国鉄フライヤーズ

目指せカネ、ヒマ、若さ

「電通と原発報道」なんだカネだけか、日本。

2012-07-26 01:00:00 | 備忘録


第四の権力マスコミ。
それを支配するのが巨大広告代理店デンパク(電通・博報堂)。
なかでも電通。

ネットでは評判の悪い電通だが検索してみる限り批判本はとても少ない。
ここにもタブーがある、ということなのか。

戦前と特務機関、満鉄調査部の伝統を引き継ぎ国民洗脳を受け持つ、
ってなことかな、と思って読んでみたが陰謀でもなんでもない。
つまりは日本のタブーはカネ・カネ・カネ。

3000億円のテレビ売り上げを支えるのはわずか3億円の電波料。
この国民の財産を支配し寡占企業に恩を売るのが総務省の電波利権。
そこのお世話で商売をしているのがテレビ局。

官僚の悪口はテレビではほぼ皆無にならざるを得ない。

自動車会社が新車販売のスポットCMを一か月流すと5億の収入がテレビに入る。
支払っている電波料に釣り合わないこと甚だしい。

電通はテレビのゴールデン枠を自分で買い取っている。
テレビ局にとってはお客様だ。
しかも支払サイトはクライアントの支払いに先んじる。
つまりは金融業でもある。

更に広告主が倒産してもテレビ局は放送代を取りっぱぐれない。
保険屋でもある。
テレビ局の安定経営に欠かせない存在だ。

そんな電通でも頭が上がらないのがクライアント。
パナソニック、花王、トヨタ、ドコモ、シャープ、アサヒビール、東京ガス、AU、三菱自動車に東電の十大広告主。
巨大クライアントの批判はテレビ画面ではご法度だ。

これらのクライアントはカネの力を後ろ盾に広告会社を支配する。
値引き要求を含め泣かされる弱者はここでは広告会社。

しかし単なる使用人ではないのが電通の凄いところだ。
クライアントの意向を代行してネガティブ・ニュースの芽を摘む。
放送局の営業に圧力をかけ悪いニュースのダメージを最小限にするのも彼らの役割だ。

新聞(クロスオーナーシップが許される日本ではテレビの親会社)で言えば悪いニュースの扱いは朝刊より夕刊、一面より二面。
メディアがカネで支配されている。

そして不祥事が起きれば危機管理を代行する。
会見の服装、資料の充実など取り仕切る。
そしてお詫び広告とブランド回復キャンペーン。

政経塾の生みの親、パナソニックは横暴で有名なクライアントのようだがJALもひどかったようだ。
テレビを支配する電通でも時には御用商人扱いする大企業が多い中、異色のクライアントがある。

出稿料ランキング7位の東京ガスと10位の東電。
名だたる全国区の企業に交じってローカルの地域独占会社。
ストレートな広告は必要なはずもない。

当然、魂胆がある(笑)。
そしてこの人たち、値切らない。
ありがたいお客様だ。
神様と言っていいだろう。

出所はもちろん総括原価方式による電気代、ガス代の設定。
つまりはいくらコストがかかっても痛くも痒くもない。
最近で言えば値上げ幅を8%に抑える(爆笑)というやつだ。
それどころかコストが高いほど利益が増える仕組み。
僕らが神様の出資者だ。

ここでもカネの力だ。
そのカネの出所は我々一般消費者だがこれはサイレント・マジョリティー。
権力を持つのはラウディー・マイノリティー。

そんな電力会社が広告料を増やしたのがもんじゅのナトリウム漏れの1995年、東海村臨界事故の1999年。
電通の指南でニュース番組のスポンサーになり人気キャスターを誑し込んだ。
インチキが見つかったタウンミーティングを企画するのも電通。

今回の原発パブコメも同じこと。
各地の意見聴取会でのヤラセが問題になっている。
単純な話だ。
電通や博報堂の得意分野。
今回は博報堂らしいね。
しかしデンパクが表立って批判されることはない。

東電の広告料は原発のネガティブイメージを払拭する口止め料。
反原発論者の小出や広瀬は文殊事故以来画面から消えた。

その後は知っての通りだ。
3月12日の事故以来の新聞・テレビ。
御用学者を使っての「メルトダウンしていない」「放射能は危険でない」「避難の必要はない」...

原発には東芝、日立、三菱重工らが461社が名を連ねる「一般社団法人原子力産業協会」もついている。
巨大クライアント群だ。
彼らの名前は原発事故とは結びつかないように工夫されている。
報道番組で名前聞かないでしょ。

異常な話だ。
「閉ざされた言語空間」を作ったのはカネの力か。
なんだ、つまらない社会だなあ。

アメリカは違うよ。
もっと戦略的だ。
メディア支配は同じカネだが確信犯だ。
The CFR Controls American News/Media



日本は企業もメディアも電通そして官僚さえも、それぞれがその日のカネを追いかけて最善を尽くしている。
だから反社会的行動に対する自覚がない。
集団的無意識で行動している。
これやったら何かまずいよなあ、という自明性だ。
自主規制が身についている、というよりその枠の中でしか考えられない社畜。

アメリカが羨ましいわけでは全然ない。
しかし、やっぱりつまらない話だなあ。

三島由紀夫が予言したような空っぽな国になったのかもしれない。

このまま行ったら「日本」はなくなつてしまうのではないかといふ感を日ましに深くする。
日本はなくなつて、その代はりに、無機的な、からつぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目がない、或る経済的大国が極東の一角に残るのであらう。



小沢冤罪、東京地検特捜部の不祥事を国会で追及(必見です)

2012-02-24 17:23:59 | 備忘録
東京地検特捜部の不祥事を国会で追及 階猛議員 衆議院法務委員会


石川元秘書の再捜査取り調べの違法・不当、捜査報告書の虚偽記載、組織ぐるみの違法な取り調べ。
これらを裁判所が認定した。

虚偽公文書作成公使という犯罪。

前田検事が村木事件で偽造したフロッピー・ディスクは証拠として結果的には使われなかった。
今回は偽造の捜査報告書に基づいて検察審査会が強制起訴した。
直ちに捜査に着手すべき。

前田事件ではスクープが出た当日に逮捕。
もっと迅速に動くべき。

再捜査前、身柄拘束中の取り調べに問題。
小沢関与を示す石川の供述調書は全部証拠として却下された。
検察審査会が小沢を強制起訴すべしとした議決の根拠はは石川供述によってのみ支えられている。

小沢は党員資格停止で政治活動に重大な制約が加えられている。
その原因が違法・不当な取り調べ。

組織的な問題と認定された。
検察の在り方検討会の再開で特捜部の問題を解体を含め議論すべきではないか。

階議員、見事な追求。
東大野球部出身(ロッテに行った小林至と同期)、司法資格を持つ民間出身者だ。
大いに期待したい。

法務大臣は逃げるばかり。

朝日新聞は小沢無罪を見越し慌てて一面に小沢インタビューを掲載、アリバイ工作に入った。
情けない奴らだ。

「増税解散なら政界再編」 小沢氏インタビュー




10ヶ月経った被災地

2012-01-25 01:00:00 | 備忘録


東京から新幹線で一ノ関まで行き、245線を東に。宮城県気仙沼。
死者、行方不明1300人、被災住宅は15000棟を上回った。



震災から10ヶ月、まだこんな風景があちこちに。
土木・建設関係の車両が多く、街行く人たちの表情は意外と明るい。

問題は街にいない人たち。
多くが避難先から戻れない。
胸が痛い。

 金融機関 : 七十七銀行気仙沼支店
     口座種別 : 普通預金
     口座名義 : 気仙沼市災害対策本部
     口座番号 : 5477948




45号線を北上。
岩手県陸前高田は全てがなくなった。
死者行方不明1800人。
瓦礫も片付けられた静寂が痛々しい。

 金融機関 :岩手銀行 高田支店
     口座種別 : 普通預金
     口座名義 : 陸前高田市災害対策本部
     口座番号 : 2044626



駅が流され海岸線付近は全滅した大船渡。
死者・行方不明430人。
はっちゃんも私も昔出張で訪れた亀井商店のタンクは無事だった。
よかった。

 金融機関 : 岩手銀行 大船渡支店
     口座種別 : 普通預金
     口座名義 : 大船渡市災害義援金(オオフナトシサイガイギエンキン)
     口座番号 : 2052381



一ノ関のベーシーは有名な老舗らしい。
カウント・ベーシー、エルビン・ジョーンズを始め数々のミュージシャンが訪れた。
名物オーナー菅原昭二氏とオーディオ、ジャズ談義に花を咲かせるはっちゃん。
「東北が始めて脚光を浴びた」と寂しげに語る菅原さん。

大変な苦難の中にある被災地。
しかし復興景気の兆しはあちこちに。
新幹線もホテルも満員の岩手。
がんばっぺ東北。

つらいのは福島だ。
鉢呂元大臣の言ったとおりの死の町である20キロ圏内は検問所に阻まれ立ち入り禁止。
飯舘村には人がいない。

辛うじて街道沿いのガソリンスタンドが営業していた。
住民が帰れる日が来るのだろうか。
帰っていいのか。

 金融機関 : そうま農業協同組合 飯舘総合支店 
     口座種別 : 普通預金
     口座名義 : 飯舘村
     口座番号 : 1487767



(必読!)西木正明のウエルカム・トゥ・パールハーバーがやたら面白い

2012-01-18 21:26:00 | 備忘録



今年初の読書ははっちゃんが貸してくれたこの本。
ノンフィクション風のフィクション、と言うよりフィクション風のドキュメンタリーだろうか。
1000ページを超える力作だ。

西木さんこの本の、取材、執筆に4年の年月をかけた。
思いつきのブログとは重みが違うなあ。
すまん。

第二次世界大戦について、もやもやっとしていた事が一気に晴れたような気がする。
複雑怪奇な大戦直前の政治情勢が頭の中で大分整理できた。
小説タッチで頭にすっと入ったわけだ。

最近フーバー元大統領がルーズベルト(FDR)を、「対ドイツ参戦の口実として、日本を対米戦争に追い込む陰謀を図った『狂気の男』」
と批判していたことが紹介された(ジョージ・ナッシュ著「FREEDOM BETRAYED(私は読んでいない)」。
証言者が米大統領経験者というこの発言が事実なら、一級品の資料ということか。

一方、事実上の対日最後通牒であるハル・ノートはハルのスタッフでソ連のスパイだったホワイトが書いた、という話は聞いていた。
「日清、日露、第一次の結果獲得した領土と権益を全て放棄しない限り米・英・仏は一切の物資供給を停止」というやつだ。
これを受けていたら世論の反対で日本の政権は転覆していただろう。

本書は日本に先制の一撃を打たせるために最初から決裂が予定されている日米交渉を行った陰謀についての話だ。
ヒトラーを助ける為の対ソ戦もやらず、国力で圧倒的に勝る米国との開戦はもってのほかだが、中国での利権は手放したくない日本。
そんな日本に自滅的な戦争を始めさせる為の囮の日米交渉。

これを民間主導の妥協的な交渉から始めさせるという奇策だ。
つまり背後にいるFDRや国務相は交渉の課程でどんどんハードルを上げ日本をフラストラートさせようというわけだ。

アメリカの密使は西欧文明が神の加護を受けていると信じるメリメール教会親父ドラウト。
宗教家の彼は後に良心の呵責に苛まれることになる。
日本側はアメリカ側から指名されたの民間人の井川忠雄、そしてお目付け役の「謀略の」岩畔大佐。
この二人は宗教家のドラウト神父を信じ込み「犯罪的なほどの」ナイーブさを発揮する。

そしてこのシナリオに賭けたのがチャーチル。
ドイツの圧力で滅亡寸前の大英帝国。
対ソ戦を目論むヒトラーに嘘の英独条約を提案し、ソ連に準備期間を与えると共にアメリカをそそのかして参戦させる。
戦争に反対の米国世論を参戦に導く為には日本の一撃が不可欠だった。

つまりは覇権の話だ。
英米覇権に挑戦した日独伊三国同盟。
この新勢力を壊滅させるために欧州戦争を第二次世界大戦まで持っていった。

結果は英米覇権主義が延命したということだ。
同時に進行していたのがソ連によるスニューク作戦。
さっき書いた例のソ連スパイがハルノートの起案者だったという話。
MI6ワイズマンの工作と同期する日本挑発作戦。

こんがらがった糸のような当時の世界情勢。
それが各国の情報部員にって解き明かされていく。

存在感が一番あるのが英国、元MI6アメリカ支部長のウィリアム・ワイズマン。
チャーチルの刺客だがアメリカのクーン・レープ商会の共同経営者。
英独条約でドイツを釣り、日米交渉を決裂させ日本を戦争に駆り立て、アメリカを参戦させた。
後に数々の叙勲を得た英雄だ。
力を失った大英帝国は英米覇権としてアメリカに入り込み戦後もアメリカの鼻ずらを引きずり回すことになる。

このクーン・レープは後にリーマン・ブラザーズに吸収される。
それがどうなったかは言わずもがなだ。

ソ連の諜報も凄腕だ。
突然始まった日米交渉。
この落としどころが分らないスターリン(蒋介石もだ)はやきもきする。
コミンテルンにシンパシーを感じるものは米国中枢にもいる。
ハルノートを書いた財務省のホワイトもそんな中の一人。

NKVDアメリカ支部長、ゾルビン駐日ソ連大使館員も本書の重要人物だ。
最後の手段としての暗殺部隊も登場する。
スメルシュ(スパイに死を)。
例の毒(化学生物兵器)を傘の先に仕掛けてチクリと刺すやつだ。

これに張り合うのが日本の大物外交官「エコノミスト」。
ソ連側資料に名を残すダブル(二重スパイ)だ。
愛国者として描かれているがソ連のハニートラップにひっかかってもいる。
西木さんの推測では太平洋戦争開戦直前の外務次官で元イタリア大使天羽(あもう)英二だが実名は出て来ない。
うん、微妙だ。

二重スパイは諜報員の宿命。
公文書からの地味な調査が基本としても、政策の根幹に係わる所はインサイダーにしか分からない。
こちらの情報を餌に相手の諜報員から重要情報を聞き出す。
情報収集者であると同時に情報提供者でもある。
この辺の駆け引きはスリリングだし評価は分かれる。

複雑怪奇な世界情勢。
日独伊三国同盟が英米覇権に挑戦した折、連合国側のソ連はドイツと不可侵条約を結ぶ。
何のことはない。
ヒトラーの快進撃で餌場となったポーランドの割の為の野合だ。
盗人同士のその場限りの合意。

ドイツは次は独ソ条約を反故にし、ソ連を狙う。
ソ連がドイツに負ければドイツの圧力をまともに受ける瀕死の大英帝国。
アメリカの対ソ武器援助を勝ち取るまでの間、英独条約交渉で時間稼ぎをする。

三国同盟で新興勢力に乗ったもののノモンハンで惨敗しソ連の圧力を受ける日本の松岡外相は三国同盟にソ連を誘い込もうとする。
ソ連がこれに乗らないと見るや日ソ中立条約を締結、一時的とは言え北西の脅威を緩和する。

予想通り、ドイツは独ソ条約を破りソ連侵攻。
こうなるとソ連にとっての脅威は日本の参戦だ。
ドイツは対英、対ソの二正面。
それでもソ連は苦戦だ。

日本が対ソ戦を始めれば今度はソ連が二正面。
日本の動向を見極めるため情報部員が対日諜報を必死でやる。
ドイツの記者ゾルゲ、尾崎秀実らソ連スパイが活躍する。

日本は太平洋を隔てたアメリカの脅威に曝されている。
国力の差は歴然。
対ソ戦などして二正面になればあっという間に破滅だ。

こんな中、日本の陸軍情報部員がアメリカに派遣され怪しげな日米交渉の本質に迫ろうとする。
天城大佐と江崎中尉だ。
もてるんだなあ、この人たち。
ハニートラップを物ともせず相手の女性エージェントから情報を取りまくる。

現役の陸軍軍人でカラダはいい、諜報なのでアタマは切れる、その上機密費をたんまり持っている。
もてて当たり前のヒーローだ。
痛快。

日本の諜報機関、外交官たちは日米交渉の真相に少しずつ迫る。
しかし近衛首相や野村大使はナイーブに日米交渉にのめりこむ。

意外なのは頑迷な右翼との印象もある松岡外相だ。
「近衛と対極にある性格だ、強固な理念に凝り固まった国粋主義者と思われがちだが、アメリカで高等教育を受けたことで、徹底した現実主義者になった。日和見主義者と言ってもいい。場合によってはスターリンとも妥協する、マルキストと手を結ぶ」。

松岡は滞米生活の経験上、国力で圧倒するアメリカにも言うべきことをきちんと言うべきと考える国際人だ。
交渉で激しくぶつかっても戦火は避ける、という現実主義者でもある。

松岡は直感的に日米交渉の謀略を見抜く。
そして独自の動きをしようとする。
それを察知した米側は松岡が交渉に関わることを忌避し、第二次近衛内閣の総辞職でついに松岡は更迭されてしまう。

長くなるのでこのくらいにするが開戦前1年の出来事が各国諜報部員たちを狂言廻しに、テンポ良く展開する。
殆どの人達が実名だ。
天城と江崎は空想の人物なのだろうか。
モデルがいるのか。
天城はエコノミスト天羽英二の分身なのかも知れない。

西木は謝辞で「あえて名は記さないが、アメリカやヨーロッパ、ロシアの友人の協力」と書いている。
その筋からの情報ももらっているのだろう。
何の目的で誰が書かせた、とか考え出すと眠れなくなりそうだ。

本のタイトルは攻撃を受けたアメリカが「リメンバー・パール・ハーバー!」と日本への復讐を誓うとき(911と同じ風景だ)、
MI6のワイズマンが「リメンバーじゃない、ウエルカムだ」と呟くシーンからきている。
同じ頃チャーチルは日本の攻撃を知りアメリカの参戦を確信「今次の戦争勃発以来、はじめて枕を高くして眠れる。神よ、我に力とご加護を」
と日記に記した。

日本はナチス・ドイツという新興勢力に「バスに乗り遅れるな」と肩入れし結果的に負け馬に乗ってしまった。
連合国は英米覇権を守るために日本の妥協の道を閉ざし完膚なきまでに叩き骨を抜いた。

対米従属になって65年。
エコノミストや天城、江崎を始めとするインテリジェンスのノウハウは無くなってしまったのだろうか。
英米派遣がついに終わる今、歴史を学び教訓を得ることが生き残りの手がかりになるのだろうな。
その気概が無いなら対米従属でゆっくり堕ちていくのも案外悪くないかもしれない。

ノモンハンで多くの犠牲者を出した辻政信が責任を問われることもなく、戦後国会議員に。
日米開戦の宣戦布告をわざと遅らせ(西木説)「騙し討ち」という汚名を着せられる原因となった井口貞夫、奥村勝蔵の大使館員。
責任を問う声もあったが結局有耶無耶にされた。

最後通告文をタイプで清書する奥村に井口が
「奥村さん、結局われわれは戦争阻止に失敗したけど、このままおめおめと開戦したら、命がけで謀略をあばいた天城さんの御霊に申し開きがたたない。せめてアメリカ側の反撃を最小限に抑えるため、この通告を手渡すのは、攻撃がはじまってからにしようじゃないか。

騙し討ちは、当時の慣習から言ってアメリカ側の都合のいい解釈だとしてもこの二人が何の咎も受けないばかりか
揃いも揃って外務次官にまで登りつめた、という日本社会の潔いばかりの寛容さ(笑)。
済んだ事は考えてもしょうがない的な発想は考え直したほうがよさそうだ。

お薦め、少しでも多くの日本人に読んでもらいたい佳作だ。
















変わっていく中国、立ちすくむ日本

2012-01-11 23:06:50 | 備忘録

(日付変更線に引越してもらって今年からアジアになったサモア)

偽物・犯罪天国、目的のためには手段を選ばない「何でもあり」の国と思われてきた中国。
国が豊かになれば変わるべきところは変わっていく。

ニセモノ天国の中国が激変し始めた
日本アニメの正規版登場で駆逐される海賊版


アメリカ向け輸出で発展してきた中国。
代金の多くが米国債購入という形でアメリカに還流していくところは日本と同じだ。
しかし対米従属の日本と違い、大国として自分の道を突き進んでいる。
戦勝国の一員として国連の常任理事国になったのが1945年。
アメリカの準植民地となった日本と政治・外交面での差が付き始めた。
ポジションが人を作る、の喩えと同じ道理だ。

多くのアフリカ諸国を援助して恩を売り途上国の盟主になると同時に豊富な資源を買い進めた。
バブル時の日本は浮かれてロックフェラー・センターのような勲章に大金を投じたが中国は実を取った。

今またイランの核疑惑という「とんでも」話で、軍産複合体に頭が上がらない日韓が無理矢理に輸入量を絞らされる気配となってきた。
軍事費を削減され商売上がったりの彼らが得意技の危機創造だ。
根も葉もない疑惑で戦争を起こしたイラクの大量破壊兵器シナリオと同じ。
しかしイスラエルが暴発してくれない限り、イランとの戦争をおっぱじめる国力はもアメリカにはない。
ブラフだろう。

そして日韓欧が減らした石油は中国が持って行く。
利権も一緒に。
日本が円の国際化をアメリカの脅しでやらなかった間に中国は人民元での取引をアジアを中心に増やして来た。
アメリカがイラン石油のドル決済を制限すれば日韓はお手上げだ。
しかし中国はイランとの間で人民元、イランリアルによる取引を増やして来た。

自分の足で立ちたがらない国には得るものは少ない。
不退転の決意で増税をするという泥鰌。
国民(選挙民)に辛苦を強いるのは厭わないが、アメリカや官僚組織には全面服従。
やっぱり首相は直接選挙で選んだほうがいいかもしれない。

英米覇権は終わっている。
覇権が中国に移るということでもない。
多極化或いは無極化の時代に入っている。

経済の中心は既にアジアに移っているしいるし今後もその傾向は益々強まる。
インドの人口が中国を抜き世界一になる10年後には世界中のGNPの50%以上がアジアだ。
今年から太平洋のサモアは日付変更線の西側、つまりアジア・太平洋州の方に時間的に引っ越してきた。
なんと英米覇権が明らかになる前(120年前)に戻した。
つまりそういうことだ。

アメリカが韓国を引っ張りこんだ米韓FTA、日本に押し付けようとしているTPP。
ミエミエじゃないか。
俺たちにアジアの果実のおこぼれを食わせろというジャイアンの脅しだ。
アメリカが可哀相だから助けてやるって、ジャイアンはお願いしていない。
ましてや日本の硬直化したシステムを壊すためにTPPという外圧を使うとは何と言う敗北主義、倒錯だろうか。

それを工業品輸出貿易と農業問題、或いは自由貿易と保護貿易というステレオタイプに矮小化し、無知な国民を騙そうとする政官報。
そうじゃない。
21分野でアメリカ流の制度変更を押し付けたいということだ。

英米覇権、経済成長、自由貿易、自由競争、大量生産・大量消費。
戦後の世界をひっぱて来たグローバル主義が大きく変わろうとしている。
いち早くバブルとその崩壊を体験した日本。
世界に先駆けての少子高齢化社会。
今世界中で株、商品、債券のバブルが弾けようとしている。
中国もアメリカも少子高齢化の入り口に入っている。

何も卑下することはない。
自分の脚で立ってビジョンを語ろう。


謹賀新年

2012-01-02 01:00:00 | 備忘録


新聞とってますか?
私は先ず読まないが家族のために産経新聞を購読。
何故産経かというと、コイズミ旋風に乗せられたた恥ずかしい過去の遺産だ(笑)。

しかし自民党と一緒に下野したというわかりやすさは嫌でない。
支持はしないが。

今年の元旦も嫌になるほどの分厚い資源ゴミが配達された。
中に宝は埋もれているのだろうか。
探す気力はない。

最近益々ジャーナリズムと言われているものこそが真実を伝えるのでは無く隠すトゥールでは、という思いが強くなった。
まあ真実を知る必要はそんなに無いのかも知れないが割り勘負けはしたく無いタイプだ。
疑ってかかりたいと思う。
勿論テレビ・テレビ新聞だけでなく週刊誌、月刊誌、ネット情報も。
性格悪くならないようにするのも大変だ。

以下性格悪い人たちのコメント(笑)。
性格悪い人増殖中。
それはそれで健全なことかもしれない。

田中宇

引用

多極化の流れを抑止して米英覇権の持続を画策する勢力は、金融界とプロパガンダの分野を掌握している。

(中略)

プロパガンダの分野は、マスコミでも学界でも、米英覇権を維持しようとする勢力のちからが、今も圧倒的だ。
この分野は、マスコミや学界、教育界など、人々の価値観や歴史観、善悪観を形成し、操作する部門だ。
最高権威の学術誌を米英が握っているので、地球温暖化問題に見るように「科学的事実」をねじ曲げることもできる。
ホロコーストやアルメニア人虐殺、日本の戦争犯罪など「歴史的事実」も、彼らにとって曲げたり延ばしたりできる存在だ。
サダムフセインやアルカイダ、金正日などの「悪」のボリュームアップや、アウンサン・スーチーやダライラマなど、人権侵害と戦う英雄作りも得意技だ。

(中略)

金融兵器を潰せても、プロパガンダ兵器を潰すことは非常に困難だ。
プロパガンダは国民国家と不可分だからだ。
国家のプロパガンダ技能は、18世紀末の国民国家の創設とともに始まり、覇権国となった英国が特にそれを研ぎ澄まし、英国だけが善玉を維持し、
ドイツなど敵対国は悪玉におとしめるという、歴史を定着する技能を獲得し、これが今に至るまで、英国を世界最強の国にしている。
銀行家とジャーナリストが英国を支えていることになる。
英国では、ジャーナリストと外交官とスパイが同じ業界の人である。

(中略)

中国がいくら金持ちになっても、プロパガンダ技能では英米の足元にも及ばない。
人々に「わが国のマスコミはプロパガンダだ」と気づかれている限り、まるで素人である。
ドルや米国債が崩壊しても、その後の多極化の過程で、米英覇権を復活しようとする勢力が、あらゆるプロパガンダ機能を使って、事態を逆行ないし遅延させようとするだろう。
米国では、前ブッシュ政権や共和党内のネオコンやタカ派といった隠れ多極主義者たちが頑張って、米国のマスコミを過激な右派の論調に引っ張った挙げ句、
イラクやアフガンなどで米国の信頼を失墜させる戦略を展開し、米国内の人々のマスコミ不信を扇動し、米国のプロパガンダ機能を麻痺ないし弱体化させようとした(日本も対米従属なので似た展開となった)。
これはかなり成功し、米国でも日本でも、マスコミ不信が強まった。
だが同時に、米イスラエルの諜報筋が政権転覆に使える道具として開発されたフェイスブックやツイッターが世界を席巻している。
「マスコミはダメだがフェイスブックはすばらしい」と思っている人が多い。
5年前ぐらいまで、マスコミが歪曲していると言うと「歪曲しているのはお前だよ」と軽信派の人々に批判中傷された。
今では軽信派の人々もマスコミの歪曲を語りたがる。
しかし今は、フェイスブックやツイッターを批判すると、5年前にマスコミの歪曲を指摘したときと良く似た批判中傷を受ける。
身近な人々からも良くない扱いをされているうちに、偏屈になっていく。偏屈は私の職業病だ(昔は素直な青年だった)。

引用終わり


上杉隆

引用

原発事故後のメディアの卑怯さは改めて述べるまでもないだろう。
自らは安全地帯に身を置きながら、読者や視聴者には本当の情報を知らせず、危険に晒させる。
そんな犯罪的な原発事故報道から9ヶ月が過ぎた今、大手メディアはようやく「検証報道」を始めた。

だが、それは検証には程遠い、都合の良い「訂正報道」にすぎない。
なぜなら、当時、自らの加担した情報隠蔽については棚上げする一方で、当時、仲間であった政府を一転して叩いている始末だからだ。

偽善、なんという偽善だろう。

大手メディアは、事実を捻じ曲げるこうしたアンフェアな「検証報道」は即刻中止すべきだ。
なにも時間と労力をかけて番組や記事を作る必要はない。
もっと簡単に自らを省みる方法がある。ぜひともそれをお教えしよう。
3.11からの一週間に報じた番組(記事)をそのまま再放送(再掲)すればいいだけなのだ。

(中略)

メディアの卑怯は、直接的な原発事故の報道に留まらない。
佐藤氏(注:栄作久元福島県知事)の追究した福島第一原発の内部告発の真実から目を背けたという過去もあるし、なにより、
3.11から大晦日の今日にいたるまで、福島原発事故をもっとも知る第一級の証人である佐藤氏をメディアにまったく登場させないことからもそれは明らかだ。

この間、佐藤氏が日本のメディアに掲載されたのは『ル・モンド』に掲載されたものを転載したという記事だけだという。

引用終わり

山本尚利

引用

日本政府は公表された数字で米国政府に100兆円規模のドル(米国債のかたちで)を貸していますが、隠れ貸金を含めると日本の産官全体で700兆円~1000兆円規模(対米ドル債権)とも言われています。
だから江田議員の指摘通り、日本政府が米国政府に貸した借金の一部が満期をむかえて毎年15兆円を返してもらっているということです。
ほんとうはもっと多いはずですから、この金額は確実に返済されるべき最低額です。
この返済金を当てれば、無理に消費税を上げて国民に負担を押し付ける必要はないわけです。こんな簡単な理屈は小学生にも理解できる話です。

(中略)

米国政府の財政が破綻寸前であることは良い子の小学生でも知っていますから、上記の15兆円/年を米国政府は日本政府に返せるはずがありません。
米国政府の返した15兆円分の米ドルで日本政府はまた米国債を買っているようなのです。ここに日米関係の最大の問題があります。
要するに、日本政府が米国政府に貸したおカネは事実上、返済されていないのです。そして、米国政府の対日借金は膨らむ一方なのです。

(中略)

日本国民の多くは、毎日、テレビや新聞から情報を得ていますが、マスコミが金銭関係で歪んだ日米関係を報道しているのを見たことはありません。
なぜでしょうか、それはマスコミが日本国民に日米関係の真実を隠し続けているからです。
本ブログでは、このような日本のマスコミを悪徳ペンタゴンと呼んでいます。

引用終わり

橋下の政治センス

2011-12-05 01:00:00 | 備忘録

(元ラグビー高校生日本代表候補)

大阪ダブル選挙に大勝した橋下徹。
混迷する日本の政治で一挙に台風の目になりそうだ。

自由競争の信奉者で改革派、既得権益層への挑戦、ということで小泉さんを惹起させる。
敵を作ることで支持を拡大する手法も似ている。
当然、これに対する反発も多い。

当ブログも常日頃、改革、競争、成長を追い求めるやり方には批判的だ。
お気に入りの内田樹は平松陣営の応援団だし、敬愛するコラミスト小田嶋隆も橋下に警戒感を隠さない。

「維新」「改革」「小さな政府」「新自由主義」「市場原理」「政治主導」「官僚支配の打破」「教育改革」といったキーワードがこれからしばらくの間、
力を持つ可能性があるわけで、これは、案外大きな分水嶺かもしれないのである(小田嶋隆)。

小さな政府を目指す橋下は対米従属の「みんなの党」に近い感じがする。
しかし同時に亀井、小沢とも連携する気配もある。
橋下が対米従属の新自由主義者かと聞かれるとそうでもない気もする。
要ウオッチというところでいいのではないか。

今日は橋下の思想でなく政治手法と政治的センスの話だ。
小泉のコピーと切り捨てるのはいささか片手落ちかも知れない。
余談だが「片手落ち」を差別用語だと非難するメディアもあるとか。
バカ(これも差別?)そこまで行くと芸術だ。

橋下の政治センスの話だ。

大阪都構想なるもので闘った橋下さん。
しかしながら、どうやらこれは方便のようだ。
以下の維新の会インタビューでもわかる通り「実現に向けて制度設計はこれから」とやる気は窺えない。

それより「既成政党が協議に応じない場合、次期衆議院選挙で近畿圏に候補者をどんどん立てる」の発言通り、
この人の視野に入っているのは国政だ。
元々、自民・公明の全面支持によって知事になった橋下。
政権交代で民主に接近、その後微妙に民主からも距離を置いている。

既成政党の相乗りが裏目に出た平松陣営。
これに対し地域政党の旗揚げで一挙に国政における存在感を示した。
「政治は数だ」と語る橋下。

平松大阪市を敵に設定しての勝利だ。
閉塞感の中から大きなうねりを創り出すことに成功した。
しかし勝利と同時に大阪市議会に「ノーサイド宣言」。
現実的な政治家だ。
次は国を批判して更に数を増やす。

この政治手腕に着目したのが石原親子。
彼らの裏切りに自民は足を引っ張られた。
ただのバカじゃないのかもしれないな、この親子(笑)。

来年の衆議院選挙では政界再編成が肝になる。
今の衆参ネジレがあっては政治は動かない。
占領軍の後ろ盾を失い法案成立の力を失った日本は保守合同で安定政権を作った。
協力したのは「政権を狙わないガス抜き政党」の社会党だ。
大成功した日本株式会社の始まりとも言える。

その手法が再び成功するとは思えないがネジレ解消は日本にとって重要な政治課題だ。
それをもたらすかもしれない政界再編。
小沢と共に橋下がキーパーソンになりそうだ。

元TBS記者の田中良紹によれば今回の選挙、平松陣営の重大な作戦ミスだった。


先ずは「独裁者批判」。
既得権益支配からの脱却が国民(府・市民)の願いだ。
変革に必要なのはリーダーシップ。
それを否定しては選挙にならない。

そして文春・新潮を使っての怪文書作戦。
ヤクザ疑惑や出自の中傷。
「野中広務的手法」と言うらしい。
これが裏目に出て却って橋下へのうねりを呼んだ。

そして橋下の大阪都構想。
実現する気はさらさらない。
しかし大阪人のコンプレックスに火を付けた。
吉本の芸人は皆東京在住。
関西発の財閥も東京に本社を移す凋落ぶり。

政党を立ち上げ一挙に政界再編製のキャスティング・ボートを狙う橋下。
この人、政治センスは抜群なのかもしれない。
暫くは目が離せない。

大阪ダブル選:橋本「独裁」は吉とでるか凶とでるか
自民党は石原親子に足を引っ張られた?

日銀が思考停止でいられるわけ

2011-12-01 13:58:36 | 備忘録

(皇族かい、のび太君)

10年一日のごとく「インフレの番人」だけやっていれば事足りると思っているらしい日銀。
豊富な介入資金でドル買いをするが効果は一時的、国民の財産は将来価値が毀損されそうな米国債に化ける。
巷では日銀に対する不満の声は高まるばかりだが、新聞・テレビなどでは日銀批判を聞くことはまずない。

財務省批判はよく耳にするが日銀は不思議と叩かれない。
バブル潰しの遣りすぎで日本経済をデフレ・スパイラルに追い込んだと言われる三重野総裁も「鬼平」と持ち上げられた。

かつて日本以上のハイパー・インフレに苦しんだドイツ。
しかしEUにPIIGSを抱え盟主として金融緩和に舵を切った。
その結果がユーロ安。
これはなかなか美味しいと気付いたようだ。

不況の近隣窮乏策である通貨切り下げ戦争。
日本はその意味では不戦敗を続けている。
円高による輸出産業の打撃、輸入デフレは日本の雇用を蝕む。
いまだに日銀は「ハイパー・インフレ」「泥沼の円安」を心配している。
楽な稼業だなあ。

日銀にも批判の目を向けるべきだが。

日銀と記者クラブメディアの不健全な関係に関する記事だ。
日銀クラブの記者たちは長年に亘る洗脳で総裁は皇族扱い。
宮内庁とそっくりだそうだ。

日銀会見と宮内庁会見は同類だ!? 記者、学者との癒着が生んだ“日銀タブー”がもたらす罪悪

 

大量生産、大量消費の経団連には発信能力無い

2011-11-28 01:00:00 | 備忘録
成功している会社の話(一番下の記事)。

宇都宮のカメラ販売店だ。
家電量販店の激戦地区らしいですな、宇都宮。
コジマ、ヤマダ電機、ケーズデンキ、ヨドバシカメラの大型店がしのぎを削る。
品揃えに大差ないとしたら薄利多売の価格戦争という消耗戦だろうか。

ここで最強のカメラ販売店が「サトーカメラ」だそうだ。
デジタル一眼レフカメラの販売シェアが県内で60%以上に達するというというから驚きだ。
牧歌的な「無駄と非効率のかたまり」がこのサトーカメラだと。
店員は子供連れのおばあさんに1時間半に亘ってデジカメの使い方を教える。

セルフプリント機の前にはソファーが置かれ、そこでは客がのんびり操作。
その傍らでは店員がプリントする写真を一緒に選んでいる。
セルフじゃないじゃん(笑)。

カメラのことをよく知っている人は人口の1割。
残りの9割に写真の楽しさを教える。
そしてその9割がリピーターになる。
ヒト(キュレーターと言ってもいい、専門知識を持った売り子)を使っての新規需要の開拓。
雇用を守り利潤を上げる。
最安値でなくポイントもつけないので利益率が高い。
ヒトを使って利益率を上げる、おお、いい話ではないか。

今、世の中の趨勢はネット通販。
用途によってはこれ程便利なものはない。
かくいう当ブログも書籍、電化製品からゴルフボールまで「尼損」とか「過客どっと混む」、「落点」のお世話になっている。
毎日のように黒猫とかサガワ君がピンポンだ。

しかしネット通販はただの自動販売機だ。
そこにはレガシー販売店のようなキュレーター(相談相手)はいない。
付属サービスは口コミという余り当てにならない素人の人気投票。
後はどうしてもテレビなどによる宣伝がヒット商品製造の鍵となってしまう。
イメージに操られているのかもしれない。
それに乗せられたのではネットで安く買っても賢い消費者とは言えない。

便利さと価格競争力を売り物にするネット通販の影響は甚大だ。
本屋のボーダーズの倒産にある通りレガシー販売店が苦境に陥っている。
イギリスのJTBと言われるトーマス・クックも倒産寸前だとか。
ネット旅行代理店に顧客を奪われていることが主因だ。


ネットは単純だ。
商品番号が決まれば後は価格の勝負。
最安業者は「価格ドットコム」等で簡単に比較できる。
価格比較のサイトでそこを入り口に購入されたモノ、サービスに対し販売店から口銭を貰うのがこの商売。
数少ないネット通販の勝者だろう。
取扱い品目はどんどん広がっている。
最近では引越し、太陽光発電、葬儀、新築マンション、賃貸住宅、旅行にFX取引まで。

価格.com

値段の叩き合いに勝つのは店も在庫も持たないネット専門販売業者。
比較しやすいものはパッケージ化されているので企画も簡単だ。
しかし彼らにしたところで利益はどれだけ残るのか。
利益率は当然低い。

中間業者が排除され雇用が失われる上に生産者も安値競争で消耗する。
それがネット・デフレだ。
証券、銀行、保険、旅行代理店などでレガシー業者が苦境に立っていると同時にネット業者も儲かっていない。

商品購入の最大のポイントが価格とは何とつまらない話か。
大量消費、大量生産をベースにした自由競争。
価格が主な購入基準という未成熟な顧客が相手。
大体、いくら買い物の値段が下がってもあなたの給料が下がったり、失業したのでは意味がない。

それでも成長が続く間は皆が潤う。
先富主義というやつだ。
しかし、ひと度成長が止まれば所詮は弱肉強食のゼロサム・ゲーム。
それが新自由主義だ。
今、世界中の先進国で起きていること。
格差問題の本質だ。

福島以降、世界でエネルギーが成長のボトルネックになる。
化石燃料は有限だし、自然再生エネルギーの効率は低い。
原発と自由競争による成長はセットだったのかもしれない。
成長が止まる世界についてきちんと考えたほうがいい。

「原発だ」「TPPの自由競争だ」とベクトル違いの妄言を喚く経団連のジイサンたちは退場の時だ。
効率追求で非正規社員を下位カーストの様に使い、雇用を痩せ細らせる。
経営者としては下の部類と言ったら言い過ぎか。

喧嘩上等のカメラ店が「ど素人」に教わった商売の極意

削除され続ける韓国での反対デモ動画

2011-11-22 07:30:34 | 備忘録
韓国・ソウルでFTA反対の大規模集会。デモ隊が国会へ乱入!


韓国の反FTAデモは今も連日のように行われているようだ。
日本での報道は極端に少なく、YOUTUBEにアップされた動画は次々と削除されているそうだ。
メディアは政府らの意向に沿い情報を故意に選択して流している。
ジャーナリズムを放棄した何とも不気味な戦時体制、大本営発表だ。

TPPは既定路線。
推進派の論点はアダムスミスを源とする比較優位論、外圧を使っての改革という敗北主義。
そして反中国キャンペーンという誠に底の浅い物に思える。

日本の経済を覆う最大の問題は15年になろうとするデフレ。
より安い物品やサービス、ヒトが入ってきてデフレを助長するTPPには反対だ。

繰り返すがTPPは既定路線。
しかし救いは国民の声だ。
反対の声をあげ続ける人がいるというのは心強い。

全ての協定は交渉ごと。
国内での強い反対を無視することは交渉の当事者に許されることではない。
米国にしたところで日本や韓国(FTA)での反対の声が聞こえないはずがない。

その声を背負って日本の中の愛国的な官僚が交渉で名を捨てても実を取ってくれることを期待して、
反対の声をあげ続けましょうね。

先週は金沢に行っていてブログの更新が遅れてしまった。
いいとこですね、金沢。
圧倒的な先祖の遺産。
それを守っていれば(ご苦労があるのは承知の上)ヒトは訪れる。
言ってみれば今話題のギリシャみたいなものだ。

そんなことも有って人もいいですね、石川人。
余裕があるし郷土に誇りを持っている。
何といっても加賀野菜に新鮮な魚介類。
食材がハンパでない。





しかし外人観光客は少ないように見えた。
日銀の自己満足でドル買い介入は続き我々の資産は米国債やEU債に変わる。
介入効果は一瞬だ。
その上増税もあり、圧倒的な資金供給を続ける欧米のドルやユーロやその欧米への輸出に頼る韓国ウオンに対する円高は続く。
豪州ドルやカナダドルもここに来て大分弱くなっている。
近隣窮乏の通貨安戦争に不戦敗の日本。

観光業にとっては大打撃だ。



円高でもストロンチウムが検出されてもTPPでも爽やかな日本晴れの今朝の東京

おい、上島竜兵か?

2011-11-16 01:00:00 | 備忘録
11/11 佐藤ゆかり議員 VS 野田支離滅裂首相


ISD条項という治外法権を全く知らないで推進に走った泥鰌。
これが韓国で議論になっている問題の核心なのに。
対米、対官僚隷属ここに極まれり。
驚くべき政治の劣化だ。

早くも、TPPはポジティブ・リスト、つまり関税、規制撤廃がデフォルトで、あらゆる障壁が
例外であることが明らかになりつつある。
分かり切ったことだ。
みっともない「言った、言わない騒動」のあと、米議員団はカーク米通商代表部代表に書簡を送り、
農産品、保険、医療など多くの分野で深刻な障壁が日本にあると指摘したそうだ。
あちらは極めて明快。

あやふやにしてごまかす官僚とメディアの手法は鎖国日本内でしか通用しない。
何が問題か、何を守りたくて何を攻めたいのか政府は明らかにすべきだ。
まあ、空っぽなのは百も承知だが。


おい上島、今回のやり方には総統閣下も相当お怒りだぞ。



思考停止の日本人に天罰が下るか、石原慎太郎「新・堕落論」を読んでみた

2011-11-14 01:00:00 | 備忘録
TPPを巡る茶番に付き合わされた日本国民。
政官報は自分で考えることを放棄してアメリカの言うなりになった。

カナダやメキシコがNAFTA締結後問題視しているISD条項。
企業の権利が国に優先し、提訴されれば海外で判定される。
主権の放棄に繋がる重要事項。

今韓国でもこの危険性がフォーカスされ議会での承認が遅れている。
泥鰌もメディアもこれに触れない。
念のため聞いてみたら、触れないのでは無くて知らなかったと言うのだから驚かされる。
反対派は結構勉強してTPPの内容を問題にしているが推進派はスローガンのみだ。

賛成論者達はたいした予備知識もなく反射神経的にアメリカに従属する。
製造業も金融もダメになっているアメリカは全農産物の関税を撤廃し、
規制をアメリカ式にして日本や韓国の農産物市場を席巻する。
米日韓同盟を強化して中国に経済自由化圧力をかけようということか。

尤もな戦略だ。

これに対して「開国か鎖国か」とか「バスに乗り遅れるな」とか「アジアの成長を取り込む」とか。
幼稚な議論がテレビ・新聞でまかり通った。
18歳以上視聴禁止にしてもらいたいくらいだ。

参加しないと交渉内容が分らないというのは酷いペテンだ。
APECで早速「9カ国で大筋合意」って言ってますよ(笑)。

議員の過半数が反対しても民主党首脳はアメリカの呪縛から抜けられない。
民主党だけじゃあない。
メディアは余り報じないが、ペリー元国防長官、ハレム米戦略研究所所長、シーファー前駐日大使、アーミテージ元国務長官が説得工作のため来日。
ジョセフ・ナイやマイケル・グリーンも来ていた。
ジャパン・ハンドラーの総出演だ。
予想外に強い敵対官僚や国民の反対に危機感を感じた。

極めつけは総本山ロックフェラー・ジュニアにキッシンジャーも動員。
これで民主、自民だけでなく国民新党や共産党の反対議員まで腰砕け。
甘ったれ日本人では勝負にならない。
格の違いだ。

独立心を忘れて浮遊する日本。
石原慎太郎の言うように天罰が降るのだろうか。
肩を持つ訳ではないが、震災時の石原の「天罰発言」は文脈から言えば真っ当だ。
重箱の隅を突っつき言葉狩りに邁進するメディアには「ジャーナリスト」と呼ぶ価値はない。

これも友達の那須さんが貸してくれた本。
「新・堕落論」




「アメリカという間接的な支配者の元に甘んじ培われてきた安易な他力本願が培養した平和の毒ともいえる、
いたずらな繁栄に隠された民族の無気力化による衰退、価値観の堕落」
というのがテーマだ。

言っていることはわかる。
同感だ。
しかしこの文章はどうなの。
思わず、文学者としてこれでいいのかな、と呟いてしまう(笑)。

坂口安吾の「堕落論」の石原版続編らしい。
戦後の世相を語った坂口。

「大君のへにこそ死なめかえりみはせじ。若者は花と散ったが、同じ彼らが生き残って闇屋となる。
人間が変わったのではない。人間は元来そういうものであり、変わったのは世相の上皮だけのことだ。」

ということで、世相は変わっても人間の本質はあまり変わらないという話のようだ。
知ってか知らずか(笑)石原さんは日本人が劣化したと言いたい。
堕落論を名乗りながら坂口の文脈ではないです。
よくわからん御仁だ。

彼のあげる個々の話は説得力のあるものが多い。

自我が形成されておらず米国や官僚の言いなりになる国民性。
戦争責任を検証、追求せずに東京裁判で済ませたいいかげんさ。
多くの犠牲者を出したノモンハン事変の立案者関東軍参謀辻政信は衆議院・参議院議員にまでなった。
醜怪な話だ。

アメリカの戦争責任(ジュネーブ条約違反)。
ハル・ノートの真実。
広島の「過ちは繰り返しませぬから」という倒錯。

石油利権のためにアメリカが仕掛けた湾岸戦争のこと。

横田基地のこと。
星条旗通りという屈辱。
教育。

そうだ、と膝を打ちたくなることが多い。
しかし結論はずいぶん違うな。

核の抑止力を絶対視する核武装主義者だ。
正力、中曽根のラインだな。
でもこの人たちアメリカのエージェントでもあるよね。

アメリカ情報通として評価するのが岡本行夫や日高義樹。
ジャパン・ハンドラーの子分じゃないの?
石原さん、頭脳の構造がどうもよくわからない。

先進国で唯一バランスシートが無い単式簿記の日本。
石原は東京都を複式に変えた。
ほう。
しかし原理主義的な財政健全化と消費税増税主義者。

思うところは似ていても結論のところは大分違う。
物事、理屈は後からついてくるんですな。
これは肝に銘じたほうが良さそうだ。

あとがきに書かれている福沢の言葉。
「立国は公にあらず私なり。独立の心無き者国を思うこと深切ならず」

その通りだと思う。




TPP茶番の行方

2011-11-11 05:41:49 | 備忘録
異様なことだらけだ。

菅政権で突然浮上したPTT問題。
昨年10月の所信表明で突然持ち出された。
ネットではその功罪を巡って早くから議論(異論の方だが)が噴出。
反対派の先鋒である中野剛志は時の人になっていた。

しかし大手メディアはこの議論を完全無視してきた。
そしていよいよ泥鰌がAPPECでの参加表明を、という段階になってテレビ各局等がが取り上げ始めた。
賛成派の論拠は「バスに乗り遅れるな」「日本は世界の孤児になる」「アジアの成長を取り込め」
「外圧を利用して改革をする」くらいか。

余りにも悲しい「バスに乗り遅れるな」については語る気もしない。
アメリカ以外はシンガポール、マレーシア、ニュージーランド等の小国しか参加していない。
カナダもメキシコも、ロシアも中国も韓国もフィリピンもインドネシアも参加していない。

東アジアの重要プレイヤーが参加していない協定に今日本が入らないということ。
この、どこを拡大解釈したら「世界の孤児」「アジアの成長を取り込む」という話になるのか。

要はトランス・パシフィック、即ち太平洋間の協定、日米FTAだ。
環太平洋ならパン・パシフィックでしょ。
アメリカにとって有利なFTAを締結するために利害の一致する小国を集め一気に日本に条件を飲ませる。
飛んで火に入る泥鰌や鉄オは誰のエージェントなんだ。

アメリカの軍産複合体勢力はベトナム、イラク、アフガニスタンなどでの無益な戦争で浪費を続けた。
スティグリッツによるとイラクだけで3兆ドルの無駄遣い。
機会損失を含むが直接戦費だけでも1兆ドル。
4400人のアメリカの若者と100万人以上のイラク人が犠牲になった。
サダム・フセインが大量破壊兵器を開発しているという濡れ衣。

軍産複合体のエージェント、小泉内閣は即時に協力を表明。
この大義なき暴力に我々の税金から30兆円の資金協力をした。
米軍のイラク撤退が表明された今、大手メディアは沈黙を続け、責任追及の声を封殺している。

長くなるので省略するが、その後、アメリカはデリバティブという金融破壊兵器で自滅して行ったわけだ。
1%に富が集中し中産階級が没落しつつあるアメリカ。
反ウオール・ストリート運動は全米に広がりつつある。
過剰なる自由競争で勝者は過大な収入を得、敗者が没落する先富論政策。
「外圧」を利用してこの失敗したシステムを輸入していいのか。

アメリカの雇用を増やすことがオバマの緊急課題。
ここで大きな成果を上げないとオバマの再選は無い。
まだ強みのある農業、武器、医療、知的財産などで他国の市場に進出する。
言ってみれば他国の雇用を奪うことがPTTや米韓FTAの目的。

日本と同じく政府が対米従属の韓国では李政権がFTAを締結したが、その内容が明らかになっていく中
野党の反発が高まり国会での批准が遅れている。
この件についても日本の大手メディアや推進派は触れない。

オバマは「アメリカにモノを売る時代は終わったよ」と自白している。

そんなPTT。
フジテレビが中野剛志を出演させたり、やっと議論が始まった様に見えた。
そして?

民主党内部で反対派が立ち上がり野田の独走を止められるかという瀬戸際だ。
ここに至って、NHKを始めとする大手メディアの意図が暴露された。
単なる「ガス抜き」だったんだ、PTT議論。

民主党PTが紛糾する中、メディアは全社横並びで「野田首相参加表明へ」とのっぺらぼうな報道。
今回だけではない。
原発輸出や消費税増税でもそうだ。
重要な政策問題を国内の論議をすっ飛ばして国際公約する民主党執行部。
この非民主的手法が松下政経塾のやり方だ。

それを無批判に垂れ流し既定事実化。
取り敢えず交渉に参加して後は押し切られるままに、という対米従属派の意向に乗っている。
それが日本のマスゴミだ。

岩上安身よる昨日の民主党PTの様子。
有料記事ではあるが拡散していいだろう。
ダメならすぐ撤回しますが(笑)。





速報
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岩上安身の IWJ 特報

11月10日、野田総理会見延期の真相~前夜の密室での激論をスクープ!~

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本日(11月10日)5時半から野田総理が記者会見でTPP交渉参加表明をする、という情報が、お昼頃から一人歩きしていた。ネタ元は、フジテレビ系列のFNNニュース。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00211278.html

しかし、4時半になっても、5時半になっても、官邸の広報は、問い合わせに対し「記者会見の時間は未定。私たちはそもそも今日総理会見が行われると御案内していない」と答えるのみだった。

大手メディアは、足並みを揃えて、今日、野田総理が参加表明することが既定路線であるかのように報じてきた。しかし、昨日(11月9日)の民主党経済連携PT総会で、TPP交渉参加に慎重であるべきとする慎重派議員達の激しい巻き返しにあったためか、野田総理が会見を開いて交渉参加を表明することは見送りとなった。

この件について、私は、「総理会見が延期になった」とツイートした、斉藤やすのり議員に、夕方、直接連絡をとって取材した。

「今日、予定されていた野田総理の記者会見は延期になりました。これは確実な情報です」と斉藤議員は語った。

「どういう過程かわからないが、我々のような、民主党から離党覚悟で反対している議員が少なくないことや、昨日のPTで採択された提言文に、総理もぐらついたと思われます」

昨日のPTでは、TPP慎重派が議論を圧倒。党のPTの役員会で決まっていた提言文を修正させたのだ。

斉藤議員は続けた──。

「APECでの発言の文章を、TPPへの交渉参加ではなく、『事前の情報収集』にするとか、本格的な交渉参加ではなく、濁らせるべきだと我々は主張しています。TPPは、復興税の話などとは違う。国のかたちが変わる。党人としてではなく、政治家として食い止めなくてはいけない。

 今日、国会の議院運営委員会で、私たちが集めてきた与野党の決議案を本会議でかけられるように、と求めました。しかし、民主党と共産党の反対で本会議にかけられなくなってしまった。実に残念です。

しかし、この決定により、今夕、記者会見を行うと、野党の意思が国会で示されないまま、交渉参加を発表することになってしまうことになった。それも総理会見が延期となる原因になったのではないか」

明日11日の午前中、予算委員会の集中審議が行われる。採決は行われないが、野田総理がハワイへ行く前に、国会において、野党の意思が示されることになる。

「これまでTPPについて、官僚の作った作文を読んでいただけの総理が、初めて自分の生の言葉で語ることになる。徹底的に突っ込まれることになるでしょう」

と、斉藤やすのり議員は結んだ。

野田総理の会見延期に影響を与えた9日夜のPTの模様を、以下、速報としてお届けする。

11月9日 17時半から民主党経済連携PT総会が開始された。これまで顔を出さなかった前原誠司政調会長が、冒頭から出席した。

冒頭の鉢呂座長の挨拶の後、マスコミは会場から退場をうながされた。

PT総会では、これまでも、鉢呂座長による冒頭挨拶以降の議員間議論は、報道陣は締め出されてきたが、この日はさらに「超」の字のつく厳戒態勢が敷かれた。

11月8日の役員会で作成された提言案のペーパーが配布されたが、それを手にすることができたのは議員のみ。会場内にいた議員秘書も、見ることすら禁止された。

さらに驚くべきことに、ペーパーは会場外へ持ち出すことが一切禁止され、休憩中も議員はペーパーを席において会場から外に出ることを余儀なくされた。 

また、散会時には、全議員がペーパーを椅子に置いて退出することを命じられた。持ち出そうとした議員もいたが、出口で民主党職員により回収された。

そこまでして中身の流出を防ごうとした提言文であるが、その内容をここで明らかにする。

PTの役員会で作成されたもともとの提言案には、次のような文言があった。

■FTAAP構築の必要性があらためて確認された。

■TPPに関しては、具体的に市場アクセス、医療分野、金融分野、食品表示、サービス分野、政府調達分野などにおいて、日本の地域社会に大きな影響がある、との論点が出されるなど、慎重な意見が多かった。

■APECへの提言としては、FTAAP構築へ向けて積極的に経済連携を進めることが確認された。APECでのTPP参加表明に関しては、時期尚早との見解が示されるとともに、より国民的議論を喚起すべきという意見が出された。

■以上の論点を踏まえ、PTとしては最終的な判断を政府に委ねることとする。

吉良事務局長による役員会作成の文案の読み上げの後、議員間議論が行われた。計65名の議員が発言した。

まず、冒頭に発言した川村秀三郎議員と山岡達丸議員から、役員会による報道陣へのリークを問題視する声が上がった。

リークによって風を吹かされ、世論が作られている、として、リーク元は誰だ、と両議員は問いただし、役員会のメンバーの一人がリークしたという事実が記事に書かれているが、その人物の名前を明かせと、事務局側に詰め寄った。

それに対し、吉良州司事務局長は、「自分は絶対にリークしていない。秘密を厳守してきた。他の役員の方がリークしていたら、大変残念だ」と、声を震わせながら弁明した。リークした人間は誰か、特定されなかったが、こうしたやりとりによって、役員会のメンバーの誰かがリークしたことは、ほぼ決定的となった。

議員間議論では、慎重派からの発言が8~9割を占めた。

ここでの慎重派の巻き返しは凄まじかった。前回、3日前の月曜日に行われたPTでは、慎重派の敗色が濃厚だった。しかし、今回は役員会が提言文のペーパーを配ったため、議論が具体的なものになり、慎重派が勢いを取り戻した。

慎重派の議員から出された主な意見は以下の通り。

■「APECでの交渉参加表明は時期尚早」とはっきり明記すべき。

■「慎重な意見が多かった」という文言を先にしてほしい。

■「委ねる」という文言では、総理はTPPを政治決断してしまうので、変えて欲しい。

■東日本大震災からの復旧・復興に関する文言が一行しかなく、もっと入れてほしい。

また、中盤では、首相補佐官の長島昭久議員が、一般議員の立場から発言しようとして、場内が騒然となる一幕もあった。

長島補佐官は政府側の人間であり、本来ならば党の会議での自由な発言は控えるべきである。ところが、TPP推進派の一人である彼は、一般議員の席に座りながら、強引に発言しようとし、これに対して、場内からはブーイングの嵐。「場を荒らしに来たのか!」との野次も飛んだ。

 ちなみに、長島昭久議員といえば、米国のシンクタンクCSIS(米戦略国際問題研究所)と関係が深いことで知られている。このCSISと組んで原発維持、TPP推進のシンポジウムを共同開催しているのが、日本経済新聞社である。
 
 11月8日にも、日本経済新聞社とCSISは、「東日本大震災、トモダチ作戦と日米同盟の未来」と題したシンポジウムを開催した。http://s.nikkei.com/uqcOfi

このシンポジウムの席上、ジョン・ハレムCSIS所長は、「日本が原子力利用をやめるのは誤り」と主張した。「日本は原発を続けよ」。これが、日本の支配層に対して下された、ワシントンからの「メッセージ」なのである。

話を戻そう。

4時間におよぶ議員間議論を受け、鉢呂座長の判断により、急遽、臨時の役員会が設けられた。役員会には、役員会の要望により、前原政調会長も同席した。

約50分に及ぶ臨時役員会の後、役員より議員に対し、修文(修正文)が提示された。

修文の内容は以下のようなものである。

■東日本大震災からの復旧・復興および福島第一原発事故への対応に最優先で取り組むことを確認する。

■TPP交渉参加の是非に際しては、政府は懸念事項に対する事実確認と国民への情報公開を行い、同時に幅広い国民的議論を喚起する必要がある。

■APECでのTPP参加表明に関しては、時期尚早・表明すべきでないとする意見が多数を占めた。

■政府には以上のことを十分にふまえたうえで、慎重に判断することを提言する。

以上の修文に対し、場内は賛成派・慎重派ともに「異議無し!」で一致し、提言案は総会の了承を得るかたちとなった。

最後に、前原政調会長から、「本日まとめられたPTの最終判断は、民主党幹部会、役員会、および総理に、一言一句伝える」との言葉があり、総会は散会した。

役員会が当初出した曖昧な提言案を、慎重派が猛烈な勢いでまきかえし、修文作成へ持っていったかたち。PT内の雰囲気は、明らかに慎重派が優勢で、臨時役員会の出した修文および前原政調会長の言葉に対しても、「よし!」という声が聞かれた。

PT散会後、山田正彦議員はじめ、慎重派が揃って会見を行ったが、まだ予断は許さないものの、PTという場でできる限りのことは達成された、という雰囲気だった。

(速報号外、了)




「原子力ムラ」の次は「再生可能エネルギームラ」、大地主になりたい?孫正義

2011-10-20 01:00:00 | 備忘録

(政商?)

エネルギー、特に電力に係わる話は正論は眉唾だ。
そこには巨大な利権がある。

ダムによる水力発電という「決定打」がいつの間にか石油による火力に。
そして温室効果ガスという作り話が原発推進を容易にした。
巨額のカネがその都度動いている。

それを可能にする肝は電力会社の地方独占。
発送配電をがっちり支配するという先進国では珍しい寡占体制を死守している。

それを背景に電力料金は彼らの言いなりだ。
割高な資材購入、マスゴミへの広告、学会への援助、天下り役人の受け入れ。
利権は既得権層に広く行き渡っている。

それを可能にするのが「総括原価方式」。
掛かった費用は全て電気代に転嫁できる。
言ってみれば原資は一般国民が払う電気代。
東電だけで明らかな水増しが過去10年で6000億以上見つかったらしいが氷山の一角だ。
合法的な無駄、過払いのほうが問題だ。

今回の救済法案に関する議論でも、総括原価方式の見直しや発送配電の分離は巧みに避けられている。
つまり消費者から巻き上げ分配するという収奪システムは温存するつもりだ。
政治家も官僚もジャーナリズムもみんなグルの権益層。

救済の原資として消費税増税というトンデモ案が大手を振っている。
この不景気のデフレで増税とは。

しかしマスゴミが決して触れない財源がある。
国民の財産である電波だ。
電波オークションもやるやると言いながら第4世代からとか、なし崩し的に遅れさせられている。
信じられないほどの安い価格で電波を無駄に浪費しているテレビ局にとって将来死活問題になるからだ。
電波分配権という利権を守りたい総務省と利害が一致する。

しかし霞ヶ関に注ぎ込むカネが有効利用されるとは全然限らない。
古賀茂明によるとNTT民営化で得た資金は通産省と郵政省で山分けされた。
使わねばソンとばかり、犬猿の仲の両者は似たような事業をどんどん立ち上げ2700億円が投資された。
結局、何もモノにならず終わってみれば10億円に目減り。
丸損だ。
責任問題は人事ローテーションで誰が犯人か分らない仕組みでウヤムヤに。

だから増税なんかしちゃ駄目なのだ。
他人のカネは湯水のように気前よく使うのが官僚。
彼らの頭に最初に浮かぶのが法律を作り組織を立ち上げ、予算を付けてOBの再就職先を作ることだそうだ。
プロジェクトの成否は二の次。
天下り利権ができれば省的には成功。
それが評価されるのだから仕方ない。

再生可能エネルギー利権の話だ。
買取法案が可決され、太陽光や風力によって作られた電気は高値で電力会社が買い取ることになった。
払うのは庶民や企業だ。

原発事故を受けての新機軸が演出されたが、実は本件、事故とは何の関係もない。
寧ろ逆で、原発依存を50%以上に増やしそれによって下がった(笑)電力コストを消費者に還元せずに新エネルギー開発に使う。
還元どころか元々割高な電力料金の値上げに繋がる金食い虫だ。
経済効果は増税と同じこと。

偶然にも3月11日に既に閣議決定されていた、経産省らが考えついた新たな巨大利権の種だった。
今となって口にするのも恥ずかしいシナリオだ。
それを事故後には理由をすり替えて法律化し、新たな利権を作る官僚。

そしてそこから利益を得ようとするハイエナのような政商の話だ。
「社会貢献」「国家国民のため」という美名のもとに。
福島原発の事故の結果生まれた国民の不安に付け込んだということか。

乗せられたのは首相だった菅直人。
呆れるばかりの間抜けな「政治主導」。
再生エネルギー推進を国際舞台(OECD式典、G8)で勝手に国際公約し流れを作っただけでない、
法律の成立を自信の退任の条件にまでしてしまった。


(使われた人)

そのシナリオを書いたのが孫正義と言う、経済評論家町田徹のレポートだ。

菅首相「脱原発」で儲ける「政商」ソフトバンク
太陽光よりおいしい風力発電にまで
こっそり食指を延ばしていた
定款変更前に「補助金ビジネス」に参入