原発事故、外部電源とケーブルが繋がった?
危機は山を越すのか。
祈るばかりだ。
さて今回の事故、日本のメディアと海外メディアの違いが鮮明だ。
CNN Anderson Cooper Japan 9.0 earthquake Tsunami Reactors FukuShima
どこにでも飛んでいく行動派フィールドリポーターであるアンダーソン。
ハイチの地震では長期間に亘り現地にとどまった。
エジプトのデモを現地から伝えた時は政府軍に連行されるところまで中継したっけ。
そのアンデーソンは東京だ。
福島に飛んでいきたいところだろうが米国政府は80キロ圏内から退去支持ということで
フラストレーションがたまっているだろう。
彼のレポートを紹介しよう。
ヘリコプターによる海水散布作戦が行き詰っている状況を受けてだ。
番組に出演したMITの専門家はデスぺレートとも言える状況で心配なのは
いまヘリが水をかけようとしているのが第3号機であること。
そして彼の情報入手元は日本政府ではない。
IAEAのウエブサイトだと。
休止中の4号機の使用済み核燃料の水位が下がり温度が上昇している。
この核燃料を冷やす事が第一優先だと思われた(そう聞いている)が3号機にも明らかに
差し迫った問題があるようだと。
わが政府を代弁するならばそこは別に隠してないよ(笑)。
彼らが問題にするのはクレディタビりティ・ギャップ。
情報の信頼性だ。
つまりアメリカ政府の認識は日本政府の認識よりずっと深刻だと言う事。
そして日本政府だが、彼らの情報源は東電と言うプラントを操業する
民間会社であるという事。
政府の記者会見は全く内容がない。
国民に全てを知らせようと言う意思が感じられない。
政府への信頼感が失われることはこの先深刻だと。
仮に事態が収拾しても避難した人たちは政府を信用して福島に戻るだろうか。
(アメリカ人はそう考えるんだ)。
上の動画は終わってしまうがアンダーソンは政府の情報開示が十分ではないのではと続ける。
(興味のある人はアンダーソン360のポッド・キャストで見られます。)
国民がパニックを起こさないようにという配慮だろうが、情報が不十分だと
かえってパニックを引き起こす。
今まで話した日本人のだれ一人政府の発表を信じていない。
休止中の5号機でも水位が下がり温度が上がっている。
4号機には米政府情報では水は全く無い。
IAEAのウエブページには水位が毎日更新されている。
しかしその情報は日本政府から来ている筈だ。
そして日本政府が情報を得ている相手が一民間企業。
しかも何度も国民をミスリードしたので有名な東電(そうだった)。
だれが責任者なのか。
これは的を得ているかもしれない。
昨日紹介した広瀬隆の話では東電は原発の運転手。
発電所の構造や放射線、核分裂生成物の専門家ではない。
厳しい言い方をすれば素人集団だ(不謹慎かもしれないが敢えて)。
保安院はやはり役立たずの野次馬のようだ。
必要なリソース(専門家)を動員せず時間を無駄にしたのかもしれない。
IAEAは各国の専門家を招集できる。
要請があればだ。
一日一日が大切で戻ってこない日である現状。
それでいいのか、と続けるCNNのコントリビューター。
「状況が悪化してプラントに人が近づけなくなってからでは遅い!」。
確かにスリーマイルの貴重な体験を有効利用しない手は無い。
チェルノブイリを体験したロシアからの協力申し出でに多くの日本人は
「あんたの所とはレベルが違うよ」と鼻で笑った。
恥ずべき事だ。
これらの事故経験は人類が犠牲と引き換えに得た貴重な共通財産なのに。
首相のスポークスマンであるシカタさんに疑問をぶつけるアンダーソン。
ー誰が責任者なのか?
答え:我々は東電とジョイント・ヘッドクオーターを作った。
ーどういう意味ですか?あなたたちの情報は現場の政府関係者から来ているのか?
答え:その通り政府関係者は現地にいるし、東京の東電本社にもいる。
ー(沈黙のあと)では情報は電力会社から来ているという事か。
答え:そうとも言えるが一緒に情報を収集している。東電からの情報は逐一政府に伝わっている。
(アンダーソンの言うとおりだよ。菅さん「東電の馬鹿野郎、情報隠しやがって」って言ってた)
ー(沈黙)そういう体制ができたのは昨日?
答え:一昨日です。これは先例の無い事ですがわれわれは東電本社にHQを作って
政府関係者が常駐している。
ー米国議会の宣誓された発言では4号機の使用済み核燃料は完全に大気に晒されている。
これが日本政府からは発表されないのは何故なのか。
答え:米政府の事はちょっとわかりませんが、2時間前にオバマさんと菅さんが電話で対談し、
オバマさんは原子力専門家の更なる派遣など協力を約束した。菅さんは感謝した。
ー(長い沈黙)感謝していただくのはうれしいですが、私の質問はこの重要な問題を
日本国民はどうして米国政府経由でしか知りえないのですか?
答え:水位の判断は現段階では難しいのです。誰も断言できない。我々は海水投下、放水車
などの大規模作戦を遂行中です。
(大前さんの話では電源が無いので制御室に情報が入らない、17日上空のへりから水らしき
ものが見えたと東電情報。アメリカ情報が勇み足か東電情報が楽観に過ぎるか。危機に楽観はどうかな、
と思う国鉄フライヤーズ)
ー(長い沈黙)ここ東京では政府発表は曖昧で矛盾し誰も信じていない。事故直後の情報は
誤報ではないか。
答え:早朝から遅くまで会見をしてます。最大限の広報努力はしている。
ーでも会見を見る限り曖昧で内容が無い。昨日は作業員が避難したと言ったが何人
どういう作業員が避難したか、それが何故なのか発表がない。国民の信頼は得られるのか。
答え:最大限の努力はしていますが、情報分析に時間が必要な事を御理解願いたい。これから更に努力します。
ー(沈黙)ありがとうございました。
と全くかみ合わない。
長い記者クラブとの談合体質で政府の広報能力は退化したのか。
TPPなんかやってこのように英語で(彼らの論理で)攻められると厳しい事になりそうだ。
今は兎も角原発の事。
政府は考えられる全ての叡智を動員して難局に当たるのは当然だ。
うちうちで処理するやり方は、今回のケースでも裏目に出ているのかもしれない。
正すところは正し専門家の力を結集して欲しい。
前線で生命を賭して闘っている人たちに申し訳が立たない。