疾風の如く!

美人画と弓道に生きる日々。

「嵐の咆哮」2

2019年04月17日 | Weblog


嵐が過ぎ去った朝、目を覚ました少女は、恐る恐る外に出てみました。

昨日見たあの恐ろしい赤い目の光が、まだ脳裏に焼き付いていたのです。




屋敷の庭園にある一番大きな木も倒れ、美しかった庭は荒涼としていました。

使用人たちが、石や枝葉を搔き集めながら、忙しそうに働いています。

庭を歩き出した少女に向かって、年老いた使用人が言いました。


「お嬢様、おかげで大変な目にあいました。幸い屋敷は無事でしたけれど、、」

「昨日、変なもの見ませんでしたか?」少女はそう聞いてみました。

「ものすごい嵐だったので、私はそれ以外は何も、、何か怖いものでも見られたのですか?」

「いいえ」少女はそう答えて、森の方へまた歩き出しました。




不思議なことに、森の木々はみんな無事でした。

「みんなで肩を寄せ合って、あの嵐をしのいでいたのね」と優しく語りかけました。

しばらく森の中を歩いて、泉のところに出ると、

船遊びに使う白いボートが舳先だけを残して沈んでいました。



「まあ、、!」このボートは、少女が大好きだったものの一つで、それ以上は言葉が出てきません。

「馬たちは大丈夫かしら、心配だわ。厩舎にも行かないと」そう言って歩き出した時、

金色の髪をした瞳の碧い少年が、こちらを向いて立っていました。


少し驚いて「あなたはだあれ?」見たこともない少年に少女は尋ねました。

少年は無表情で何も答えません。

ただ黙って少女を見つめています。

少女は、どこかで会ったことがあるような気もしたのですが、霞がかかったように思い出せません。


一瞬サーッと風が飛ぶように吹いて、泉の冷たい水面に美しい波紋を広げました。

二人は、森の泉で見つめ合ったまま、小鳥のさえずりだけが、かん高く響き渡っていました。





昨日は、アクセス数1104PVでした。Thank you very much!!




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鉛筆画「嵐の咆哮」

2019年04月17日 | Weblog





嵐の夜・・荒れ狂う暴風雨の中から、

耳を引き裂くような咆哮が聞こえてきました!!


それに気づいた少女は、窓を開けて確かめようとします。

あの不気味な叫び声は、いったいなに・・!?



外は、嵐が吹き荒れ、もう声など聞こえません。

強い風と雨で木々はへし折られ、枝葉がばらばらと飛んでいきます。

引きちぎられた何かが、まるで怪鳥のようにたくさん飛んでいます。

暗い空には、ごうごうという不気味な音で満ちていました。



その時、また、あのおぞましい咆哮が・・・!!

闇の中を吠えながら走っていく巨大な何かを少女は確かに見ました!!

四つ足で走りながら、赤く光る眼が笑って、一瞬だけこちらを見たんです。

思わずぞっとして、少女は、いつまでも震えていました。





解説:今日も、外では、選挙カーがうるさく走りまわっています。

正直、名前を連呼するだけのあれはもうやめてくれないかなと思います。うるさいだけ









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