書名 旅立ちの日に
著者 清水 晴木
発行社 中央公論新社
発行年 2022年8月25日
頁数 302頁
価格 1,600円 + 税
「あなたに出会えてよかった」
東京湾を横断するフェリーが発着する小さな港町・金谷を舞台に、
約30年に亘って、紡がれる出会いと別れ、そして再生の物語。
愛する妻、大好きな母を失った血の繋がらない父子。
挫折し故郷に戻ったバレリーナと、寄り添う書道の先生。
映画好きの同級生に恋した女子中学生の一大決心。
卒業式間近に親友となった二人の男子高校生。
余命宣告を受けた元妻と数十年ぶりに偶然再会した男。
彼らを見守るフェリー乗り場の総合案内係・椿屋誠。無機質に見えた彼の心と表情も、
人々の出会いと別れに触れ、やがて・・・・。
・「はぁ・・・」とため息をつくと運が逃げるから
「はひふへほ」と言った振りをしたほうが良いんだよ!
・「そこに愛はあるのかい?」
・「遠く離れた他人だからこそ、話せることもあると思いますから」
・「出会ったことを後悔しては、いませんよね?」
・「楽しいのが一番よ」
・「あなたが夢を追ったこと意味が二なかったんてありえない、
あなたが夢を追ったことで変わったことが、きっと、沢山あるから・・・」
・無様でもいい。
今の私にできる精いっぱいをしよう。
・「まだまだ人生こけれからですね」
・「もう、それ以上は、聞かないほうがいいよ」
・木更津 『江川海岸』・・・海の中に立ち並ぶ電柱
・「人との出会いが、おまえを成長してくれるんだからな」
・気づかなかった。 <---> 気づけなかった。
・『だい--せんじがけだらなよさ』
「さよならだけがじんせいだ」
・遠いあの日の出会いからすべては始まった。
・人生は、出会いと旅立ちの連続だ。
『寺山修司 詩集より 「幸福が遠すぎたら」』
さよならだけが
人生ならば
また来る春は何だろう
はるかなはるかな地の果てに
咲いている野の百合なんだろう
さよならだけが
人生ならば
めぐりあう日は何だろう
やさしいやさしい夕焼けと
ふたりの愛は何だろう
さよならだけが
人生ならば
建てた我が家は何だろう
さみしいさみしい平原に
ともす灯りは何だろう
さよならだけが
人生ならば
人生なんか いりません