肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『フル・フロンタル』、観ました。

2006-04-28 21:25:14 | 映画(は行)

フル・フロンタル ◆20%OFF!

 『フル・フロンタル』、観ました。
ロスの一流ホテルで開かれた映画プロデューサーの誕生パーティの日。ショウ
ビジネス界とその周辺で生きる8人の男女はそれぞれの思いと苦悩を秘め、
パーティ会場へ向かう‥‥。
 前評判の段階からほとんど…、いま、全く(?)良い噂を聞かなかったですが、
大好きなソダーバーグの新作を、ましてやファンのオイラが見逃すわけには
いきますまい(笑)。観ればナルホド、これが低評価になるのも頷ける。
ジュリア・ロバーツ、ブラット・ピット、キャサリン・キーナー、デヴィッド・
ドゥカヴニーなど大物スターの豪華共演も、群像ドラマゆえに出演時間は短いし、
手ブレとピンぼけだらけのビデオカメラ映像は長時間の鑑賞にはキツ過ぎる。
さすがにこれを映画館の大スクリーンで見せられた日にゃー「おいおい、チョット
待て」と言いたくなるのは良く分かる(笑)。でも、何故だろう、オイラには
やっぱりソダーバーグの映画って波長が合うんだよね。彼の作品を観て思うのは、
ヒットさせてお金儲けしてやろうとか、賞を取って世間から評価されたいとか、
そういう“邪念みたいな野心”を感じない。常に自分の撮りたいものだけを
撮ってる感じがする。ボクは今作でも最初の20分は退屈で長く感じたんだけど、
意外とその後はスムースに楽しく観れちゃった。途中、一発二発あるトリックも
堪能できたし、ラストの一同を介してのパーティ場面にも思わずニヤリ。何より
出演者もスタッフも楽しみながら作ってる感じが伝わってくる。例えるなら
“大物スター達による自主映画”みたいなもの‥‥、「絶対観ろ」とは言わない
けれど、「絶対観るな」とも言わない。スタイリッシュで非常に“特殊な映画”
であることを覚悟できるなら観ても良いと思う。ボクは観て良かったけどね。

 



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