レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

サッポロ北街ひとり日誌(3)-「婦人画報」とアイスランド

2013-06-24 05:00:00 | 日記
札幌駅ビルの中にある書店へ寄り道をし、「男性雑誌」のコーナーを素通りして「女性雑誌」コーナーへ。「アンアン」その他の女性雑誌が平積みされていますが、さすがにいるのは女性ばかり。内心結構恥ずかしい思いをしながらようやく「婦人画報」を見つけて手に取りました。

「婦人画報」の7月号には坂本龍一さんとアンドリ・スナイル・マグナソンさんの対談を中心としたアイスランドのミニ特集が掲載されています。アンドリさんはアイスランドでは著名な作家兼活動家で、まだ若い(40歳)のですが影響力のあるオピニオン・リーダーでもあります。

この対談はこの冬に坂本龍一さんがアイスランドへ演奏にいらした機会を利用して、アンドリさんが各地を案内しながらなされたようです。実はこの企画の現地コーディネートをしたのが、私の年のずっと若い友人の女性で、彼女から企画のことは以前から聞かされていました。と、なったら買わないわけにはいかない。

本題に入いる前に一言。この「婦人画報」、値段も1.400円と雑誌としてはいい値だと思うのですが、ずしりと重く、中を開けば大変にきれいな写真に満ち満ちています。これだけの写真を毎月これだけ集めて編集するのは大変だろうな、と変な関心。

「婦人画報」のリーダーの故なのでしょうが、全般的にしっとりとした「マダム」向きの内容のようです。温泉、旅館や装身具類が圧倒的に多いページの中で、坂本さんとアンドリの対談は趣のことなる社会派的な扱いになっています。




婦人画報7月号


さて、このアンドリさんの方ですが、もともとは児童文学作家として頭角を現していたのですが、何といっても大ブレークのきっかけとなったのは2006年に著した「Draumaland」(夢の国)でした。これは2006年から翌年にかけてアイスランドで最も話題になった本でしょう。

いくつかの言葉に訳されたはずですが、日本語にも訳され「よみがえれ! 夢の国アイスランド」という題でNHK出版から2009年か10年に出版されました。日本で出版された時には、すでにアイスランドは金融大恐慌(2008年10月)に見舞われていましたので、「よみがえれ」というようなタイトルになっているのです。

しかし、これは実際に大切な点なのですが、この本が書かれたのは、アイスランドがまだまだバブルにつかりきっていた2006年でした。この時点でアンドリさんはバブルをもたらしている理由のひとつでもあったダム開発と自然破壊、外国資本の導入と外国への投機というような現象に対して「それでいいのか」という問いかけをしながら警鐘を鳴らしたのがこの「Draumaland」だったのです。

すなわち、金融危機が起ってから「ほら見ろ」と後出しジャンケン的にものを言ったものではなくて、それが起る前に警告をしていたわけで、その辺りがアンドリさんがしっかりと評価されている理由のひとつだと思います。

ついでながら、私見ですが、非常に多くの経済評論家・専門家がこの「後出しジャンケン」組だと思います。ことが起きてからエラそうに講釈する連中を見ると「だったらなんでもっと早く言わなかったんだよ」という気にさせられます。ペテン師ども、天中殺!

坂本さんとアンドリさんの対談では、ちょっとアイスランドに対してポジティブ過ぎる?評価が多い気はしますが、これはこのような特集の常でしょう。それでも基本的に面白い対談ですので、幾つかの点を次回ご紹介してみたいと思います。



応援します、若い力。Meet Iceland
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