国鉄フライヤーズ

目指せカネ、ヒマ、若さ

TPP茶番の行方

2011-11-11 05:41:49 | 備忘録
異様なことだらけだ。

菅政権で突然浮上したPTT問題。
昨年10月の所信表明で突然持ち出された。
ネットではその功罪を巡って早くから議論(異論の方だが)が噴出。
反対派の先鋒である中野剛志は時の人になっていた。

しかし大手メディアはこの議論を完全無視してきた。
そしていよいよ泥鰌がAPPECでの参加表明を、という段階になってテレビ各局等がが取り上げ始めた。
賛成派の論拠は「バスに乗り遅れるな」「日本は世界の孤児になる」「アジアの成長を取り込め」
「外圧を利用して改革をする」くらいか。

余りにも悲しい「バスに乗り遅れるな」については語る気もしない。
アメリカ以外はシンガポール、マレーシア、ニュージーランド等の小国しか参加していない。
カナダもメキシコも、ロシアも中国も韓国もフィリピンもインドネシアも参加していない。

東アジアの重要プレイヤーが参加していない協定に今日本が入らないということ。
この、どこを拡大解釈したら「世界の孤児」「アジアの成長を取り込む」という話になるのか。

要はトランス・パシフィック、即ち太平洋間の協定、日米FTAだ。
環太平洋ならパン・パシフィックでしょ。
アメリカにとって有利なFTAを締結するために利害の一致する小国を集め一気に日本に条件を飲ませる。
飛んで火に入る泥鰌や鉄オは誰のエージェントなんだ。

アメリカの軍産複合体勢力はベトナム、イラク、アフガニスタンなどでの無益な戦争で浪費を続けた。
スティグリッツによるとイラクだけで3兆ドルの無駄遣い。
機会損失を含むが直接戦費だけでも1兆ドル。
4400人のアメリカの若者と100万人以上のイラク人が犠牲になった。
サダム・フセインが大量破壊兵器を開発しているという濡れ衣。

軍産複合体のエージェント、小泉内閣は即時に協力を表明。
この大義なき暴力に我々の税金から30兆円の資金協力をした。
米軍のイラク撤退が表明された今、大手メディアは沈黙を続け、責任追及の声を封殺している。

長くなるので省略するが、その後、アメリカはデリバティブという金融破壊兵器で自滅して行ったわけだ。
1%に富が集中し中産階級が没落しつつあるアメリカ。
反ウオール・ストリート運動は全米に広がりつつある。
過剰なる自由競争で勝者は過大な収入を得、敗者が没落する先富論政策。
「外圧」を利用してこの失敗したシステムを輸入していいのか。

アメリカの雇用を増やすことがオバマの緊急課題。
ここで大きな成果を上げないとオバマの再選は無い。
まだ強みのある農業、武器、医療、知的財産などで他国の市場に進出する。
言ってみれば他国の雇用を奪うことがPTTや米韓FTAの目的。

日本と同じく政府が対米従属の韓国では李政権がFTAを締結したが、その内容が明らかになっていく中
野党の反発が高まり国会での批准が遅れている。
この件についても日本の大手メディアや推進派は触れない。

オバマは「アメリカにモノを売る時代は終わったよ」と自白している。

そんなPTT。
フジテレビが中野剛志を出演させたり、やっと議論が始まった様に見えた。
そして?

民主党内部で反対派が立ち上がり野田の独走を止められるかという瀬戸際だ。
ここに至って、NHKを始めとする大手メディアの意図が暴露された。
単なる「ガス抜き」だったんだ、PTT議論。

民主党PTが紛糾する中、メディアは全社横並びで「野田首相参加表明へ」とのっぺらぼうな報道。
今回だけではない。
原発輸出や消費税増税でもそうだ。
重要な政策問題を国内の論議をすっ飛ばして国際公約する民主党執行部。
この非民主的手法が松下政経塾のやり方だ。

それを無批判に垂れ流し既定事実化。
取り敢えず交渉に参加して後は押し切られるままに、という対米従属派の意向に乗っている。
それが日本のマスゴミだ。

岩上安身よる昨日の民主党PTの様子。
有料記事ではあるが拡散していいだろう。
ダメならすぐ撤回しますが(笑)。





速報
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岩上安身の IWJ 特報

11月10日、野田総理会見延期の真相~前夜の密室での激論をスクープ!~

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本日(11月10日)5時半から野田総理が記者会見でTPP交渉参加表明をする、という情報が、お昼頃から一人歩きしていた。ネタ元は、フジテレビ系列のFNNニュース。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00211278.html

しかし、4時半になっても、5時半になっても、官邸の広報は、問い合わせに対し「記者会見の時間は未定。私たちはそもそも今日総理会見が行われると御案内していない」と答えるのみだった。

大手メディアは、足並みを揃えて、今日、野田総理が参加表明することが既定路線であるかのように報じてきた。しかし、昨日(11月9日)の民主党経済連携PT総会で、TPP交渉参加に慎重であるべきとする慎重派議員達の激しい巻き返しにあったためか、野田総理が会見を開いて交渉参加を表明することは見送りとなった。

この件について、私は、「総理会見が延期になった」とツイートした、斉藤やすのり議員に、夕方、直接連絡をとって取材した。

「今日、予定されていた野田総理の記者会見は延期になりました。これは確実な情報です」と斉藤議員は語った。

「どういう過程かわからないが、我々のような、民主党から離党覚悟で反対している議員が少なくないことや、昨日のPTで採択された提言文に、総理もぐらついたと思われます」

昨日のPTでは、TPP慎重派が議論を圧倒。党のPTの役員会で決まっていた提言文を修正させたのだ。

斉藤議員は続けた──。

「APECでの発言の文章を、TPPへの交渉参加ではなく、『事前の情報収集』にするとか、本格的な交渉参加ではなく、濁らせるべきだと我々は主張しています。TPPは、復興税の話などとは違う。国のかたちが変わる。党人としてではなく、政治家として食い止めなくてはいけない。

 今日、国会の議院運営委員会で、私たちが集めてきた与野党の決議案を本会議でかけられるように、と求めました。しかし、民主党と共産党の反対で本会議にかけられなくなってしまった。実に残念です。

しかし、この決定により、今夕、記者会見を行うと、野党の意思が国会で示されないまま、交渉参加を発表することになってしまうことになった。それも総理会見が延期となる原因になったのではないか」

明日11日の午前中、予算委員会の集中審議が行われる。採決は行われないが、野田総理がハワイへ行く前に、国会において、野党の意思が示されることになる。

「これまでTPPについて、官僚の作った作文を読んでいただけの総理が、初めて自分の生の言葉で語ることになる。徹底的に突っ込まれることになるでしょう」

と、斉藤やすのり議員は結んだ。

野田総理の会見延期に影響を与えた9日夜のPTの模様を、以下、速報としてお届けする。

11月9日 17時半から民主党経済連携PT総会が開始された。これまで顔を出さなかった前原誠司政調会長が、冒頭から出席した。

冒頭の鉢呂座長の挨拶の後、マスコミは会場から退場をうながされた。

PT総会では、これまでも、鉢呂座長による冒頭挨拶以降の議員間議論は、報道陣は締め出されてきたが、この日はさらに「超」の字のつく厳戒態勢が敷かれた。

11月8日の役員会で作成された提言案のペーパーが配布されたが、それを手にすることができたのは議員のみ。会場内にいた議員秘書も、見ることすら禁止された。

さらに驚くべきことに、ペーパーは会場外へ持ち出すことが一切禁止され、休憩中も議員はペーパーを席において会場から外に出ることを余儀なくされた。 

また、散会時には、全議員がペーパーを椅子に置いて退出することを命じられた。持ち出そうとした議員もいたが、出口で民主党職員により回収された。

そこまでして中身の流出を防ごうとした提言文であるが、その内容をここで明らかにする。

PTの役員会で作成されたもともとの提言案には、次のような文言があった。

■FTAAP構築の必要性があらためて確認された。

■TPPに関しては、具体的に市場アクセス、医療分野、金融分野、食品表示、サービス分野、政府調達分野などにおいて、日本の地域社会に大きな影響がある、との論点が出されるなど、慎重な意見が多かった。

■APECへの提言としては、FTAAP構築へ向けて積極的に経済連携を進めることが確認された。APECでのTPP参加表明に関しては、時期尚早との見解が示されるとともに、より国民的議論を喚起すべきという意見が出された。

■以上の論点を踏まえ、PTとしては最終的な判断を政府に委ねることとする。

吉良事務局長による役員会作成の文案の読み上げの後、議員間議論が行われた。計65名の議員が発言した。

まず、冒頭に発言した川村秀三郎議員と山岡達丸議員から、役員会による報道陣へのリークを問題視する声が上がった。

リークによって風を吹かされ、世論が作られている、として、リーク元は誰だ、と両議員は問いただし、役員会のメンバーの一人がリークしたという事実が記事に書かれているが、その人物の名前を明かせと、事務局側に詰め寄った。

それに対し、吉良州司事務局長は、「自分は絶対にリークしていない。秘密を厳守してきた。他の役員の方がリークしていたら、大変残念だ」と、声を震わせながら弁明した。リークした人間は誰か、特定されなかったが、こうしたやりとりによって、役員会のメンバーの誰かがリークしたことは、ほぼ決定的となった。

議員間議論では、慎重派からの発言が8~9割を占めた。

ここでの慎重派の巻き返しは凄まじかった。前回、3日前の月曜日に行われたPTでは、慎重派の敗色が濃厚だった。しかし、今回は役員会が提言文のペーパーを配ったため、議論が具体的なものになり、慎重派が勢いを取り戻した。

慎重派の議員から出された主な意見は以下の通り。

■「APECでの交渉参加表明は時期尚早」とはっきり明記すべき。

■「慎重な意見が多かった」という文言を先にしてほしい。

■「委ねる」という文言では、総理はTPPを政治決断してしまうので、変えて欲しい。

■東日本大震災からの復旧・復興に関する文言が一行しかなく、もっと入れてほしい。

また、中盤では、首相補佐官の長島昭久議員が、一般議員の立場から発言しようとして、場内が騒然となる一幕もあった。

長島補佐官は政府側の人間であり、本来ならば党の会議での自由な発言は控えるべきである。ところが、TPP推進派の一人である彼は、一般議員の席に座りながら、強引に発言しようとし、これに対して、場内からはブーイングの嵐。「場を荒らしに来たのか!」との野次も飛んだ。

 ちなみに、長島昭久議員といえば、米国のシンクタンクCSIS(米戦略国際問題研究所)と関係が深いことで知られている。このCSISと組んで原発維持、TPP推進のシンポジウムを共同開催しているのが、日本経済新聞社である。
 
 11月8日にも、日本経済新聞社とCSISは、「東日本大震災、トモダチ作戦と日米同盟の未来」と題したシンポジウムを開催した。http://s.nikkei.com/uqcOfi

このシンポジウムの席上、ジョン・ハレムCSIS所長は、「日本が原子力利用をやめるのは誤り」と主張した。「日本は原発を続けよ」。これが、日本の支配層に対して下された、ワシントンからの「メッセージ」なのである。

話を戻そう。

4時間におよぶ議員間議論を受け、鉢呂座長の判断により、急遽、臨時の役員会が設けられた。役員会には、役員会の要望により、前原政調会長も同席した。

約50分に及ぶ臨時役員会の後、役員より議員に対し、修文(修正文)が提示された。

修文の内容は以下のようなものである。

■東日本大震災からの復旧・復興および福島第一原発事故への対応に最優先で取り組むことを確認する。

■TPP交渉参加の是非に際しては、政府は懸念事項に対する事実確認と国民への情報公開を行い、同時に幅広い国民的議論を喚起する必要がある。

■APECでのTPP参加表明に関しては、時期尚早・表明すべきでないとする意見が多数を占めた。

■政府には以上のことを十分にふまえたうえで、慎重に判断することを提言する。

以上の修文に対し、場内は賛成派・慎重派ともに「異議無し!」で一致し、提言案は総会の了承を得るかたちとなった。

最後に、前原政調会長から、「本日まとめられたPTの最終判断は、民主党幹部会、役員会、および総理に、一言一句伝える」との言葉があり、総会は散会した。

役員会が当初出した曖昧な提言案を、慎重派が猛烈な勢いでまきかえし、修文作成へ持っていったかたち。PT内の雰囲気は、明らかに慎重派が優勢で、臨時役員会の出した修文および前原政調会長の言葉に対しても、「よし!」という声が聞かれた。

PT散会後、山田正彦議員はじめ、慎重派が揃って会見を行ったが、まだ予断は許さないものの、PTという場でできる限りのことは達成された、という雰囲気だった。

(速報号外、了)




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