創造性の開発 新規商品を企画しよう

新規商品企画の成功学
求むる所第一義
随時随所楽しまざるなし

サラバ、官僚的

2012-08-25 08:03:20 | Weblog

 おはようございます。今日は今回のシリーズのまとめとして、「はじめに」の「本書の基本的な考え方」に書かれたまとめの一節を題材にしています。

「実際に皆さんが独自の情報管理の課題を試みてみれば、本書の手法を正しく理解いただけると思います。しかし、具体的な構築手法やその背景の課題に関する問題点については、本書は説明していません。構築を試行する場合は、事前に情報システムの開発と構築の手法を学習することをおすすめします。これらの一般的な資料はたいへん役立ちます。しかも、一般のシステムに比べ、そのシステムの構築上の問題もかなりあるというべきでしょう。しかし実際には、運用上の課題はなおいっそう大きいと思います。情報管理システムは大型オンラインシステムの性格も持っているといえます。」

 下手な文章です。最近の大手新聞に時々ある、市町村発行の広報誌の記事に何時もある、官僚的な雰囲気を感じました。昔の天声人語は素晴らしかった。今は良く知りませんが。下手な記事の代表的な特長は論旨が途中で逆転すること。読者は混乱してしまいます。それが目的かも。この記事は其処まで酷くありませんが、著者にたくさん言いたいことがあることは分かります。でも、欲張りすぎ。欲張りなコーチや先生は若者をスポイルします。アドバイスはひとつずつ具体的に個人向けにして欲しいものです。欲張りはいけません。

 この文章は下手な先生の言葉です。いろいろな主張を一節の中に取り込んでいます。これでは生徒さんは混乱します。指導されている状態は聞きたくないが心です。その壁をまず壊さなければいけません。あれこれきつく言うのは壁を強固にするだけ。おまけに責任逃れもありがちです。この文章もコミットしているようで、実は何もしていません。これも、最近の大手メディアの論調に似ています。お役所的と言いたくなります。読者は右か左か分からず、書かれている大事な課題を読み落としてしまいます。お役所はそれが目的なのかもしれません。大手メディアの記事は、出だしの論調とまとめが、チグハグが多いかも。

 この一節を読んで見落としなく問題を把握できる人は1%程度かも知れません。こんな小論文ではいけません。忙しい試験官は序文と結論だけ読んで評価せざるを得ません。矛盾した人だと評価されるのが落ちだからです。最初から最後まで提案書や小論文を集中して目を通してくれる上司や試験官など、例外中の例外、3シグマの外です。商品説明や研究提案書がこれでは、お客に売れませんし、研究費を獲得できません。本も商品です。研究提案も商品のようなものです。多数の潜在顧客を意識し、満足させる訴求点が、自分のアイデアを売るために必要です。教科書の記述としてこの一節は落第かも。

 世界中の、無数の潜在顧客の中から、来店し、またはサイトをアクセスしてくれて、見込み客が誕生します。見込み客の多くは、飛び込みの問い合わせから始まります。そしてたまたま買ってくれ、その商品に満足したら、また次も買ってくれます。買って、故障もします。故障もチャンスです。正しく対応してくれて、満足できれば、また買いたいと思います。繰り返せば忠誠心のある顧客が生まれます。故障の電話や相談は大事な次の商談の種です。同じように、学校にとって生徒さんや保護者からのクレームは大事な飯の種です。文句を具体的な解決策含みで分かりやすく言ってくれる上司は大事なコーチかもしれません。文句を抽象的に言って、解決策は頑張れ、弛んでいる、では救われません。36計逃げるに如かず、になるかも。

 一度買ってくれたお客様を育てなければいけません。私がホンダ車を何台も買い続けているように。調子の悪い新車が普通。通算で、満足した車はたった2台。でも、生涯ホンダ車です。本田宗一郎に憧れているなどは嘘です。私は単にホンダの営業現場が好きなのです。

 忠誠心ある顧客集団を育てましょう。浮気性のユーザーを育ててはいけません。二通りあるのではありません。真ん中の普通の顧客が両端に分けられて行くだけ。市場が成熟すると二分化が起きるように。浮気性の顧客集団を育てると、発展途上国との価格競争に巻き込まれます。何れ敗退です。歳をとった往年のチャンピオンも贅肉が付き、フットワークが悪くなり、若い挑戦者のノックアウトパンチを貰うことになるのと同じかも。

 どうすれば良いでしょう。実は商品や製品やシステムの出来や機能は第一要件でないと考えています。商品企画の逃げではありません。一番大事な要件は営業と顧客対応窓口の現場部門の対応です。現場の担当者の人間性です。現場の担当者の教育も大事です。新人を管理する現場の管理職者の人間性や考え方が一番の解決策では。ブランドは現場で作られます。良い営業キャッチコピーはアイデアと発想で生まれます。しかし、それでは顧客を育てられません。

 今日のまとめを読み直し、さらに明確なイメージを持てました。私が高校生に情報リタラシーを教えたい理由を。彼らが会社人として必要な社会常識のリタラシーを身につけるお手伝いをしたいのだと。そのためにまず大学で先生方に可愛がってもらえるリタラシーを教えてあげたいのだと。苦労した私の轍を踏ませないために、です。今回の結論を想定していたわけではありません。心の中で、靄がかかった闇の中から、剣豪が現れたようです。手に火縄銃を持って、です。

 多分、しばし此処まで、です。今、ストレスがなくなり、筆も進まなくなるでしょう。丁度時間となりました。テケテケテケ、チントンシャン。寒くなり始めたころ再開できれば、と考えています。アウフビーダーゼーン。

コメント (8)
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