こんにちは/こんばんは。またまた前回の更新から二週間の間(ま)があいてしまいました。パスカー(復活祭)を通り越しながらも、相変わらずタイトな日々が続いています。
今これを書いているのは6日土曜日の朝なのですが、7日の日曜日に予定されていた、東部の町Egilsstadirエイルススターズィルでの会議が荒天予報のため延期され、その準備も必然的に延期されたため、思わぬ「お手隙」時間を昨晩から今まで楽しんでいます。
特に昨晩は、六時半からLAドジャースのシカゴでの試合があったので、それを試合開始から終了までネットで観ることができました。今シーズン初。オータニさんの2号ホームランもナマ(中継)で観れました。バンザイ!
ただ、エンゼルス時代のあの現地実況アナの「オータニサン、ゴチソーサマ、イッテラッシャイ!」的なワケのわからない日本語シャウトが聞けなくなったのはちょっと残念。なお、ドジャースは7-9で試合に負けました。今度は「ナオド」か?いえいえ、ドジャースは強いです。
清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Yonatan_Ybema @unsplash_com
さて、昨日はアイスランドの歴史に関わる一大ニュースが巷を吹き抜けました。と、言いながらも実は火山の噴火と同じく「近々」と予想されていたのですが。その予想されていた時が昨日やってきました。
それはカトリーン・ヤコブスドティール現首相が、六月の大統領選挙への出馬を表明したのです。それが何を意味するかというと、カトリーンさんは即(明日の日曜日)に首相を辞任。政党政治から身を引き大統領選に専念することになります。カトリーンさんは「緑の党」の党首でもありますが、そちらも辞めることになるでしょう。
まず、大統領選挙についてもう少し説明しますね。アイスランドの大統領選挙はこの6月1日に予定されています。大統領職は一期が四年ですが、選ばれるなら何期でも繰り返し務めることができます。
前大統領だったオーラブル・ラグナール・グリムスソン氏は、なんと五期二十年の長きに渡って居座り続け、国民に飽きられました。「任期を制限しよう」という常識的な意見もあったように思います。どうなったのかな?
そして大統領職そのものなのですが、憲法上はアイスランド共和国の最高位の権威を持ちます。ただし、直接的な政治行政上の権力は持ちません。アイスランド国民を束ねるシンボルのようなもので、ドイツとかの大統領と同じですね。アメリカのバイデン大統領やフランスのマクロン大統領のような、実権を持った大統領とは違います。
現大統領は、グビューズニ・T・H・ヨハネスソンさんと言います。真ん中のT・Hは「テェーハー」と発音し、ニュース等では「グビューズニ・テェーハー・ヨハネスソン」といつも呼ばれています。「T・H」が何を表しているのか、ついぞ存じません。
再選不出馬を告げるグビューズニ大統領
Myndin er ur RUV.is
グビューズニ大統領はまだ五十六歳と若く、人気があります。あの前任者のオーラブル氏(この「氏」は「のヤロウ」と読みます)の後に四十八歳で就任しましたので、さわやか感が溢れていました。
まだ二期を終えるばかりなので、皆が当然三期目もあるだろう、と期待していたのですが、先日突然「夏の選挙には出馬しない」と発表して世間を驚かせました。正直「惜しむ声」が多かったと思います。が、同時に「執着しない、きれいな幕引き」という称賛もありました。私も同感。
そして、その発表直後から、「では私が」と出馬表明者が始めはポツポツと、しばらくしてからは雨後の筍のように現れてきました。今現在は出馬表明者がなんと六十人余りもいるとか。
それらの中には、ゲイで政治学者のバルドゥル・ソウルハットゥルスソンさんや元レイキャビク市長のヨウン・グナールさんのように非常に「あり得る」方も含まれています。一方で「あり得ないよ」という泡沫も多いようです。
公式に立候補が受け入れられるためには、最低でも1500人の推薦人が必要になります。この推薦人集めの過程で、大方の「泡沫」は消えていくことになります。
ただそれにしても、まだ多いですね。過去の大統領選挙というのは、大体ふたりか多くても三人くらいの選挙だったと記憶しています。対立候補がなく、無投票だったこともあるはず。ですから、今回、仮に十人残ったとしても異例の数です。
そこへ、昨日現職の首相が割り込んできたわけです。おそらく、これでかなりの数の出馬表明者は「あきらめた〜」「やめた〜」になるのではないか、と予想します。選挙、お金かかりますからね。
カトリーン首相大統領選へ出馬のニュース
Myndin er ur Visir.is
首相としては、批判されることも多いカトリーンさんですが、もともとの個人人気は群を抜いています。多分、当選するのではないか、とこれも予想します。
さて、それは大統領選のこと。「現政権」という大きな現実が残っています。
現政権は「緑の党」「独立党」「進歩党(という名前の保守党)」の三党からなる連立政権です。独立党と進歩党は、これまで何度も連立を組んできまいしたが、緑の党はどちらかといえば革新系で、かなり異色の連立でした。
カトリーンさんは、個人的に存在感が大きく、これまでも彼女がこの連立政権を繋いでいる接着剤だ、と言われてきました。その接着剤が政権をあっさりと離れてしまう(しまった)のですから、この連立どうなるのでしょうか?
現在の有議席数は、緑の党8、独立党16、進歩党13で計37。国会で過半数を占めるには32議席が必要ですぁら、仮に緑の党が連立を離れるとすると、政権崩壊で、国会選挙となります。
ところが最近のギャロップでは、前回の選挙で6議席にまで落ち込んだ社民党が、独立党を上回って、最大支持を獲得しており、前政権にとっては今すぐの選挙は避けたいところ。
そういう政治的算段から、なんとか連立を維持していこうとするでしょうが、新首相が緑の党(カトリーンさんの党)から出ないのであれば、緑の党には何の旨味もない連立となり、連立離脱は濃厚。
では、緑の党にカトリーンさんの代役がいるのか?というと、そこまでの器はいない、というのが現実だと思います。少なくとも私の評価では。どうなるでしょうかね?まだ、昨日の今日なので先は見えません。
新生社民党のプリンセス、クリストロン党首
Myndin er ur Visir.is
カトリーンさんは2017年の11月に首相になって以来、丸6年ちょっとの首相在任でしたので、まあまあの長さです。どういう心境の変化だったのかはそのうち明らかになるでしょう。
私もいまだに一員である緑の党ですが、この連立政権中に支持はガタ落ち。今選挙があれば、5%の得票を得るのも難しいと予想されています。5%に届かないと、得票はすべて「没収」され、議席は無くなります。
立て直しが必要なのは明らかなのですが、その点ではカトリーンさんがいなくなるのは良いことだと思います。ゼロから始められますからね。古ボスが居残っていては、変えたいことも変えにくいでしょう。
まあ、今のこちらの政治状況を一言で表すと「カオス」となるみたいです。次の一歩を見つける前に、政治家の皆様、オイラたち「国民」をお忘れなく、頼んますよ〜! (ああ、オイラ、国民じゃなかった。でも、納税者だぞ〜!)
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Church home page: Breidholtskirkja/ International Congregation
Facebook: Toma Toshiki
今これを書いているのは6日土曜日の朝なのですが、7日の日曜日に予定されていた、東部の町Egilsstadirエイルススターズィルでの会議が荒天予報のため延期され、その準備も必然的に延期されたため、思わぬ「お手隙」時間を昨晩から今まで楽しんでいます。
特に昨晩は、六時半からLAドジャースのシカゴでの試合があったので、それを試合開始から終了までネットで観ることができました。今シーズン初。オータニさんの2号ホームランもナマ(中継)で観れました。バンザイ!
ただ、エンゼルス時代のあの現地実況アナの「オータニサン、ゴチソーサマ、イッテラッシャイ!」的なワケのわからない日本語シャウトが聞けなくなったのはちょっと残念。なお、ドジャースは7-9で試合に負けました。今度は「ナオド」か?いえいえ、ドジャースは強いです。
清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Yonatan_Ybema @unsplash_com
さて、昨日はアイスランドの歴史に関わる一大ニュースが巷を吹き抜けました。と、言いながらも実は火山の噴火と同じく「近々」と予想されていたのですが。その予想されていた時が昨日やってきました。
それはカトリーン・ヤコブスドティール現首相が、六月の大統領選挙への出馬を表明したのです。それが何を意味するかというと、カトリーンさんは即(明日の日曜日)に首相を辞任。政党政治から身を引き大統領選に専念することになります。カトリーンさんは「緑の党」の党首でもありますが、そちらも辞めることになるでしょう。
まず、大統領選挙についてもう少し説明しますね。アイスランドの大統領選挙はこの6月1日に予定されています。大統領職は一期が四年ですが、選ばれるなら何期でも繰り返し務めることができます。
前大統領だったオーラブル・ラグナール・グリムスソン氏は、なんと五期二十年の長きに渡って居座り続け、国民に飽きられました。「任期を制限しよう」という常識的な意見もあったように思います。どうなったのかな?
そして大統領職そのものなのですが、憲法上はアイスランド共和国の最高位の権威を持ちます。ただし、直接的な政治行政上の権力は持ちません。アイスランド国民を束ねるシンボルのようなもので、ドイツとかの大統領と同じですね。アメリカのバイデン大統領やフランスのマクロン大統領のような、実権を持った大統領とは違います。
現大統領は、グビューズニ・T・H・ヨハネスソンさんと言います。真ん中のT・Hは「テェーハー」と発音し、ニュース等では「グビューズニ・テェーハー・ヨハネスソン」といつも呼ばれています。「T・H」が何を表しているのか、ついぞ存じません。
再選不出馬を告げるグビューズニ大統領
Myndin er ur RUV.is
グビューズニ大統領はまだ五十六歳と若く、人気があります。あの前任者のオーラブル氏(この「氏」は「のヤロウ」と読みます)の後に四十八歳で就任しましたので、さわやか感が溢れていました。
まだ二期を終えるばかりなので、皆が当然三期目もあるだろう、と期待していたのですが、先日突然「夏の選挙には出馬しない」と発表して世間を驚かせました。正直「惜しむ声」が多かったと思います。が、同時に「執着しない、きれいな幕引き」という称賛もありました。私も同感。
そして、その発表直後から、「では私が」と出馬表明者が始めはポツポツと、しばらくしてからは雨後の筍のように現れてきました。今現在は出馬表明者がなんと六十人余りもいるとか。
それらの中には、ゲイで政治学者のバルドゥル・ソウルハットゥルスソンさんや元レイキャビク市長のヨウン・グナールさんのように非常に「あり得る」方も含まれています。一方で「あり得ないよ」という泡沫も多いようです。
公式に立候補が受け入れられるためには、最低でも1500人の推薦人が必要になります。この推薦人集めの過程で、大方の「泡沫」は消えていくことになります。
ただそれにしても、まだ多いですね。過去の大統領選挙というのは、大体ふたりか多くても三人くらいの選挙だったと記憶しています。対立候補がなく、無投票だったこともあるはず。ですから、今回、仮に十人残ったとしても異例の数です。
そこへ、昨日現職の首相が割り込んできたわけです。おそらく、これでかなりの数の出馬表明者は「あきらめた〜」「やめた〜」になるのではないか、と予想します。選挙、お金かかりますからね。
カトリーン首相大統領選へ出馬のニュース
Myndin er ur Visir.is
首相としては、批判されることも多いカトリーンさんですが、もともとの個人人気は群を抜いています。多分、当選するのではないか、とこれも予想します。
さて、それは大統領選のこと。「現政権」という大きな現実が残っています。
現政権は「緑の党」「独立党」「進歩党(という名前の保守党)」の三党からなる連立政権です。独立党と進歩党は、これまで何度も連立を組んできまいしたが、緑の党はどちらかといえば革新系で、かなり異色の連立でした。
カトリーンさんは、個人的に存在感が大きく、これまでも彼女がこの連立政権を繋いでいる接着剤だ、と言われてきました。その接着剤が政権をあっさりと離れてしまう(しまった)のですから、この連立どうなるのでしょうか?
現在の有議席数は、緑の党8、独立党16、進歩党13で計37。国会で過半数を占めるには32議席が必要ですぁら、仮に緑の党が連立を離れるとすると、政権崩壊で、国会選挙となります。
ところが最近のギャロップでは、前回の選挙で6議席にまで落ち込んだ社民党が、独立党を上回って、最大支持を獲得しており、前政権にとっては今すぐの選挙は避けたいところ。
そういう政治的算段から、なんとか連立を維持していこうとするでしょうが、新首相が緑の党(カトリーンさんの党)から出ないのであれば、緑の党には何の旨味もない連立となり、連立離脱は濃厚。
では、緑の党にカトリーンさんの代役がいるのか?というと、そこまでの器はいない、というのが現実だと思います。少なくとも私の評価では。どうなるでしょうかね?まだ、昨日の今日なので先は見えません。
新生社民党のプリンセス、クリストロン党首
Myndin er ur Visir.is
カトリーンさんは2017年の11月に首相になって以来、丸6年ちょっとの首相在任でしたので、まあまあの長さです。どういう心境の変化だったのかはそのうち明らかになるでしょう。
私もいまだに一員である緑の党ですが、この連立政権中に支持はガタ落ち。今選挙があれば、5%の得票を得るのも難しいと予想されています。5%に届かないと、得票はすべて「没収」され、議席は無くなります。
立て直しが必要なのは明らかなのですが、その点ではカトリーンさんがいなくなるのは良いことだと思います。ゼロから始められますからね。古ボスが居残っていては、変えたいことも変えにくいでしょう。
まあ、今のこちらの政治状況を一言で表すと「カオス」となるみたいです。次の一歩を見つける前に、政治家の皆様、オイラたち「国民」をお忘れなく、頼んますよ〜! (ああ、オイラ、国民じゃなかった。でも、納税者だぞ〜!)
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
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