『ルパン』、観ました。
スービーズ男爵の一人娘クラリスを愛する青年アルセーヌ・ルパン。だが、
男爵一味と対立するカリオストロ伯爵夫人の危機を救ったことから、夫人の
抗いがたい魅力に負け、莫大な宝石のありかをめぐる抗争に巻き込まれていく…。
映画を観続けている以上は、避けては通れないのが“ハズレ(映画)”を
引いてしまうこと。まぁ、それは“映画ファンの宿命”だと思えば仕方ない。
無理矢理にでも納得するしかないのだが、せめて「駄作」なら、そこに
“潔(いさぎよ)さ”を感じたい(笑)。いっそ、去年の『フォーガットン』
のように、横道にズレるなら、とことん外れて暴走してくれれば良いのに…。
いっそ、今年の『スキージャンプ・ペア』のように、スベりまくりのギャグで
とことん周りの顰蹙(ひんしゅく)をかってくれれば良いのに……(笑)。
が、一方の本作は、我らが思うところ、難攻不落の名店から宝石を盗み出す
“怪盗ルパン”というよりは、ドレスアップしたセレブ女性から貴金属類を
くすね取る“スリ名人”といった感じ。スリリングな“強奪もの”として
観るには物足りないし、ルパンと2人の女性を交えた“歴史ロマン”として
観るには喰い足りない。何だが全てにおいてどっちつかずで、中途半端だなぁ。
(観終わった)今にして思えば、この話って別に“ルパン”じゃなくても
成り立つような‥‥。結局、この作品で唯一の収穫だったのは、クラリス役
“エヴァ・グリーンの美しさ”に巡り合えたこと。彼女はリドリー・スコット
監督作『キングダム・オブ・ヘブン』のヒロイン役が印象的だったけど、
本作でも“エキゾチックな魅力”を存分に発揮(ただ、出番が少ないのが残念)。
今後の出演作次第ではブレークの可能性はあると思う。それにしても、当初の
ルパンは、そんな彼女を選ぶどころか、下り坂の(?)クリスティン・スコット・
トーマスにうつつを抜かすなんて…、よっぽど自分の眼鏡が曇ってたとしか
思えない(笑)。オイラから言わせれば、“エヴァ嬢の輝き”こそ、世界中の
何よりも勝る“最高の宝石”だと思うけどね。
確かに怪盗と謳われている割には、盗みがショボかったですね(笑)
内容も、もうすこし絞り込んで描いたほうがよかったと思う。
また来ます!