レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

増えてるの?減ってるの? アイスランドの殺人

2023-07-01 06:57:42 | 日記
こんにちは/こんばんは。

七月となりました。四月中旬から続けてきたケトジェニック・ダイエットは昨日でめでたく終了。またやりますが、とりあえず今回は終了。始めた時が70〜71キロだったのが、終了時には66,9キロまで下がりました。おおよそ3〜4キロ減?

体内の糖質が減ると、自然に水分が排出されるので、それだけで1〜2キロは減るのだそうです。逆に、ケトをやめて普通に食べ始めると、食べ過ぎでなくてもその分はまたすぐに戻るそうで。それを見て「リバウンドだ!」とパニックにならないように、と専門家の方々がおっしゃっています。了解です。




レイキャビク ダウンタウン際の海辺のオブジェ
Myndin er eftir Yanshu_lee@unsplash_com


さて、ここのところワタシ中心の私的な関心事ばかりを書くような傾向にありましたので、今回は少し社会事象についてです。

今回のトピックは殺人... ギョッ!

アイスランドというと「平和な国」のイメージが強いようです。確かに、私がこちらに移ってきた前世紀の末あたりは、凶悪犯罪の少ない平和な社会、という感じがしましたし、多分、本当にそうだったのでしょう。

ですが、国が発展し、普通の欧州大陸の国々に国として近づいてくるにつれ、やはり社会の良くない部分も近づいてきてしまうもののようです。麻薬、組織犯罪、人身売買、そして殺人。すべてこの国にもあります。

これらの犯罪関連分野の事柄について、すべてが明らかにされているわけではありません。正直、一般人は知らされていない事項が多くあります。そんな中で「殺人事件」というのは、やはり隠しようがないというか、皆の知るところになってしまいます。

で、ニュースを見る側としましては「やたら、殺人が多いなあ... 」というのが特に去年から今年にかけて、今に至るまでの感想なのです。これは、私だけの感想ではなく、周囲からも聞こえてくる声。

あー、ただですねぇ、ここで「殺人事件」と大雑把なまとめ方をしているものは、実際には殺意のある本当の殺人、殺意はなかったのに結果として殺してしまったという「致死事件」や、どちらなのかまだ決着していない事件も含めています。これらまとめて「殺人事件」としておきます。




本文には無関係 癒し系ピック
Myndin er eftir Dmitri_zotov@unsplash_com


この一年間の事件だけを振り返ってみると、まず昨年の六月に、レイキャビク市内の住宅街でアイスランド人の青年が、他の男性を自宅で殴り殺すという事件がありました。このふたりは、一軒の家が二世帯用に設計されているタイプの住宅に、それぞれの自宅を持っていました。そういう住宅はこちらでは普通にあります。また、この青年は普段より精神的なトラブルがあったとのこと。

アイスランド住宅様式の色々


次いで昨年の八月。ブランドウスという北部の町で、これも精神障害を持つ男性が、知人の夫妻の自宅へ夜明けに侵入し、寝ていた夫妻に向け猟銃(ライフルだったか?)を発砲して夫人を殺害。ご主人はからくも一命を取り留めました。

十月。西部の町、オーラフスビークで、男性が自分の妻がパーティーに参加していたある住宅を訪れ、そこで妻を刺し殺しました。捜査が進む中で、その半年前の三月には、妻の方が夫を刺し殺そうとしていたとの疑惑が出てきたそうで。ビックリですね。

今年になり、四月。まだ二十代のポーランド人男性が、レイキャビクの隣り町ハフナフョルズルにあるスーパーの駐車場で刺し殺されました。事件は夜半に起こり、複数の男性たちでトラブルになっていたとのこと。容疑者は拘束されていますが、確か十代の若者たちだったはず。まだ捜査中です。

五月。セルフォスというレイキャビクから車で一時間ほどの町で、三十代のコロンビア人女性が自宅で刺し殺されました。事件の容疑者のひとりがまだ拘置されているようで、事件の真相はいまだ不明。

そして、六月。独立記念日のウィークエンド。四月の事件と同じハフナフョルズルで、これも四月の事件と同じくポーランド人男性が刺殺されました。捜査はまだ進行中で、警察は四月のスーパー前での事件との関連を疑っています。

そして最近の事件。一週間前の週末、レイキャビクのダウンタウンで、リトアニア人の若い男性が襲われ、病院に搬送されましたが亡くなりました。繁華街のクラブ内でトラブルがあったようです。詳細は不明。




お口直し用ピック
ソイザークロークルという町へのゲストのセイウチ 帰る気配なし
Myndin er eftir Lara Halla Sigurdardottir via Visir.is


まあまあ、結構続いてますよね。お気づきになられたと思いますが、いくつかの特徴があります。まずは精神障害のある人が事件に関わっていること。これはとてもデリケートな問題で、障害のある人たちにきちんとした治療を施すゆとりのない医療体制にも批判の声が及んでいます。

それから、外国人が犠牲になることが多いこと。もしかしたら加害者の側にも外国人が多いかもしれません。この辺もデリケートな部分があり、すべてあけすけに情報が公開されるものでもありません。

もうひとつの特徴というか傾向があります。殺人事件よりも、ひとまわり範囲が広くなりますが、若年層を中心にした集団暴力事件が増加しているのです。いわゆるギャング的なグループ間の抗争です。

そして、これらの若者たちがナイフやそれに準じるような「武器」を携帯していて、それらを使用する率が高くなっているのだそうです。困ったものです。

警察の話しでは、長い目で見ると、年間だいたい1,7〜1,8件の殺人事件が起きているのだそうです。それから比べれば、この一年間は着実に数は増していますよね。一般大衆が感じている通り。

ところがです。「いいえ、実際は殺人事件は増えるどころか、むしろ減少しているんです」という驚くような声が聞こえてきました。

声の主はマルガリェット・ヴァルディマルスドティールさんというアイスランド大学の犯罪学の先生でPhD。時々、犯罪事件の関連でテレビやネットのニュースに登場します。その時は、私は一生懸命見ます。なぜならマルグリェットさん、相当に美しい方だからです。

なんていうことを書くと、すぐにセクハラの告発を受けるので気をつけないと。いや、Dr.マルグリェットの意見も聞く価値があるのですよ、ちゃんと。ただ意見は聞いてみてからでないと判断できませんが、美形かどうかは見た瞬間に大脳が判断してしまうもので...




Dr. Margret Valdimarsdotir
Myndin er ur Visir.is/VILHELM


さてDr.マルグリェット曰く:「1999年から2011年の13年間では28件の殺人がありました。2012年から2023年までの11年半では25件の殺人事件が生じています。

さらに単年度でいうと、2000年には5件の殺人事件があり、その前後の3年間を見ると、10件の事件で10人が亡くなっています。

これらは今から20年以上前の数字です。現在では、毎年百万人以上の観光客が訪れ、また人口も20年前に比べて飛躍的に増加していることを鑑みると、殺人事件の発生率は、増加しているよりはむしろ軽減していると言えるのです」

なるほど。人が増えれば事件もふえる、ってか。まあ、それもものの考え方ではあるのでしょうが、絶対数が増えているということも事実ではありますので。そして、それが起きている「空間」は大きくなっていません。

暴力的な事件が増えると、対抗して警察も武装を強化したいと考えます。一週間前まで法務大臣だったヨウン・グンナルソン氏は、議会に諮ることなく警察官のティーザー携帯を決めてしまいました。これは秋からの国会での議論のタネとなるでしょう。

私としてはですねぇ、「暴力は力で押さえろ」というのは、まったく反対ではありませんが、それは対処療法ですからね。根源にあるものをきちんと把握しないと。なぜ外国人が多く事件に関係するのか?なぜ若年層が集団暴力にはまっていくのか?精神に障害を持つ人たちへのサポートは何が足りないのか?

いろいろと課題は山積みです。

今回の結論。皆さん、アイスランドにお越しの際は「それなりに」注意を怠らないようにしてください。絶対安全な国なんて、どこにもありませんから。


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。

藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Church home page: Breidholtskirkja/ International Congregation
Facebook: Toma Toshiki

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ケト再挑戦の夏 | トップ | 女性用のタンクトップの夏 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事