今回はオーロラについての蘊蓄を少々。ウンチクといっても又聞きしたことを並べるだけですが。
オーロラはアイスランドではNordurljosと呼ばれます。「ノルズル」は北、「リョウス」は光ですので「北の光」ということになり、これはまんまですね。
これに対して「オーロラ」という言葉はローマ神話の曙の女神アウロラから来ているとのことです。
オーロラは地球の地軸の極に関連して発生しますので、北極や南極の周辺でよく見られることになります。北極周辺のものを「オーロラ・ボレアリス 」南極周辺のものを「オーロラ・アウストラリス」と呼ぶこともあります。「ボレアリス」はラテン語での北、「アウストラリス」は南です。
実はオーロラは赤道に近いような緯度の低い土地でも観測されることがあるそうで、その際にはオーロラ活動の上部層の赤い色の部分が見えることが多いのだそうです。
面白いのは旧約聖書の外典(カトリックでは第二正典)である第二マカバイ記という書物にもオーロラのこととおぼしき記述があるのです。これは紀元前二世紀頃の中東地域での出来事です。
「そのころ、アンティオコスは再度のエジプト攻撃の準備をしていた。折から、全市におよそ四十日にわたり、金糸の衣装をまとい、槍と抜き身の剣で完全武装した騎兵隊が空中を駆け巡るのが見えるという出来事が起きた。すなわち、隊を整えた騎兵がおのおの攻撃や突撃をし、盾が揺れ、槍は林立し、投げ槍が飛び、金の飾りやさまざまな胸当てがきらめいた。そこで人は皆、この出現が吉兆であるようにと願った」(2マカバイ5:1-4、日本聖書協会新共同訳)
昔の人は想像力が豊かだったんでしょうね。ここでは色が赤とは記されていませんでしたが、一般には赤い色のオーロラというのは血を連想させたようで、不吉な前兆という迷信をあちこちにもたらしたようです。
先日、家のベランダから撮ったオーロラです
北欧のオーロラは普通には緑色っぽい輝きですが、北欧神伝説ではこれは夜空を駆け回るワレキュールたちの甲冑の輝きとされているそうです。ワレキュールとは天女のような存在で、戦で傷ついたヴァイキングたちをヴァルハラ(戦士の魂の宮殿)で休ませるために駆け回っているのです。オーロラがこの世と天の国の境目と考えられていたようです。
オーロラにまつわる伝説や迷信はこの他にも枚挙にいとまがないのですが、もう少しご紹介しましょう。
まずはオーロラの「音」です。昔からオーロラの音を聞いた、という申し立ては多いのだそうですが、実際に録音に成功した例はないそうです。科学者たちもオーロラの音については懐疑的だということ。
北欧の漁民の間に伝わる伝承では、オーロラは北海を泳ぐ大量のニシンが太陽の光に反射したもので、これは大漁の良い兆しだとされました。
スウェーデンの田舎の俗信ではオーロラは大地の豊穣の兆し。種が豊かにあり豊作をもたらすことを示しているとか。
北アメリカの北極圏に住むイヌイットの人々はオーロラの癒しの力を信じるんだそうです。彼らのシャーマンは治療の方法を授かったり、魂を死から守るための道を求めてオーロラへ向かうのだそうです。
また別のイヌイットの人々はオーロラを恐れ、子供たちをオーロラから隠すのだそうです。オーロラに遭遇した際にはナイフを振り回して対峙したり、また犬の糞を投げつけるのも効き目があるとか。
北スウェーデンのラップの人々は、オーロラを災いをもたらす力と考えて、特に女性を家の中に隠すのだそうです。もし外にいた場合は身体を包んで光が当たらないようにするとか。宇宙線よけみたいですね。
アイスランドでも妊婦の人がオーロラを見ると赤ちゃんが斜視になると言われていたそうです。
逆に中国ではオーロラは子宝を授けてくれるとされるとか。
まあこうして見てみると、やはり戦(いくさ)、大漁、豊穣、病気、子宝等々、伝説や俗信は人の基本的な要求や願いに関わるものが多いようですね。これだけ種類があると選択の幅も出てきそうです。
皆さんはどれを信じますか?
ワタシは...ワタシはあなたを信じます。(古!)
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
オーロラはアイスランドではNordurljosと呼ばれます。「ノルズル」は北、「リョウス」は光ですので「北の光」ということになり、これはまんまですね。
これに対して「オーロラ」という言葉はローマ神話の曙の女神アウロラから来ているとのことです。
オーロラは地球の地軸の極に関連して発生しますので、北極や南極の周辺でよく見られることになります。北極周辺のものを「オーロラ・ボレアリス 」南極周辺のものを「オーロラ・アウストラリス」と呼ぶこともあります。「ボレアリス」はラテン語での北、「アウストラリス」は南です。
実はオーロラは赤道に近いような緯度の低い土地でも観測されることがあるそうで、その際にはオーロラ活動の上部層の赤い色の部分が見えることが多いのだそうです。
面白いのは旧約聖書の外典(カトリックでは第二正典)である第二マカバイ記という書物にもオーロラのこととおぼしき記述があるのです。これは紀元前二世紀頃の中東地域での出来事です。
「そのころ、アンティオコスは再度のエジプト攻撃の準備をしていた。折から、全市におよそ四十日にわたり、金糸の衣装をまとい、槍と抜き身の剣で完全武装した騎兵隊が空中を駆け巡るのが見えるという出来事が起きた。すなわち、隊を整えた騎兵がおのおの攻撃や突撃をし、盾が揺れ、槍は林立し、投げ槍が飛び、金の飾りやさまざまな胸当てがきらめいた。そこで人は皆、この出現が吉兆であるようにと願った」(2マカバイ5:1-4、日本聖書協会新共同訳)
昔の人は想像力が豊かだったんでしょうね。ここでは色が赤とは記されていませんでしたが、一般には赤い色のオーロラというのは血を連想させたようで、不吉な前兆という迷信をあちこちにもたらしたようです。
先日、家のベランダから撮ったオーロラです
北欧のオーロラは普通には緑色っぽい輝きですが、北欧神伝説ではこれは夜空を駆け回るワレキュールたちの甲冑の輝きとされているそうです。ワレキュールとは天女のような存在で、戦で傷ついたヴァイキングたちをヴァルハラ(戦士の魂の宮殿)で休ませるために駆け回っているのです。オーロラがこの世と天の国の境目と考えられていたようです。
オーロラにまつわる伝説や迷信はこの他にも枚挙にいとまがないのですが、もう少しご紹介しましょう。
まずはオーロラの「音」です。昔からオーロラの音を聞いた、という申し立ては多いのだそうですが、実際に録音に成功した例はないそうです。科学者たちもオーロラの音については懐疑的だということ。
北欧の漁民の間に伝わる伝承では、オーロラは北海を泳ぐ大量のニシンが太陽の光に反射したもので、これは大漁の良い兆しだとされました。
スウェーデンの田舎の俗信ではオーロラは大地の豊穣の兆し。種が豊かにあり豊作をもたらすことを示しているとか。
北アメリカの北極圏に住むイヌイットの人々はオーロラの癒しの力を信じるんだそうです。彼らのシャーマンは治療の方法を授かったり、魂を死から守るための道を求めてオーロラへ向かうのだそうです。
また別のイヌイットの人々はオーロラを恐れ、子供たちをオーロラから隠すのだそうです。オーロラに遭遇した際にはナイフを振り回して対峙したり、また犬の糞を投げつけるのも効き目があるとか。
北スウェーデンのラップの人々は、オーロラを災いをもたらす力と考えて、特に女性を家の中に隠すのだそうです。もし外にいた場合は身体を包んで光が当たらないようにするとか。宇宙線よけみたいですね。
アイスランドでも妊婦の人がオーロラを見ると赤ちゃんが斜視になると言われていたそうです。
逆に中国ではオーロラは子宝を授けてくれるとされるとか。
まあこうして見てみると、やはり戦(いくさ)、大漁、豊穣、病気、子宝等々、伝説や俗信は人の基本的な要求や願いに関わるものが多いようですね。これだけ種類があると選択の幅も出てきそうです。
皆さんはどれを信じますか?
ワタシは...ワタシはあなたを信じます。(古!)
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます