レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

一月七日のクリスマス

2013-01-06 06:00:00 | 日記
一月の六日は 西方教会(ローマン・カトリック教会、英国アングリカン教会や一般のプロテスタント教会)では「顕現日」と呼ばれ、特に北欧のルーテル教会圏ではクリスマスの祭りの最終日ともなっています。

「顕現日」というのは、生まれたばかりの幼いイエス・キリストを東方(今のイラク辺りか?)の三人の博士が没薬、乳香、黄金の三種の贈り物を携えて訪問したというお話しから由来しています。(東方教会ではイエスの洗礼という出来事の方に結びついているようですが)

アイスランドではこの日に残った花火を発射したりして去り行くクリスマスを惜しんだりします。原則としてはクリスマスツリーやその他の飾り付けもこの日以降は撤去されます。もっとも、街路樹のイルミネーションのように、別にクリスマスと結びつけなくても...というものはまだしばらくは放置されます。

七日になってもクリスマスの灯り付きの飾りを放置している家庭もありますが、ちょっとうさんくさい目で周りから見られてしまいます。

ところが、西方のグレゴリウス歴(いつも私たちが使っている暦です)ではなく、旧暦のユリウス暦を使っている東方教会(ロシア正教会等)では、一月七日が正真のクリスマス日となります。つまり西方教会でクリスマスの祭りが終了した翌日が東方教会のクリスマスになるわけです。

アイスランドの北部にブランドオウスという小さい町があるのですが、そこでは旧ユーゴからの移民などの東方教会に属する人が多かったこともあり、何年か前に「ブランドオウスではクリスマスを一日延長する!」と町長さんが宣言したことがありました。

今でもそうなのかなあ?まあ、移民の人たちと仲良く町起こしをしたいと言う気持ちの純な現れと言う点では微笑ましいことだと思います。

ところで、この時期になると大概の教会の牧師さんたちは休暇に入ります。「えっ?」と思われる向きもあるでしょうが、普通の教区牧師の皆さんはやはりクリスマス休暇(一般の人たち)の期間は忙しいのです。

昨年末を例に取ると、十二月の二十三日が日曜日、翌日がイヴ(夕方礼拝と深夜礼拝)、その翌日がクリスマス、その翌日がクリスマス第二日、中を三日おいて日曜礼拝、翌日が大晦日の礼拝、その翌日が元旦礼拝、また四日おいて六日の日曜礼拝...

さすがにこれを全部やっても参加する方も大変ですから、多くの教会では十二月の二十三日、三十日の日曜日は日曜礼拝をオフにしていたようです。

牧師さんは忙しい、と書きましたがこれは言葉足らず。オルガニストの人たちやクワイヤや教会の管理の人たちもしかりです。

加えてクリスマスいかんに関わらず、人は亡くなったりしますので、その弔問等もさらに入ってくるわけです。

と、いうわけで毎年新年の教会は伸び切ったゴム糸のような態をさらしています。申し訳ないですが、まあ、やはり人の集まりなので、そうじゃないと持ちませんので...

もっともこれは教区牧師の皆さんのことであって、私を始めとしての「特命係」牧師はまた違ったパターンです。私たちの多くは世間様のように休み、世間様のように働きますので。

このクリスマスもゆっくり休ませていただきました。御礼。m(_ _)m
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 想いを伝える、ということ | トップ | ディスタンス »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事