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トンサンの別荘

初代iMacが壊れ、本宅「マック鈴木家へようこそ」が更新できなくなったので、2010年9月27日よりこちらで情報発信。

そうとう懐かしいカセットテープレコーダーの修理。

2014年12月10日 16時51分46秒 | 工作

12月8日(月)9日(火) 連日晴れ

トンサンが電気製品を直したといううわさを聞き付けて、「これも直して。」と懐かしいテープレコーダーの修理を頼まれる。

トンサンは電気製品の修理はできません。技術も無いし、部品入手の手段も無いし、仮に直っても保証できないし。
修理は自宅の物を、なるべく直して使いたいというトンサンの趣味です。
自宅には修理を待っているものがありますので、よそ様のものを直している余裕はございません。 (*^ω^*)ポリポリ

と断っておいてから、今回の記事に入る。

今日の修理品    カセットテープレコーダー

再生ができないらしい。


ナショナルRQ-413     31年くらい前のものかな?

懐かしい形だ。トンサンもビクターのCCR-700というカセットテープレコーダーを愛用していた。
(トンサンが二十歳の頃・・・35年くらい前に買ったのではないかと思う。)

この記事はこちら ⇒ 
社会人第一歩の時の趣味はオーディオでした

若い時のトンサンの前には、8年使って分解しているビクターのカセットテープレコーダーが・・・
この写真ではわからないので写真をネットから拾ってきた。

昭和のクリップさんのブログより。


おっと、話がそれてしまった。
さて依頼されたカセットテープレコーダーに入っていた電池だが、


ボロボロに錆(さ)びていた。




電池に接触する端子が錆びて折れていた。乾電池はもう使えない。


ACコードをつなぎ、カセットテープを入れ、再生をしてみる。

あれ、鳴るよ? 




早送り・巻き戻しはキュルキュル言って、テープが回らなかった。

もう一度再生レバーを押し下げたが、今度は再生しなかった。
テープが回らない。
うーん、やはりダメか。ゴムベルトが伸びきっているのだろう。



底ぶたを外す。
昔の製品はコネクターでつないでいなくて、配線が直(じか)にはんだ付け。
だから分けることができなくて、作業がしづらい。
プリント基板をどけないと、メカが見えない。
プリント基板を固定しているビスを外す。



前面の、こんなところもビス止めされていた。
写真を撮って、外したところと順番を記録していく。



コードがつながっているので、プリント基板を完全にどけることはできないが、まあ何とかなるだろう。




たぶん このモーターとフライホイールをつないでいるゴムベルトが、劣化しているのだろう。




あれ、よく見るとゴムベルトが下がっている。
本来はモーターのシャフトについているプーリーの、太鼓状の真ん中にゴムベルトが来ないといけない。



ゴムベルトを、確認と清掃のために取り外す。
そのためには、フライホイールを支持している金具を外す。

ゴムベルトはまだ多少弾力が残っている。
清掃したらまだ使えるかな?



ゴムベルトが手に入るかどうかわからないが、外した際に採寸(さいすん)する。




ノギスで厚さを測る。
二つ折りにした時の長さ 135mm  幅 3mm  厚さ 0.5mm



あれ、これはなんだ??  フライホイールが錆びているように見える。
少し出っ張っている。



フライホイールも外す。フライホイールの軸(じく)はメカの心臓部(しんぞうぶ)であるキャプスタンだ。
このキャプスタンとゴム製のピンチローラーに挟(はさ)まれて、テープは走行するのだ。



フライホイールの腐食?は目の細(こま)かい紙やすりでこすり取る。
そこだけを削ると、バランスが崩(くず)れて回転にムラが出てしまう。
全体をまんべんなく削る。
この作業がかなり大変だった。
根気(こんき)良く削る。


まだ変色している部分は残っているが、指で触ってデコボコは感じなくなった。
これで良しとしよう。



キャプスタンはきれいだ。アルコールで清掃するだけでいいだろう。




モーターについているプーリーだが、下半分が黒くなっていて、ベルトが偏(かたよ)っている事が分かる。




ネジがゆるまなくて、なかなか外れなかったが、なんとか外すことができた。




太鼓状になっていなければいけないのだが、真ん中が少し尖(とが)っているようだ。




同じ紙やすりで、こする。もっと尖がりを減らした方がいいのだが、これも結構根気のいる作業なので、この辺で妥協(だきょう)。



モーターのシャフトと、プーリーの穴に粘度(ねんど)の高い瞬間接着剤を流し込む。
モーターのシャフトを伝わってモーターの軸受けにつかないように細心(さいしん)の注意をする。


フライホイールを元に戻し、アルコールで清掃したゴムベルトを掛ける。


次に、カセットテープを入れるふたが壊れていたようなので確認する。
上ふたを外すと、なにか取れているものが・・・



カセットテープ挿入口のふたの部品とは違うようだ。


  
経年変化で、樹脂が劣化し、割れている。
この形状から、どこかの板金に差し込んであったものと思える。



ここだ。

この部品の役目は、「再生・録音時にテープエンドになり、送り出し側のリールの回転が止まり、テープの巻き取りテンションが高くなってこの部品を押すと、メカ的に巻き取りをストップさせるもの。」

だから、この機構が働かないと、いつまでもテープを巻きとり続け、テープが痛む原因になる。
(今のテープデッキは、テープ走行をパルスでとらえ、電子的にモーターをOFFにさせている。)

この部品は瞬間接着剤を塗って、取り付けた。


さて、カセットテープ挿入場所のふただが、片方のボスが外れていただけだったので、穴にはめ込んだら直った。



組み立てる前に、キャプスタン・ヘッド・テープガイド・早送り・巻き戻しプーリーのゴムをアルコールで清掃する。
メカの動く部分にシリコン系の潤滑材を塗る。

外したビスの位置を間違わないように取り付ける。

さあ、動作テストしよう。
再生・録音・早送り・巻き戻し・・・お、すべてうまくいっている。
回転時のワウフラッター(走行ムラ)も、気にならない程度。





では瞬間接着剤で取り付けた部品が働くか「オートストッパー」の機能をテストしてみよう。

あれ、止まらない! あ、テープが切れた。


磁気テープとリーダーテープの間で外れている。

このテープは以前同じことが起きて、接着剤で貼ったものだ。

アンテナが取れちゃったラジカセを直してほしい。

再生時のテンションなら持つが、テープエンドのテンションでは持たなかった。


リーダーテープを捨てて、磁気テープを直接リールに取り付けよう。




磁気テープをリールに挟(はさ)みこむ。


再生時(録音時)のオートストッパーの機能は働いた。
早送りと巻き戻し時はオートストッパーが働かないが、そういうものらしい。
再生・録音・早送り・巻き戻し・オートストップ・・・一通り機能は正常になった。
ただし、ゴムベルトを新しく替えたわけではないので、この状態が1年間維持できるかどうかわからない。



ビニールレザーのケースがカビだらけだ。
トンサン「おかあ、なんかいい方法ないかな?」
おかあ「カビキラーを塗ってみたら。」



おかあ提供のカビキラーを塗る。




きれいになった。


我が家のラジカセも直さなければいけないんだけど、カセットテープを聴く機会も少なくなって、ねぇ・・・

我が家のラジカセ、テープが回らない。