スラムドッグ$ミリオネア 予告編 Slumdog Millionaire Trailer
先週、野辺山で観たもう一本が「スラムドッグ・ミリオネア」。
ツタヤの宅配レンタルだ。
毎月4本まで借りられて月額千円足らず。
延滞料金も無い。
2本ずつ送ってくるが返却しないと次が来ない。
去年など2本観るのに半年かかってしまった。
借りようか迷った映画が来るとついつい見ない。
そういう映画に限って高く付くわけだ。
さて今回の二本はアタリだった。
「ソーシャル・ネットワーク」と同じく120分に凝縮された人間ドラマ。
このぐらいのサイズがいい気がする。
スピード感で一気に持っていってくれる。
いくら話題作でも3時間半は見る気がしない。
純愛有り、兄弟愛有り、嫉妬、裏切りそれに階級社会や貧困、裏社会宗教対立という社会問題有り。
アカデミー賞8部門獲得の超話題映画を今頃観て感想を、と言うのも間が抜けた話だが
観たからには何か書かずにはいられない。
そんな映画だ。
ご存知と思うがインドが舞台。
言わずと知れたBRICSの一角として飛躍中の国だ。
前にも書いたが、日本との縁は深い。
アメリカ従属の歴史はたかだか65年。
日本のインドや中国との関わりは2000年。
「三国一の花嫁」といえば当時の世界一。
日本、中国、インド(天竺)が日本にとっての全世界だった。
そんなインドも長年に亘って停滞、イギリスの米櫃という苦しい時代を経た。
そして日本の戦争がイギリスからの独立の起爆剤になった。
独立の立役者の内、チャンドラ・ボースや中村屋のボースは日本を頼った。
そんな縁で連合国による東京裁判で日本無罪を主張したのはインドのパール判事だ。
南京大虐殺を検証し、残虐行為はあったにしても大虐殺は誇張で、ナチのホロコーストに比するものは
むしろアメリカの原爆投下だと主張。
裁判そのものが先に結論ありきの茶番だ、とまで言った。
そして余談だがオランダの判事もこれに影響を受けたか、日本に好意的だった。
鎖国時代、日本との接触を許された数少ない国。
ペルーの来航も1年以上前から幕府は知っていたらしい。
オランダからの情報だ。
歴史的に友好関係に有る国とは今後とも仲良くしたほうがいい。
そのインド、多極化する世界の中で極の一つになるのか。
かつての世界帝国で現在でも国連常任理事国である中国に比べると政治的には影が薄い。
しかし2030年には中国を抜き世界一の人口大国になる。
というか中国の13億に対し、パキスタンやバングラデッシュを加えた大インドは15億人。
イギリスによる分割統治の遺産だろうが、既に世界一と言えるかもしれない。
大中国と大インドで25億人。
世界の3人に1人以上が中印人。
彼らが順調に発展するとしたら、日本にとっては経済的に頼もしい限りだ。
この映画、素晴らしい映像と共にストーリーがテンポ良くでスリリングに展開する。
社会問題を正面から扱うような映画ではない。
英国制作の娯楽ですな。
それでいてインドのムンバイの雰囲気というか臭いまで伝わてくる。
映画のスピード感と共に伝わってくるのが現代インドのエネルギーだろう。
スラムの悲惨なシーンもあるがそれが帳消しにされるかのような未来への希望も垣間見られる。
「ソーシャル・ネットワーク」にも共通するアップテンポの成り上がり物語。
そして両方ともカネが本来の目的でない所も似ている。
無学なスラム育ちの少年が難しいクイズに次々と正解する。
その理由(ワケ)は....
少年の過去がクイズの出題と共に浮き上がってくる。
タジマハールでモグリの観光案内をする兄弟。
客の財布をすったり、が本当の目的だ。
アメリカから来た観光客の夫婦の案内中に、乗ってきたタクシーからタイアなど皆で根こそぎ盗み出す。
そのタクシーの運転手にお前らの仲間がやったんだろう、とボコられると、
主人公の少年はは夫婦に
「これが本当のインドの姿です」と。
するとアメリカ人の奥さんは「本当のアメリカの姿を見せるわ」
と旦那の財布からお金を出させてその少年に渡す。
アメリカ拝金主義への皮肉ですなあ。
そうです、他人の悪口が好きなイギリスの映画。
さすがイギリス人はインドのことをよくわかっている。
そういえば主演の子役がストリート・キッズになったという話も有ったなあ。
どうなったんだろう。
ギャラはちゃんと払ったのか。
大英帝国は植民地に余分なカネは使わない(笑)。
収奪あるのみだ。
ストーリーはストレート。
妙にヒネらなくてもいい映画はいい映画。
最後の四択「D:DESTINY」は超ベタ。
嫌いじゃないですな、こういうの。
ハッピー・エンドなのもいいね。
そしてエンディングは突如インド映画の群舞。
ちょっと馬鹿にしているね、インド映画を。
ある種の人種差別と言えなくもない。
アメリカ人を馬鹿にしたと思ったら今度は(笑)。
こういう臆面のない身勝手さは英国の魅力でもある(かな?)。
インドの現実である貧困層の悲惨さはあるけれども、良質なエンターテイメント。
社会派ではありません。
肩の力を抜いて見るにはよくできた映画で、これも観ていない人にはお薦めできます。
映画っていいなあ。
サヨナラ、サヨナラ。
先週、野辺山で観たもう一本が「スラムドッグ・ミリオネア」。
ツタヤの宅配レンタルだ。
毎月4本まで借りられて月額千円足らず。
延滞料金も無い。
2本ずつ送ってくるが返却しないと次が来ない。
去年など2本観るのに半年かかってしまった。
借りようか迷った映画が来るとついつい見ない。
そういう映画に限って高く付くわけだ。
さて今回の二本はアタリだった。
「ソーシャル・ネットワーク」と同じく120分に凝縮された人間ドラマ。
このぐらいのサイズがいい気がする。
スピード感で一気に持っていってくれる。
いくら話題作でも3時間半は見る気がしない。
純愛有り、兄弟愛有り、嫉妬、裏切りそれに階級社会や貧困、裏社会宗教対立という社会問題有り。
アカデミー賞8部門獲得の超話題映画を今頃観て感想を、と言うのも間が抜けた話だが
観たからには何か書かずにはいられない。
そんな映画だ。
ご存知と思うがインドが舞台。
言わずと知れたBRICSの一角として飛躍中の国だ。
前にも書いたが、日本との縁は深い。
アメリカ従属の歴史はたかだか65年。
日本のインドや中国との関わりは2000年。
「三国一の花嫁」といえば当時の世界一。
日本、中国、インド(天竺)が日本にとっての全世界だった。
そんなインドも長年に亘って停滞、イギリスの米櫃という苦しい時代を経た。
そして日本の戦争がイギリスからの独立の起爆剤になった。
独立の立役者の内、チャンドラ・ボースや中村屋のボースは日本を頼った。
そんな縁で連合国による東京裁判で日本無罪を主張したのはインドのパール判事だ。
南京大虐殺を検証し、残虐行為はあったにしても大虐殺は誇張で、ナチのホロコーストに比するものは
むしろアメリカの原爆投下だと主張。
裁判そのものが先に結論ありきの茶番だ、とまで言った。
そして余談だがオランダの判事もこれに影響を受けたか、日本に好意的だった。
鎖国時代、日本との接触を許された数少ない国。
ペルーの来航も1年以上前から幕府は知っていたらしい。
オランダからの情報だ。
歴史的に友好関係に有る国とは今後とも仲良くしたほうがいい。
そのインド、多極化する世界の中で極の一つになるのか。
かつての世界帝国で現在でも国連常任理事国である中国に比べると政治的には影が薄い。
しかし2030年には中国を抜き世界一の人口大国になる。
というか中国の13億に対し、パキスタンやバングラデッシュを加えた大インドは15億人。
イギリスによる分割統治の遺産だろうが、既に世界一と言えるかもしれない。
大中国と大インドで25億人。
世界の3人に1人以上が中印人。
彼らが順調に発展するとしたら、日本にとっては経済的に頼もしい限りだ。
この映画、素晴らしい映像と共にストーリーがテンポ良くでスリリングに展開する。
社会問題を正面から扱うような映画ではない。
英国制作の娯楽ですな。
それでいてインドのムンバイの雰囲気というか臭いまで伝わてくる。
映画のスピード感と共に伝わってくるのが現代インドのエネルギーだろう。
スラムの悲惨なシーンもあるがそれが帳消しにされるかのような未来への希望も垣間見られる。
「ソーシャル・ネットワーク」にも共通するアップテンポの成り上がり物語。
そして両方ともカネが本来の目的でない所も似ている。
無学なスラム育ちの少年が難しいクイズに次々と正解する。
その理由(ワケ)は....
少年の過去がクイズの出題と共に浮き上がってくる。
タジマハールでモグリの観光案内をする兄弟。
客の財布をすったり、が本当の目的だ。
アメリカから来た観光客の夫婦の案内中に、乗ってきたタクシーからタイアなど皆で根こそぎ盗み出す。
そのタクシーの運転手にお前らの仲間がやったんだろう、とボコられると、
主人公の少年はは夫婦に
「これが本当のインドの姿です」と。
するとアメリカ人の奥さんは「本当のアメリカの姿を見せるわ」
と旦那の財布からお金を出させてその少年に渡す。
アメリカ拝金主義への皮肉ですなあ。
そうです、他人の悪口が好きなイギリスの映画。
さすがイギリス人はインドのことをよくわかっている。
そういえば主演の子役がストリート・キッズになったという話も有ったなあ。
どうなったんだろう。
ギャラはちゃんと払ったのか。
大英帝国は植民地に余分なカネは使わない(笑)。
収奪あるのみだ。
ストーリーはストレート。
妙にヒネらなくてもいい映画はいい映画。
最後の四択「D:DESTINY」は超ベタ。
嫌いじゃないですな、こういうの。
ハッピー・エンドなのもいいね。
そしてエンディングは突如インド映画の群舞。
ちょっと馬鹿にしているね、インド映画を。
ある種の人種差別と言えなくもない。
アメリカ人を馬鹿にしたと思ったら今度は(笑)。
こういう臆面のない身勝手さは英国の魅力でもある(かな?)。
インドの現実である貧困層の悲惨さはあるけれども、良質なエンターテイメント。
社会派ではありません。
肩の力を抜いて見るにはよくできた映画で、これも観ていない人にはお薦めできます。
映画っていいなあ。
サヨナラ、サヨナラ。