俳優さんは、映画やドラマの中で与えられた「たった一人の人間」の役割を演じます。
その作品全体に関わる役者がそれぞれの役として成りきっていることで、見ている方も自然に惹きこまれ、作品から発せられるメッセージに感動し共鳴して行きます。
ビジネスの世界では、新商品やサービスを作り出す過程で、重要なターゲット設定を行います。
ここで起きる間違いの一つに、出来る限り自社の技術を数多く搭載した製品を開発し、より多くのユーザーをターゲットにしようとするケースです。
あれもこれも出来る製品というのは、価格設定などの影響を受け、実はどれもこれも中途半端な機能であったり、一つの機能をよく使うヘビーユーザーにとって、他の機能は必要がない場合がよくあるからです。
自分が携帯電話の機能を使っている割合を調べてみて下さい。買った時はカメラも使っていたけど、やはり電話とメールという方も多いんじゃないでしょうか?
そういう人にとっては、カメラ機能は要らないから安くして欲しい、カメラが必要な場合は、他にデジカメを持っているからそれで大丈夫。
車を持っている人は多いでしょう。
でも平日は、ほとんど駐車場に眠っている。車庫代や税金、メンテナンス、保険など金食いの典型です。そういう方は、自分のマンションの隣にレンタカー会社があればそちらを利用した方が、いろんなシーンで必要な大きさタイプの車を利用できて、コストも大幅に削減できるはずです。
携帯電話や車は、どうしても必要なシーンがあってそれに代わる同等以上の方法が見つかっていないから残っているという理由があるのでしょうが、皆さんが開発しようとしている製品が全て絶対に無くては困るというモノであるとは限りません。
話が長くなりましたが、製品開発や新商品を販売しようとする際に、作り手自身があたかもその一人のユーザーに成りきれるかどうか(役者)が重要なポイントになります。
その絞り込まれたターゲットユーザーがのどから手が出るほど欲しくて、買ったら手放せない製品を創りましょう。
同時に、同じようなターゲットユーザーが数多くいそうなところにアプローチを掛けて行きましょう。そうしているとそれに近いユーザー層やこちらでも想定していない購買層が発見されることもあります。
作り手主導の、「出来ちゃった製品」だけは避けて下さいね。
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