国鉄フライヤーズ

目指せカネ、ヒマ、若さ

CINNs危機か(PIIGsとの不美人競争?)。増大する社会不安リスク。

2011-01-18 01:00:00 | 経済投資
経済の先行きについては悲観的な当ブログ。
その割りには、株価も石油もちっとも暴落しないではないかと思っている人も多いはず。
株式や商品相場には自分でも余り自信がないが、堅調な株価に比し実体経済はちっとも
良くなっていないようだ。

以前にシュアちゃんの借用証書の事を書いたが、財政破綻の危機に瀕するのが
アメリカの地方政府。
中でもカリフォルニア、イリノイ、ニューヨークにニュージャージーの
4つの州政府のCDS(デフォルト保険)が上昇しており、CINNs危機と言われているらしい。
シュワちゃんの支持率も下がり続け転身を選んだようだ。

勿論、成長著しいBRICsに因んだわけではなく国単位でデフォルトが心配される欧州の
PIIGs危機の米国版ということだ。
アメリカ合衆国政府はシニョレッジ、即ち紙切れを紙幣に換える魔法を持っているが
地方政府はそうは行かない。

ニューヨーク、ホノルル、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ワシントンDC、
デトロイト、シカゴなど大都市でさえひょっとしたら今年財政破綻する
かも知れないがと指摘する人もいる。
問題の多くが無駄な公共投資、つまりはハコモノ行政のツケとか。
利益誘導の地方議員がやることはどこでも同じな様だ。

それでなくても、米国で4番目の大都会だったデトロイトは、
自動車産業の衰退で市街地のかなりの部分が廃墟だそうだ。
財政を切り詰めで同市役所は、市内の公立学校142校のうち半数を廃校にする

FRBの超金融緩和(QE2)でアメリカを始め世界中の富裕層がマネーゲームで儲けている。
欧米の金融業界はしこたま手数料を稼ぎ、気分が悪くなるような額のボーナスが
復活しているようだ。

しかし、実体経済の低迷は中間層を没落させ、地方政府の破綻は貧困層を直撃する。
ロクでもない銀行や、国債をたんまり持っている金持ちを金融緩和が助ける
間に、最初に削られるのは福祉で次に来るのが増税だ。

財政難の米イリノイ州の議会は一律の所得税を今の3%から5・25%へと、
75%の引き上げを検討。
失業が増え、生活費に困る州民が急増しているまさにその時に、
州民から一律の比率で徴収する税金を75%引き上げる。
(田中宇ツイート)。

軍需産業は米国政府を意味の無い戦争に駆り立てた。
何兆ドルもかけたアフガンでは何百万ドルのタリバンに負けているし、
イラクでも殆ど金を使っていないイランに漁夫の利をさらわれつつある。

戦争屋には金儲けになるがそのツケは貧困層に回され、仕事の無い若者が
戦地で無駄に命を落とす。
今年度の軍事費は7250億ドル、60兆円を超える。

日本と同じように権力者はメディアを使いプロパガンダを流して国民の不満を
抑え込もうとしている。
連邦政府も何時までも贋金をバラ撒き続ける訳にも行かず、州に分配される
貧困救済資金が15%減額されるとか。

そうかと言って米国債を買い支え続けないと一気に長期金利が上がり
瀕死の住宅市場は商業不動産も含めサブプライム危機の再来間違いなし。
住宅市場の暴落は銀行を直撃し、銀行の危機は株式市場を奈落の底に落とす
かもしれない。
ゼロ金利の資金で株を買い支えているのは銀行だからね。

割を食う貧困層、6%の極貧層が一気に膨らむ恐れも出てきた。

米国で生活保護の食料配給券を受ける人数が過去最多の4320万人。
この2年間、毎月記録更新とか。
株価の上昇と相関しない。
国民の8人に1人以上が貧困状態、13%だ。

一方、警官や刑務所は苦しい地方財政にとって支出削減の対象になり易い。
アメリカの社会不安が心配だ。