとっくに始まっている。
中韓やロシアと諍いを起こしている時ではないと思うが。
彼らと友好関係を持たないというオプションは日本にはない。
まだ、アメリカの目を通してしか世界を見られない官僚や政治家、メディアが跋扈しているのが不思議で仕方がない。

さて先のBBCのポッド・キャストでは英米が「日本の様にならないために」みたいな話をしていた(笑)。
お決まりだ。
勝手に言わせておけばいい。
治安、健康など、まだまだ世界のトップクラス。
移民問題も無い。
日本では(比較の問題だが)中産階級はまだまだ健在だ。

お洒落な盛り場のレストランでは広範囲の年代に亘るご婦人たちがクオリティの高い食事に舌づつみを打つ。
別にセレブでない人が普通に楽しむセレブランチ。
経済の先行きに不安を覚えながらも話題は海外旅行。
ドルもユーロも安いしね。

週末はゴルフ?
若い人達のゴルフ人口も増えているようだな。

GDPの成長ではダメダメな日本。
しかし衣食住の水準は依然として高い。
日本のメシが不味くならない限り住むに値する国だ。

通貨の価値は生活経済の強さを反映するのかも知れない。






ドル買い支えという悪手の上に増税とは

2011-08-15 01:00:00 | 経済投資

(増税フェチのあの人)


(この人が首相になると日本は浮かび上がれない。増税、原発推進)

先週の月曜日の続き。
緊縮財政で円高を招いておいて、ドルを買い支える日本政府。
一時的に円安に動いてもドルの長期的下落に歯止めはかからない。
あっちは湯水のごとく刷っているからね。

今年の3月以降でもおそらく数十兆円の国民の税金がドル買い支えに為に使われた。
大した金額だ。
それだけのお金があれば地震、津波、放射能被災地は随分助けられる。

そして通貨介入の結果手元に残るドルで、属国政官は米国債を買い続ける。
米国債が激しく格下げされれば暴落。
つまり国民の税金が値下がり必死の金融商品に内緒で変わっている。

更に米国債の現物も向こうの手中で、日本が持っているにはコンピューターの上のただの数字。
勝手に売れない。
ニューヨーク連銀の金庫の中にあると言うがわかったものか。
国民の財産をそんな物にしていいと誰が言った!
一方米国ファンドは手にした円で日本の資産を買い漁る。
所謂「新帝国循環」(先週月曜日ブログ)。

円高の原因は日本国債の健全性だ。
一般的な洗脳とは違って日本政府の債務は長期的には問題かもしれないが、危機レベルには程遠い。
一方、アメリカもPIIGSなどの欧州諸国も正真正銘の財政危機。
不美人競走の生き残りが「円」だ。

東日本大震災と原発事故による解決の目途さえつかない国難。
そうでなくても従来の誤った政策で日本はデフレによる長い不況をを脱却できずにいる。
国民が苦しんでいるときに政官報は増税を既定路線のように推し進める。

増税により、益々円の健全性は担保され(国民の負担によって)、円高は止まらず輸入品の価格は下がる。
デフレ不況の深化は確実だ。
回り回わって、税収だって下がるよ。

アメリカで債務上限法案が可決したにも拘わらず株が暴落した。
きっかけはアメリカの成長率予測が下がったからだ(仕掛けられた株安かも、というのは木曜日に書いた)。
成長の鈍化は税収の減少に直結する。
政府支出の天井が下がることになる。
デフレによる低体温は大病の元。

確かにバブリーなインフレには弊害がある。
不愉快だったなあ、バブル紳士達。
自分たちがバブルの恩恵を享受できなかった官僚エリートは嫉妬に狂った。

そして総量規制などで不動産バブルを根こそぎ退治した。
しかしやりすぎで日本は長い不況から抜け出せないでいる。
デフレの弊害に極端に鈍感なのがエリート官僚だ。

デフレ不況により税収は減り基礎的収支赤字が膨らむ。
またインフレのない国の通貨価値がインフレ国に比し相対的に上がるのは自明の市場原理。
更なる円高だ。
全てが悪いスパイラルに向かっているのに一体どういうことだ。

これを断ち切るのに増税は最悪。
思い切った財政出動と金融緩和が必要だ。
特に大震災後、カネの使い道はいくらでもある。
緊急に必要なのがカネだ。

原資は刷ればいい、他国のように。
量的緩和というやつだ。
通貨高、低金利、デフレの日本。
国債の保険料CDSは極めて低い。
マーケット的にはAAAAだ。
刷らない理由を誰か論理的に説明してほしい。

通貨安で製造業は息を吹き返し、輸入価格の上昇で国産品の競争力が上がる。
金利が上がれば金融機関は手持ち国債で差損が出る。
田村秀男によれば1%の金利上昇で2.5兆円の差損。

しかし一方、家計の持つ820兆円の預貯金に金利がつけば年間1%でも年間8.2兆円分家計が潤う。
差し引き5.7兆円のプラスだ。
これが消費されれば善し、されなければ日本国債が買われる。
金融緩和でデフレ脱却、経済に活気が戻る。

アメリカも欧州も中国もたくさん刷ってきた。
韓国経済が好調なのもベースマネーを増やしウォン安に誘導してきたから。
4年間で円に対して4割も切り下げられた。

「弱いドル」はアメリカの覇権返上が近づいている事を示している。
独歩高の「強すぎる円」は誤った政策による「自国窮乏策」だ。

刷り負けるなニッポン!



米国債の危機なのに米国債が買われている

2011-08-11 01:00:00 | 経済投資


上のグラフを見て欲しい。
これはETFと言われる金融商品。
世界中の株や商品、債券価格の指数の上がり下がりがこの商品の価値を決める。

TBTと呼ばれるETFは米国債の価値を示す。
少しわかりにくいが、このETFは米国債の価格が上昇すると(その二倍の割合で)価値が下がる。

過去3年余のデータだが、これを見ると米国債価格は上下は有っても趨勢としては上昇傾向。
そしてここに来て急上昇している。

あれあれ。
今回の危機は米国政府の歳出限度が天井になって、米国債がデフォルトの危機を迎えたことだったよね。
民主党と共和党がギリギリで合意、歳出削減を条件に上限はあげられ米国債の危機は又しても先送りされた。

しかし、三大格付け機関のうちS&Pが初めて米国債の最上級評価を引き下げた。
格付け機関が欧州各国の国債を過小評価して危機を増幅させ、米国債にカネガ流れるよう工作した違法行為。
これが欧州側の見解。
S&Pは訴訟の危機に直面していた中での評価替えだ。

特別扱いだった米国債の安全神話に御用格付け機関が初めてメスを入れざるをえなくなった。
基軸通貨としてのドルが迎えた大きな試練だ。
金とドルの兌換性が廃止されたニクソンショック以来のイベントと言ってもいい。

それは当然米国債の価格下落に?

しかしS&Pショックの直後に起こったのがダウの暴落だった。

世界中の株式市場から資金が逃げ出す。
その資金の行き先が未だに安全資産とみなされる米国債。
まあ、金の圧倒的な存在感の前には多少影が薄いかな(おっ、臼井加奈に変換された。それって誰だ)

昨年から大きな問題になっているギリシャ、アイルランドを始めとする欧州債務危機。
これが米国債にとって追い風となっていたのと同じ構造だ。
これはアメリカによる米国債防衛工作だと見るのが欧州勢。

今回の株安も「仕掛けられた」と見るのが正解だろうか。

しかし歴史の必然はやはり「ドルの終わりの始まり」ではないだろうか。
世界の備蓄通貨、基軸としてのドルの終わりで米ドルが無価値になるわけではない。
ポンドが先の恐慌で役割を終え、ドルに引き継がれたように。

この先、世界の通貨システムに何が待っているのか。
どなたか教えて下され。


ドイツは再生可能エネルギーに舵を切ったようだ。日本は?

2011-06-01 01:00:00 | 経済投資



浜岡を止めるだけで各界から批判を受けた菅政権。
御前崎市長は交付金が止まらないと聞いて
「菅首相の苦悩の選択を支持する」だと。

原子力利権に埋没する日本。
バラまきの原資は独占企業が我々から徴収する電気代だ。

その電気代も原発を停廃止すると大幅に上がると脅される。
本当か。

電気事業連合会発表の発電コスト
1KW当たり原子力5・3円、火力6・2円、水力11・9円。

これに対して国民負担の実績8有価証券報告書)に基づいた計算(立命館大の大島堅一教授)では
火力9・8円、原子力8・64円、水力7・08円。

さらに税金負担分を加えると、
原子力10・68円、 火力9・9円、水力7・26円。

税金とは電源開発促進税。
1KWにつき37・5銭。
出処は電気代。一般家庭で毎月約108円が上乗せ徴収されている。

使い道は「青森・六ヶ所村の文化交流プラザ」の交付金として32億。
「福井・敦賀市のきらめき温泉リラポート」の24億等々。
地元対策費だ。

この外に電事連や電力各社による広告費。
年間5000億ともいわれるが、この多くが原発推進のメディア対策費用だろう。
東大に5億円みたいな推進学者育成費。

これには今回の事故による損害額は入っていない。
廃炉のコストや汚染水の浄化費用。
一説によるとアレバはトン当たり2億円を要求しているとか。
これだけで何十兆か。

そして補償費用。
使用済み核燃料、下水の汚泥、海洋汚染という後世へのプレゼントもコストに算入されるべきだ。
つまり「原発は安い」は粉飾。
「自然再生エネルギーは採算に合わない」はデマということだ。

福井島事故で画期的な変り身を見せたのがドイツ。
ドイツは地震も無いのに即刻旧式原発17基をすべて停止した。
このメルケルの判断と今後の脱原発政策を金属労組が正式に支持表明。
東電労組出身の元連合会長が影響力を行使する日本の民主党とは大分違うな。

メルケルは福島以降、ドイツにはもう核エネルギーのオプションにはなりえない、
と再生可能エネルギーへの転換を表明した。
2050年までに電力需要の80%を太陽熱、オフショア風力などの再生可能エネルギーで
賄うという野心的な計画だ(現在既に17%、これに対し水力を除くと日本は1%だったか)。
保守的で産業界の支持をバックとするキリスト教民主同盟だから驚きだ。

もともと原発に対しては寛容でチェルノブイリはソ連という非効率な社会だからこそ
起きたと主張していたメルケルさん。
東独出身の理科系だ。
社会主義国の非効率性、閉鎖性を熟知している。
しかし、今回日本のような近代国家でも起きた大事故が西ドイツで起きない保証はないと考えた。

シーメンやBOSCHなどが積極的に再生可能エネルギー技術に取り組んでシェアと雇用を
生み出している背景もある。
政府が積極支援、国民も電気代増の負担を求めこの分野で世界をリードしようという発想だ。
国民は負担を受け入れるか。

環境相は「石油や石炭は皆んなが消費すると値段が上がる。でも自然再生エネルギーは使うほどコストが下がりますよ」
となかなかうまいことを言う。
「エネルギー資源の輸入先にお金を払うより自国の技術者等にお金を使おう」。

送配電網整備には多額の資金がかかる。
アスパラガスのような風力タービンが外観を損なうと反対する人も多い。
しかし様々な困難があるとしても英断だ、と評価する声が内外から上がっている。

ベルリンの日本大使館からも「事故が起こっていないドイツが大胆な政策に踏み込んでいる時に、
日本の政権は原発推進維持。それってどうよ」。




Germany’s Unlikely Champion
Of a Radical Green Energy Path




ドルは御臨終なのか

2011-04-07 01:00:00 | 経済投資
最近は地震と原発のことばかりに関心が行く。
しかし世の中いろいろ起きている。

少し前の話だが、PIMCO(世界最大の債券投資ファンド)のビル・グロスが米
国債を全部売り払ったと。
ついに見放されたのか、米国債。
長期金利はジリ高だが一挙に米国債暴落へと進むのか。

QE2ですよ、例の金融緩和。
この資金で市中銀行を経由して連銀が米国債を買い支えている。
そしてこの半年の米国債の7割が連銀による買い付け。

米国債のお客さんは中国でも日本でもなく自分自身だった。
つまり7割が売れ残りだ。
6月に終わるQE2。
アメリカはこの後もQE3,QE4と自転車操業を続けるのか。

連銀のフィッシャー理事は「財政破綻は起きるかどうかではなく、いつ起きるかの問題は」だと。
財政緊縮主義者なので総意とは言い難い。
しかし、ここへ来てNATOのリビア攻撃に引きずり込まれるのも痛いな。
軍事費削減どころか増額になりかねない。

連銀はモラルなき資金供給で米国債の暴落を隠蔽し株価を上げてきた。
しかし結果は雇用なき株高だ。
失業率は下がらず、肝心の住宅価格も底を打たない。
体温を上げても病気は治らない。

副作用は商品価格の高騰。
中東、北アフリカ情勢の緊迫で石油価格が上がる中、QE2で余った投機マネーが
石油やそれ以外の商品市場に流れ込んだ。
チュニジアやエジプトの政治不安だってもとをただせばエネルギーや食糧の
価格高騰だ。

アメリカや中国では所得格差が開く一方。
一握りの金持ちがコンピューターを回して株だ、商品だと投機で大儲けのアメリカ。
それは金融業界の上層部の話だ。
底辺の業務(クレジットカードの問い合わせなど)は新興国にアウトソースされている。

ネット関連の新機軸は衝撃的だが雇用にはつながらない。
エコノミストが指摘しているがGMの従業員は60万人。
これに対して5億人の顧客を持つフェースブックはわずか2000人だ。
IT業界でもサポートはインドやフィリピンに電話が繋がる。

ここでも起業家の一人勝ち。
最新のフォーブス資産調査でフェースブックのザッカーバーグは1兆円。
ビルゲイツは4兆円で800億円以上の資産家の34%がアメリカだ。

過熱する住宅バブルで意気盛んな中国富裕層。
同じフォーブス調査で800億円以上の資産家が112人。
日本は孫、三木谷、前澤の3人だけだ。
中国って一人当たりGDPは日本の10分の1ですぜ。

ここでもしわ寄せは底辺に。
フォーブスは日本はちょっと存在感少ないね、と言っている。
狂った先富主義ではないかな、フォーブス。

金融緩和で実体経済が回復しないとなれば、いつかは決断しなければいけなくなる。
もしQE3をせず、従って米国債の買い支えが出来なくなって暴落すればどうなるか。
日本を始めとする世界中の政府は手持ちの米国債で大損だ。

そして金融機関の資産が大幅に目減りし金融危機。
株等の手持ち金融資産をを一斉に手放し株が暴落。
長期金利が上がり米国政府は財政破綻。

金融資産や商品離れが起きて一時的にドルは強くなるかもしれないな。
ドルの価値が相対的に上がる。
しかしその後でドルの信用は失墜する。
所詮、刷りすぎだ。

もしかしたら不美人投票では下位の円が独歩高になるかもね、
と思っていたが原発問題で不美人上位に浮上。
ドル延命のお役に立ってしまうのか。

ドル暴落のハード・クラッシュ・シナリオ。
アメリカを始め世界が恐慌に突入するのだろうか。
しかしアメリカの繁栄を支えた消費は結局使い得になる。
ドルで払っているからね。
その価値が急落すれば踏み倒しと同じだ。

英国がインドなどから輸入してはポンドで払い、結局はポンド切り下げで
踏み倒したのと同じ事。
そうやっているうちにポンドは基軸通貨の座をドルに明け渡した。
つまり覇権だ。

アメリカが覇権を手放す時がいよいよすぐそこまで近づいているのかも。

少し元気になる記事

2011-03-29 01:00:00 | 経済投資
心配が段々現実的になってきた。
福島第一原発(Dai-ichiは既に英語として定着してきた)3号機。
プルサーマルという和製英語のオブラートで包まれた強毒性MOX燃料。
6%のプルトニウム汚染だ。

原発事故全体について、
メディアは当初からの「大したことない」から「事態は予想外に深刻」に
トーンが変わってきた。
残念ながら予想通りだ。

しかし知る限り、プルトニウムのプの字も報道しないようだ。
各社横並びの大本営発表なら一社でたくさんだ。

政府・東電は「測定装置がない」みたいな馬鹿情報で不安を増幅する迷走状態。
半減期24000年というこの怪物。
暴走を止めないと後世に大きな負の遺産を残すことになる。

今日本に生きる我々はプルトニウム世代と言われることになるのか。
現場の必死の戦いにエールを送り、献金を続けるくらいしかない。

淡路での最初の目覚めはトイちゃんの海に浮かんでいるようなマンションから見る
空と海。
休暇を楽しもう。

つらいニュースも今日はお休み。







日本製のナビゲーションとエアコンの在庫が10日分しか残っておらず、工場が操業停止になる可能性を
発表したボルボ。

シボレーコロラドやGMCキャニオンを組み立てているルイジアナ州シェリーブポートの従業員数923人の工場を、
日本製の部品が不足しているために閉鎖すると発表したGM。

半導体の回路を焼き付けるステッパーは、3分の2がニコンかキャノン製。
携帯端末やラップトップパソコンに使われる樹脂「BTレジン」の約90%、
世界のコンピューターチップに使われるシリコンウェハーの60%は、日本から輸入されている。

今まで誰も気にしたことがないような製品、例えば小型マイクやメッキ素材、高性能機械、電子ディスプレイ、
それにゴルフクラブやボーイングの新型旅客機ドリームライナーの羽に使われる炭素繊維など、
すべて日本だけで作られているか、または主に日本で作られている。

アメリカが被災しても世界は困らない。

1985年のプラザ合意で日本は劇的な円切り上げを容認することになり、
円は最終的に対ドルで100%も上昇した。
この円高と、91〜92年にかけての不動産と株式市場のバブル崩壊は、
日本の成長の足かせとなり90年代の「失われた10年」を生み出した。

その一方、アメリカは90年代に入りインフレなき高成長を謳歌した。
日本の停滞とアメリカの繁栄を比較すると、いかにもアメリカは日本を打ち負かしたように見えた。
アメリカ人は口々に、なんで日本に抜かれる心配などしたんだろうと言い合った。

だがアメリカでもITバブルとサブプライム・バブルが崩壊してみると、
90年代のアメリカの高成長もまた見かけ倒しだったことがはっきりした。

今、国際的な部品調達網に日本が与える影響の大きさをアメリカのそれと比較すれば、
グローバル競争の本当の勝者はアメリカではなく、日本だったことは明らかだ。



震災でわかった日米の競争力格差
Japan Rules Global Supply Chain

日本製部品はさほど重要ではなくなったという見方と同様、
経済競争でアメリカが日本に勝利したという見方も嘘だった

2011年03月25日(金)16時44分
クライド・V・プレストウィッツ(米経済戦略研究所所長)




中野剛志のよくわかるTPP解説

2011-02-24 01:00:00 | 経済投資
中野剛志先生のよくわかるTPP解説―日本はTPPで輸出を拡大できっこない!


なんなんだよTPP。
突然出てきて菅さん、前原さんやる気まんまん。
メディアは一斉に「開国か鎖国か」とわけのわからぬフォロー。
しかしその実態については全く報道しようとしない。

日本は鎖国していたの?

大体、幕末の開国ってそんなに素晴らしい事だったの?
列強の圧力に屈した日本。
武力による威嚇だ。

その結果が不平等条約。
これを改正するのにどのくらいの苦労があったか。
治外法権と関税自主権の放棄。
1911年までかかってこれを取り戻した。
ちょうど100年後の今、自ら放棄するんだって、アキ菅政権。

TPPのどこがそんなに素晴らしいのか。

「バスに乗り遅れる」と日独伊、三国同盟に入れ込んだ。
煽るのはいつもマスコミだ。
そして今、TPP。
「世界の孤児になるな」みたいな論調が新聞紙面に踊る。

そうなの?
結論を言ってしまえば、力を失い覇権を返上し、ワン・オブ・ゼムになるアメリカ。
そこにゴマを磨ろうという話だ。

この協定に参加すれば、地方の公共事業の入札書類も英語版が必要になると聞いて
「そういうことか」と思ったものだ。
アメリカに日本市場を解放するということだ。
知らなかった?

アメリカにとってはダメもと。
それをジャパン・ハンドラーズと言われるアメリカの日本利権者、
そして外務省を始めとする官僚やアメリカのみが後ろ楯という菅さん、
前原さんのような政治家。
そして野党である自民党清和会があっち側なのが何とも困るなあ。

つまりアメリカ利権で食っている人達が持ち上げる。
国益はどこに行った。

彼らのオモチャがTPP。
こんなものワシントンで知るひとは少ない。
特定少数の利権ごっこだ。
さて、この利権ごっこは国民にとって看過できるものか。

中野剛志の解説を聞いてみよう。

本質は一点。
TPPはアメリカにとって都合のいいシステム。
目的はズバリ日本の市場。
農業だけではない。
参加国で内需があるのはアメリカと日本だけ。

そのアメリカが輸出を伸ばし自国産業を復活させたい。
いくらQE2で株価を釣り上げても失業率はちっとも改善しない。
そのための手段だ。

どうやって?
敷居を低くして一気にドル安に持ち込む。
何れにせよ今の通貨発行量が減らせない限り何時かドルは暴落する。
その後を見据えているんだな。
アメリカは自国の国益を追求する。
それが日本の収奪であってもフォローしちゃう人が出てくる。
辺境国ならではの悩みだ。

内需ベースでTPP参加国10国のGDPの95%が日本とアメリカ。
これからはアジアの時代だ、みたいなことがこの環太平洋連携条約のプロパガンダだが、
日米豪を除くアジア諸国の内需はわずか0.1%(笑)。
「TPPでアジア市場を取り込め」と言う人は無知か嘘つきだ。

日本が農業部門を犠牲にして得る輸出先はアメリカのみだ。
しかしドル安を仕掛けられればこちらも望み薄。
今でも自動車生産は大部分が現地だ。
だから中国も韓国も参加しない。
当たり前だ。

この協定ではそもそも「コメだけは(例えば)例外で」という交渉ができない。
銭湯みたいなもので先ず素っ裸でいらっしゃい、と。
モノだけではない。
ヒトやサービスも全て開放という過激な協定だ。

というか全てがアメリカン・スタンダード。
少なくともそれがアメリカの狙い。
遺伝子組み換え食品を拒否できない。
日本の農薬規制は厳しすぎる。
自動車の安全基準をアメリカ並みに緩和せよ。

皆さん、それがお望み。
よく考えたほうがいい。

アメリカだって一枚岩ではない。
ニュージーランドやオーストラリアの脅威を感じるアメリカの畜産業者は反対している。

日米以外の参加国は過度に外需依存か、農業・鉱業等の輸出国で内需小国。
日本と似たタイプの韓国、台湾そして地域は違うがヨーロッパ諸国はいない。
つまり共同戦線を張る仲間がいない。

そんなところに全裸で出かけていくって。
行くことがそもそもの間違いでしょ。

日本の平均関税は農業部門を含め決して高くない。
中野氏によるとEUより低いそうだ。

モノ、カネ、ヒトの過度な自由化はデフレの輸入だ。
食料価格や鉱物価格は上昇しているがQE2による余りカネが投機に回っているだけ。
賃金は下がる実質デフレに悩まされる世界。
既にデフレの日本にこの上デフレを輸入してどうする。

見て損はない、この動画。