ヨーロッパの人たちにとって、南アはリタイアの候補地でもあります。
今回の旅行のきっかけになったのが30年来の友人、ラリーとジュリーの夫婦。
彼らが終の棲家として選んだのが南アフリカの南部、ガーデンルートにある風光明媚なプレッテンブルグでした。
(プレッテンブルグの海岸)
静かな良いところです。
奥さんのジュリーは賢く元気な人です。
父親がシェルの製油所技術者で幼いころシンガポールに住んでいました。
不幸なことにそこでポリオにかかってしまった。
予防注射針の消毒を怠った医師のせいで彼女と兄がポリオを同時に発症してしまいました。
それでも全力で走り続けた人生でした。
でも60歳過ぎると体がなにかとキツいようです。
ポスト・ポリオ・シンドロームというらしいですが、長年酷使してきた麻痺のない部分が悲鳴を上げているそうです。
マイナーな手術をあちこちしています。
もともとイギリス人ですが寒いイングランドにはとても住めない。
血行障害があるようです。
シンガポールは一年中暖かい(というか暑いのですが)ので気候的にはもってこい。
でも生活費がとても高く、夫婦で教師をしていた彼らにはちょっと厳しい。
ハワイとかアメリカの西海岸とかいろいろ行ってみて最後に選んだのがこの地です。
南アに住んで4年。
今では毎年クリスマスにはイギリスに住む息子やアメリカに住む娘が家族で訪れるホームになりました。
7-8月の真冬には温度が5度くらいになることもあり、ちょっと辛い時もあるようです。
でも基本的に気候は温暖、物価は安いし、この地帯は南アとしては例外的に安全。
とても気に入っていて、是非来るように以前から誘われていました。
以前にジュリーとポリオのことを書いたブログです。
ポリオ撲滅に向けて、ジュリーのRunning on emptyを和訳してみました
ハマナスと同じホエール・ウォッチングの町です
これがジュリー。
若いころはなかなかの美女だった。
今でも面影は残っています。
庭の手入れをしているのがご主人のラリー。
数学の先生でした。
彼はシカゴ生まれのアメリカ人。
二人が出会ったのはケニヤのモンバサ。
二人ともボヘミアンで世界を歩き回っていた。
平たく言えばヒッピーですな(笑)。
我々の時代の人です。
彼ら夫妻、そして我々夫妻もみな1950年生まれのタイガーです。
庭からは海が見えます。
東だから日の出がきれい。
ヨーロッパ人や南アでも白人系の人たちの家は、たいてい山の上です。
小じんまりした家は南国風で可愛い。
セキュリテイー・システムもしっかりしています。
ブーゲンビリアもあって、彼らのシンガポールの家に似ています。
彼らは教師として30年間シンガポールに住んでいました。
我々のご近所さんでした。
バルコニーから見る庭と海。
前に空き地があり、そこに家が建つと海が見えなくなりかねない、ということで格安の物件だったそうです。
2千万円くらいかな。
小さいと言っても、バス・トイレ付のゲストルームがあり、そこに三泊させてもらいました。
庭から見たリビング・スペース。
このガラスは完璧に折りたためて、とても開放的。
老夫妻が住んでいましたが施設に移ることになり、この家を譲り受けたそうです。
鳥好きのラリーは砂糖水を欠かしません。
綺麗な鳥たちが集まります。
気に入らない鳥は夫婦で追い払う(笑)。
ギース・ファウルとかいう家禽です。
彼ら、シンガポールでは庭に大きな鳥かごを持っていていろんな鳥がいたなあ。
こちらに来る時、バード・パークに寄付したとか。
道端で見つけたマングース。
ジュリーたちの友人夫妻に夕食のBBQに招かれました。
右から二人目がこの家の主でイギリス人のアンディ。
彼はまだ現役で平日はヨハネスブルグ。
週末にプレッテンブルグに帰ってきます。
山の上の静かな場所にある大きな家です。
奥さんのダイアン(左端)は怖くないのかな。
彼女は南ア人でケープタウンの出身。
とても優しくていい人たちでした。
当地ではよくあるらしいのですが、BBQのオーブンがリビングの中にあります。
BBQはどこでも男の仕事ですね。
同じような年代の引退したヨーロッパ人がたくさんいるのでさびしくはない。
ゴルフしたりブリッジしたりする仲間も彼らだし、いろいろと情報交換もできます。
ラリーは週に2回はゴルフ。
本当はもっとしたいらしいですが。
ジュリーはゴルフは無理なのでボーリング。
といっても地面の上(芝生かも)でやる、フランスのペタングみたいなやつ。
結構はまっていて、最近夫婦でクラブのトーナメントで優勝したらしいです。
朝食は海辺のレストランへ。
当地でリタイアしているヨーロッパのご婦人を友人たちが訪れたようです。
朝から爽快です。
global market
買い物好きな女性にちょっとお付き合い。
アフリカンテイストのお土産屋さんは町の中心部から離れたところにあります。
南アフリカのミステリー。
10個で35ランドのお茶が20個で75ランド。
普通、たくさん買うとディスカウントですよね。
ここだけじゃない。
あちこちで見かけました。
南アの人は計算に弱いのかな。
ブランチ
この日はゴルフに行きました。
ジュリーもバギーの運転手として参加。
南アのゴルフはどこでも午前か午後のスループレーなのですがハーフ終わったところにカフェがあります。
ハーフウエイ・ハウスとか言ってたかな。
そこで軽食を必ず食べるのが決まり。
ということで、この日は朝に果物とパン。
そして出発前の11時頃にブランチです。
サラダとサーモン、それにチーズとラタトゥーユ。
その日のパターンに合わせ食事もフレキシブル。
ゴルフの後は、帰ってシャワー。
そして町へ出かけました。
と言っても両方とも家から5-10分。
エビの量が多い。
ゴルフ代を払ってもらったので今日はこちらが御馳走。
うまいワインを飲もうね、と張り切っていったのですが。
ワインは2-3000円止まりでちょっと拍子抜け。
でも結構美味しかった。
南アの食事はとてもよいのだ。
天然素材で美味で安全。
味付けもシンプル。
財布にも優しい。
ヘイクというメルルーサ(タラ科)がやたら美味しかった。
そのなかでもケープ・ヘイクというのは有名らしいです。
かつてはマクドナルドのフィレオフィッシュの材料だった。
今は何でしょうか。
魚がふんだんに採れるところなので切り身でも安心。
日本のスーパーで買う切り身は養殖の奇形や背骨が曲がっている魚も交じっている可能性があるとか。
こわいね。
魚は骨が面倒でも尾頭付きの小魚が安全だそうです。
小魚は安いので天然物が殆ど。
成長ホルモンと抗生物質で育った養殖魚が発色剤でお化粧....
ぞっとしません?
そんなこんなで、楽しい4日間でした。
リタイアの疑似体験としてはとても面白かった。
いいかも。
でも日本からは遠すぎて、家族とはなかなか会えないかもね。
南ア、10日間の旅行中で日本人に遭遇しなかったくらいですから。
参考までに永住用ビザの取り方。
○リタイアメント査証
PENSIONERS AND RETIRED PERSONS/B4
毎月2万ランド(約37万円)の年金受給者。または、1200万ランド(200万ドル)以上の土地などの
資産を持ち、毎月1万5千ランド(約28万円)の送金が可能な人。一時居住許可(テンポラリー・レ
ジデンスパーミット)のB4に該当し、4年間の滞在許可と永住権の申請権利が得られます。
また、労働許可を別途取得すれば、3年までの就労が認められます。尚、申請は在日大使館
の管轄外となるため、現地外務省での手続きとなります。
○ロングステイ用訪問査証
VISITOR’S PERMIT/A2
月15000R(約2500ドル)の収入が証明できる場合は、最長3年までのビジター用滞在許可を申
請できます。在日大使館にて申請可能。
詳細は、南アフリカ査証編
問い合わせ先/南アフリカ大使館 03-3265-3366
おまけはプレッテン・バーグにあるアニマル・リザーブ。
町はずれですが広大な敷地です。
土地はいくらでもあるところですから。
こういうのが、この町にもう一か所あるとか。
wild dog
稀少らしい。
ここで繁殖させているようです。
リザーブ生まれのライオンは狩りをしたことがない。
でもこわい。
チータ。