二週間ぶりの野辺山。
前回は真夏の避暑地気分満載だったが、短い夏は終わったようだ。
(クリスピーな野辺山の朝)
22日の午後に東京を出発した時は車のエアコン25度は冷房モード。
途中で食事をして現地に到着した9時には暖房に変わっていた。
翌朝は霜がおりていたとは地元の人たちの話。
ちょっと寂しいなあ。
(小さい秋)
二日間ゴルフをして近くの居酒屋で野菜をたくさん食べた。
両方とも以前はあまり好きでなかったが最近は好物だ。
ゴルフの腕前は相変わらずだが散歩気分と適度な運動なのがいい。
野菜は以前は嫌々食べていたが、朝採りの新鮮野菜は格別だ。
最近は野菜がないと食事をした気分になれない。
夜はやることもないのでTSUTAYAの郵送レンタルで借りていた「ソーシャル・ネットワーク」と
「スラムドッグ・ミリオネア」を観た。
私も半年程前に始めたフェース・ブック。
学生向けSNSとして出発したが、2006年に一般開放されてわずか5年で7億5千万人の
ユーザーを持つといわれる世界最大のソーシャル・ネットワーク・サービスとなった。
その始まったばかりの短い歴史を描いたのが「ソーシャル・ネットワーク」。
フェースブックは知合い限定の実名SNS。
誰かとFBで繋がろうと思うと「友達リクエスト」を送る。
相手が「友達」として承認して初めてコミュニケーションが成立する。
Twitterというのも1年くらい前からやっている。
こちらは実名でも匿名でも参加できる。
興味のあるアカウントをフォローしてその人の言動にコメントできる。
だから孫正義やホリエモンのような有名人には50万とか100万のフォロワーがいて賛同したり、批判したりする。
彼らの宣伝ツールでもある。
匿名でもいいので当然、マナーをわきまえない罵詈雑言的な批判も送られる。
無視すれば他人の目には必ずしも触れないが見苦しい罵り合いみたいなのもよく目にする。
フェースブックは知人同士なのでお行儀がいい社交的なメッセージが多いようだ。
写真や動画もウオールという掲示板に簡単に投稿できる。
それに対して特にコメントしなくても「lke it」とエールを送れるのがいい。
「見ましたよ」位の感じかな。日本語では「いいね」と言うらしい。
Twitterはリツイートといって面白そうな新聞雑誌記事、言動、動画等が拡散される。
大手メディアも電子版の記事をTwitterで紹介する。
私はついつい批判と取られたり感情的になられたりするコメントはあまりせず、
新聞・テレビ代わりの情報ソースとして利用し重宝している。
両方ともスマート・フォンで簡単にチェックできるので日に数回閲覧する。
そんなフェースブックの爆発的成功とそれを巡るイザコザを2時間に纏めたのが映画「ソーシャル・ネットワーク」。
一介の学生の閃きと想像力がゼロから数年間で1兆円以上の資産に変わる。
そんな異常ともいえる成長ぶりを実話を元に実名で描いている。
少し説明不足な2時間というコンパクトな作品。
物足りないと思う人もいるだろう。
スピーディな展開だからこそ、この魔法のような成功物語が架空のバブル、砂上の楼閣のようにも見える。
実際は架空どころか中東の政権交代を誘発するほどの影響力があるツールだ、。
主人公のマーク・ザッカーバーグは今でも弱冠27歳。
この最近の話をうまく描いている。
煌めくような成功と、屈折。
嫉妬と法廷闘争。
単純な話だ。
エリートの双子の学生や、ユダヤ人のパートナー。
パートナーとなるナップスター創業者のショーン・パーカーの口八丁手八丁振り。
彼をソデにするエリカ。
短い中にもキャラが明確に描かれている。
恋人にふられ彼女を見返そうという負のエネルギーからフェースブックが誕生したようなストーリーだが本当だろうか。
映画的には冒頭の彼女との全く噛み合わない会話、そして成功の後もフェースブックを通じて彼女と接触しようとするマーク。
7.5億人を繋げるネットワークを作り上げたが誰とも繋がっていないかのようだ。
この二つの場面が秀逸だ。
デビッド・フィンチャーという人気監督らしいが流石ですな。
映画マニアでもないのにおこがましいが。
いい映画なのでまだの人にはお薦めします。
改めて感じるのが日本人として実感のわかない階級社会。
ザッカーバーグは上流階級に憧れる見かけの冴えないオタクのユダヤ人青年だ。
コンピューター・プログラミングの天才。
エリート・クラブに入会したいが叶わないというコンプレックスに苛まれる。
女子学生にもてない理由でもあり彼の負のエネルギーの大元だ。
「私を入会させるようなクラブには入会したくない」と言ったのは同じユダヤ系のグルーチョ・マルクス(コメディアンのマルクス兄弟)。
成功して高級倶楽部への入会の誘いを受けたときの言葉だろうか。
こちらの方が正解だ。
入会しても楽しいわけがない。
対照的なのがハンサムで運動能力抜群で資産家の息子の双子。
ハーバート内の最上級クラブの会員だ。
如何にも内容のない木偶の坊のように描かれている。
映画産業はユダヤ人の産業だから尚更だ。
日本は上に行くほど無能と言われる大衆社会。
「大衆とエリートの知的能力的、男女の体力、おとなと子供の成熟度格差が低いバザール国家」と言ったのは
増田悦佐だったか。
確かに。
しかしエリート社会が世界をより良い所へ連れて行ってくれるわけでもない。
指導者層の無能ぶりを嘆きつつも、バザール国家もいいなあ、と思う今日この頃だ。