★しかし、主は、「わたしの恵みは、あなたに十分である。というのは、わたしの力は、弱さのうちに完全に現れるからである」と言われたのです。ですから、私は、キリストの力が私をおおうために、むしろ大いに喜んで私の弱さを誇りましょう。
■O:今日のコラム
パウロは主イエスに従って生き、多くの知識と啓示を受け、信仰生活が深くなればなる程、神の国における昇格を経験する様になって行きました。この世の昇格は、成功し、上へとあげられ、有名になり、多くのものを得る事にありますが、神の国の昇格は、失い、孤独になり、砕かれ、低くされる所にあります。
アブラハム、ヨセフ、モーセ、ダビデ、その他にも多くの信仰者達の歩みを通して、「荒野」という場所が神の最も優れた信仰訓練学校だと知ります。信仰者達は荒野の中でさまよい、孤独になり、失い、自分の様々な願いを放棄し、主だけに信頼する事を学び、世においては愚か者の様に見えても、その砕かれた者達を通して神はご自身の大いなる計画をこの世に現されました。
人生の多くの時を荒野で過ごしたバプテスマのヨハネは人生の最期にさしかかり、「あの方(イエス様)は盛んになり私は衰えなければなりません。」(ヨハネの福音書3:30)と言っています。
そして、最も偉大な栄光に輝くイエス様ご自身も、神のあり方を捨て、ご自分を無にし、仕える者の姿をとられたのです(ピリピ2:6~7)。御子を砕き、地の最も低いところを歩ませるのは御父の御心だったのです。「しかし、彼を砕いて、痛めることは主のみこころであった。もし彼が、自分のいのちを罪過のためのいけにえとするなら、彼は末長く、子孫を見ることができ、主のみこころは彼によって成し遂げられる。」(イザヤ書53:10)。
パウロは晩年に差し掛かり、自分の使徒としての働きぶりや賜物、宣教の成功や知識を誇るのではなく、弱さを誇る事を学びました。なぜなら、弱さの中にキリストの完全な恵みが現れるからです。私達の信仰の昇格とは、ただイエス様だけを誇りとし、ただイエス様だけに望みを置く事です。
私達は自分が強く、自分の力で上手く行き、自分で正しく歩める時には、自分自身を誇る者となってしまいます。しかし、自分が砕かれ、自分の力ではどうする事も出来ない弱さを覚え、自分の内にある罪と咎を悟る時、ただ依り頼み、ただ誇る事が出来るのは主イエスだけだと知るのです。パウロの告白を日々の私達の告白としましょう。
「しかし私には、私たちの主イエス・キリストの十字架以外に誇りとするものが決してあってはなりません。この十字架によって、世界は私に対して十字架につけられ、私も世界に対して十字架につけられたのです。」(ガラテヤ6:14)
■A:考えてみよう
日々新たに主イエスの十字架を見上げ、今日も新しく注がれ続ける主イエスの血潮の聖めを受け、その豊かな恵みに感謝し、主イエスだけを誇り、主イエスに感謝する歩みをしましょう。
■P:祈り
イエス・キリストのお名前によってお祈りします。アーメン。
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