続「とのむら通信」ブログ版

前島本町議会議員・外村敏一(平成29年4月29日付けで引退)
日々の思いや議会傍聴の感想など引き続きお伝えします。

本日の島本町9月定例議会(3日目)にて旅券申請事務の高槻市への事務委託可決

2014年09月05日 | 議会活動


今定例会での注目議案のひとつであった「パスポート事務の高槻市への事務委託」案件が賛成8、反対5で可決された。
本案件の最大の争点は、大阪府からの権限移譲による旅券発給事務を本町単独で行うか、それとも高槻市に事務委託しての
広域連携で行うかの議論であった。(高槻市は2年前に権限移譲を受けて駅前にパスポートセンターを開設済)
しかし問題は単に2者択一の話ではなく、昨年11月に本町が大阪府に対し事務移譲を申請した時点で町の理事者側は議会に
何の報告や相談もしないままに高槻市への事務委託を前提として事務移譲を受け、着々と進めて来たたということにあった。

本来なら大阪府に対して事務移譲を申請する前に本町単独でやるか、或いは隣の高槻市との広域連携でやるのか、どちらが本町の
住民にとってベストな選択であるかを先ず議会に報告し、議論した上で最終的に高槻市に委託するのがベストという合意形成後に
お願いをするのが正当な手順である。しかも昨年12月3日に高槻市に事務委託の検討をお願いした後の9日になってその事実を本町議会に
報告するという始末で議会軽視(住民軽視と同義)も甚だしい。それにその際の報告ではあたかも高槻市に事務委託するしか権限移譲を
受ける方法は無いかのような説明に終始した。

ところが年が明けて本年4月21日の全員協議会において初めて、「本町単独でも受けられるが高槻市との広域連携で行う選択肢もある」
と、両方(本町単独で受ける場合と高槻市への事務委託した場合)のコスト比較を示して説明したが数人の議員から多くの問題点が指摘
された。多くは「本町で出来る事務を何故わざわざ高槻市にお願いするのか、経費縮減効果があると言っても大きな額ではない。何の
ための権限移譲なのか、役場で申請できるのが最大の住民サービスである」などの意見が出たにも拘わらず「住民サービスの点では色々
議論はあると思うが出来れば広域的な形でお願いして実施したい」と訳の解らない説明、説得に終始した。

しかしその後も多くの問題点を指摘する声に耳を貸すことなく粛々と事務委託に向けて進め、結局は本9月議会での審議、採決となったもの。
私はこの案件が最初に報告された時点(昨年12月)では本町単独でも出来る事務という認識は無かった(そういう説明もなかった)ので高槻市
との広域連携で出来るなら有難いと素直に思っていた。しかし事実は違った。
そして本町単独でも出来る事務だと判った時点からは一貫して「住民サービスの観点を最優先に考えれば役場で申請出来るに越したことはない」
町サイドが示した事務委託した場合の経費縮減効果にしても高槻市に支払う事務委託料を考えれば本町で行った場合の差引はたった年間97万円
(日曜交付なし)であり、「そんなものは高槻市まで行かなくてはならない不便さと交通費負担を住民に押し付けただけのもので経費削減とは言い難い」
正に詭弁である。
又昨日からの議論や今までの進め方を見ると町理事者側の本音は本件の事務委託を契機として今後の広域連携の試金石にしたいという思惑が働いており、
住民サービスの視点などさらさら無い様である。それに本件を過去何年もやってきて成果の無かった高槻市との広域行政勉強会の成果にしたいと考えての
ことなら本末転倒も甚だしい。一体誰の為に働いているのか、島本町民の利益代弁者ではないのか等々と述べて事務委託には断固反対した。

しかし本日の採決に際しては「高槻市が事務委託を受けてくれるならこんな有難いことはない」という意見を述べて賛成する議員もあり、あまりにも
論点や視点が違いすぎて悲しくなった。どこが有難いのか全く理解できない。

兎にも角にも来年1月5日から島本町民がパスポートの申請を行う場合は高槻市のパスポートセンターに行くか、大阪府のパスポートセンター(谷四)
でするかの選択が出来ることになります。聞くところによると高槻市のセンターでは混雑する時期には3~4時間待ちということもあるらしい。
島本町で申請が出来たならそんなことは絶対にないことだけは確かである。


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