昨日につづいて、ブログ更新です。
長崎大学病院では、片峰茂学長と河野茂病院長のリーダーシップの元、大学病院の経営改革が推し進められてきました。下のスライドは、長崎大学病院の資料から作成しました。
病院再開発が行われ、これから、償還金が増えていくことが書かれていますね。現在は毎年15億~17億円の返済ですが、平成29年には32億円の返済になる見込みとのことです。
「実は、この融資は、国立大学財務・経営センターが行っています。理事長の私としては、ちゃんと返していただけるどうか、ちょっと心配しているんですけれども・・・」(場内爆笑)
この上のスライドのように、長崎大学病院は、この2年間、かなりの勢いで経営改革に取り組まれました。そして、下のスライドのように、数字として明確な実績をあげておられます。
診療報酬、新入院患者数、手術件数いずれも、急速に伸びていますね。ちなみに診療報酬は平成16年の約150億円から、平成22年には219億円になっています。この調子だと、財務・経営センターからお貸ししているお金も、返していただくことができそうですね。
下のスライドにあるように、事務職員の皆さんも、元気いっぱいのようです。実は、財務・経営センターが昨年まで実施していた国立大学事務職員を対象としたワークショップ型の勉強会(若手職員勉強会、係長クラス勉強会)に参加した職員の皆さんが、それと同様の勉強会を長崎大学内で自主的に実施しているというのです。
財務・経営センターによる国立大学職員の勉強会は、昨年の事業仕分けの結果、むだであるという判定をいただき、昨年度いっぱいで廃止されました。しかし、当センターの蒔いた種が、大学の現場で芽を出しているというのは、ほんとうにうれしいことです。この勉強会が育って花が咲くことを期待していますよ。
また、、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアを活用した、事務職員間の大学を超えた横の情報共有が行われ始めています。たとえば、フェースブックの「Team大学夜話」という公開グループでは、国公私大学間を超えて、大学経営について事務職員の皆さんによる活発な議論が展開されています。そして、実はその仕掛け人の一人が長崎大学の事務職員なんです。
このブログの読者の皆さんも、この「Team大学夜話」に参加されてはいかがでしょうか?
ついでに、実は私の拙著「ある地方大学のつぼやき」を多数活用していただいたのも、長崎大学の職員の皆さんなんです。
さて、国立大学病院の経営改革は現場の皆さんのいっしょう懸命のご努力により、順調に進んでいるように見えます。しかし、必ずしも万事OKというわけにはいかないんですよね。先にお話をしたように、わが国の質の高い臨床医学の論文数が激減しました。このままでは、わが国の医学分野の学術の国際競争力は惨憺たるものとなってしまいます。
では、わが国の多くの大学の医学研究機能が低下する中で、長崎大学ではいったいどうなっているのでしょうか?
つづきはまた明日。長崎大学病院シリーズの最終回です。
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