レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

「どこでもドア」が欲しくなる夏

2022-06-25 00:30:09 | 日記
こんにちは/こんばんは。




くつろぎ感アップ用ピック1
Myndin er eftir Sasu_Tikkanen@unsplash.com


21日に夏至を迎え、これから「闇」に向かうアイスランドです。まあ夏至は世界共通だから、アイスランドだけではないか?ですが、フと気がつきました。南半球では夏至ではなく冬至なんですよね。

北半球と南半球では季節が逆、というのは理屈としては知っているのですが、まったくピンときません。多分、一生ピンとくることはないでしょう。(^-^;

そして、今これを書いているのが24日の金曜日なのですが、この日はこちらでは Jonsmessa ヨウンスメサと呼ばれ、クリスマスの対極にあります。正確には両者とも冬至、夏至からはちょっとずれているのですが、クリスマスが「これから明るくなっていく世」のシンボルであるのに対し、ヨウンスメサは「これから暗くなっていく世」を現しています。

ヨウンスメサの「ヨウン」とは新約聖書に登場する洗礼者ヨハネスのことを指します。ヨハネスはキリストの到来に先立ち、露払いのような役割を持っていたのですが、「あの方(イエス)は栄え、わたしは衰えねばならない」という言葉が残しています。つまり夏至以降の日々の描写のようでもあり、この言葉がヨウンスメサの土台のようになっているのです。

ヨウンスメサについてはこちらも:ヨウンスメサ 夏至の祭り




くつろぎ感アップ用ピック2
Myndin er eftir Kristina_Delp@unsplash.com


さて今週の月曜日(20日)からは特別な週となっています。ワタシ限定ですが。夏休み! 27日まで丸一週間のお休み中です。

こちらでは夏休みは一ヶ月取れるのが基本です。お休みの少ない日本の皆さんに言うと嫌味に聞こえるかもしれませんが、そういう気持ちはまったくないですから、念のため。m(_ _)m

そして、この一ヶ月というのは土曜日、日曜日そしてその他の旗日(はたび)を抜かして勘定されます。ですから、例えば今月(6月)いっぱい夏休みを取った人がいたとしましょう。

今年の6月の場合、土、日が8日間、独立記念日の祝日が1日ありますので、30-(8+1)=21日分の休みとなります。ですから、あと九日間の休みが残っています。

これを7月へ続いて持ち越したとすると、平日九日分を休みとすると、7月13日まで休むことができることになります。

というわけで、基本的には実質およそ六週間弱の夏休みを取ることができるわけです。最近ちょっと書きましたが、これはアイスランド人の勤労意欲が低いということではなく(高いとも言いませんが)、むしろ過酷な冬の後で夏を楽しむ、という「文化」の背景があると考えます。

ですが、私の今の夏休みは土日を含んでの一週間のみ。なんで、そんな中途半端な夏休みの取り方をするのか?というと、つまり休まざるを得ないからです。

三月初めから五月末まで、丸三ヶ月間での休みの日はたった二日間でした。ウクライナ難民という大きな課題が突如現れたためです。さすがに疲れが溜まってしいました。疲れてるのによく眠れない、心にゆとりがなく、すぐイライラする、というような状況になってきたので、六月には少し休まなきゃ、と考えていました。




くつろぎ感アップ用ピック3
Myndin er eftir Luke_Hodde@unsplash.com


幸いなことに、ウクライナ難民に関する仕事が、六月に入るとかなり負担軽減となってくれました。

状況は決して好転してはいないのですが、当初のように皆が皆「アイスランド初めて」「なんにもわからない」という風ではなくなってきており、早くに来た人たちがいろいろとこちらでの生活やシステムに慣れてきてくれ、最近来た人たちにあれこれ教えたり、サポートしてくれるようになってきたのです。

これは、かなりありがたいことで、私や同僚のアニー牧師の負担もかなり軽減されてきました。

というような状況になったので、「ここで一週間休もう」と決めたわけです。もう、ちょっと限界。アニー牧師はその間はシフトみたいな形で私の不在を埋めてくれます。Takk fyrir. 

「それではアニー牧師が疲れ切ってしまうだろうが!」とお思いの方もありましょうが、現代的な女性の彼女は、私よりもずっとスマートにそここで息抜きをしてきたのでした。

当然のことながら、私の夏休みは「な〜〜〜んもしない一週間」となっています。「ヒルナンデス」をYoutubeで観て、多少の料理をして、そして夜はXXX経由で日本のバラエティ番組。天国です。(*^^*)

残りの夏休み、希望としては、八月以降に三年ぶりで日本に帰省したいのですが、叶うかどうか。

この間、ネットでのフライト予約を覗いてみたのですが、ビックリしました。ヘルシンキから成田への直行便。以前は九時間だけだったのですが、現在は十四時間超! 言わずもがなですが、ロシア上空を飛べないので迂回せざるを得ないからです。

ロンドン– 成田/羽田間が十五時間以上。これもフツーは十二時間の距離。フランクフルトからでさえ十二時間かかります。

しかも、これはコロナの後遺症だと思うのですが、キャンセルされたまま復活していないルートがいくつもあるようです。

例えば、SAS(スカンジナビア航空)は、今現在はアジアへは飛んでいないように見受けます。ネットの案内に出てきませんから。ちなみにSASは経営状態にレッドフラッグと噂に聞いています。

あと、JALの成田ー千歳の便も今はありません。ANAは減便して運行しています。成田ー千歳というのは、私の常便だったのですが、乗客の八割強は中国からのツーリストのようでしたので、コロナ下では無用になってしまったのでしょう。




くつろぎ感アップ用ピック4
Myndin er eftir David_Benes@unsplash.com


さらに、運賃は、燃料費を支えるためにサーチャージが復活したため跳ね上がっています。まさに踏んだり蹴ったり殴ったりの感。

とどめの一撃はフライト・スケジュールの激変です。これは、アイスランドからロンドンとかボストンとか、ロシアの航空域に関わらない線は大丈夫らしいのですが、日本とかが目的地の場合は影響大です。

フライト時間の延長、つまりは到着時間が変わってしまいますので、乗り継ぎ便とかの出発時刻や、乗り継ぎのための待ち時間等も影響を受けます。

コロナの真っ最中に「ニュー・リアリティ」とかいう言葉が盛んに言われましたが、加えてこのようなフライト事情もニュー・リアリティですね。

考えてみれば、航空会社も大変ですよね。やっとコロナが鎮まり始めて、普通に飛び始めた矢先にこれですから...

ウクライナでの戦火が一刻も早く鎮まることを願いますが、たとえそうなっても、フライト事情はすぐには元へは戻らないでしょう。まさしくNew reality として、当分の間はこれを受け入れるしかなさそうです。トホッ... 

昔の昔は、ヨーロッパへのフライトの多くはアンカレジ経由だったのですから、そこから考えれば事態が悪くなったわけではないですよね。私自身、アンカレジは何度も経験しています。お若い世代の方は「なに、ソレ?」でしょうが、かつてはヨーロッパへ飛ぶには、途中でアラスカのアンカレジに立ち寄り、そこから北極の上を飛んでいたのです。

だから、あの時代からしたらフツーの状態なわけです。ただ、人間とは進歩して一度楽を経験してしまうと、また「不便」に逆戻りするのを苦痛に考えてしまう。「昔はこれやがな」これもまた罪の現れでしょうか?

最後の質問。ドラえもんの道具、どれかひとつだけ貰えるとしたら何がいいですか?

マイ・アンサー: 「どこでもドア」


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。

藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Church home page: Breidholtskirkja/ International Congregation
Facebook: Toma Toshiki
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