徒然草Ⅱ

「アッ!」「イイねえ!」「ウッソー!」「エーッ!」「オおぉ!」ということを書きたい!?
(読書日記備忘録を中心として)

ミッドナイト・バス

2014年12月31日 | 小説

書名   ミッドナイト・バス
著者   伊吹 有喜 
発行社 文藝春秋
発行年 2014年1月25日
頁数   445頁
価格   1,800円+税

東京での仕事に挫折し、故郷で深夜バスの運転手として働く利一。
あるとき乗車してきたのは、16年前に別れた妻だった。おだやかな筆致で描かれる、家族の再生。そして再出発。
バブル期に東京でサラリーマンだった主人公の利一が、いまは東京と新潟をつなぐ深夜バスの運転手をしている。
別れた妻、何かの事情で仕事を辞めて帰郷した息子、人気コスプレアイドルの娘、祖父、それぞれの恋人、過去に人気があったミュージシャンなど、
何かを抱えながらも必死に生きているそれぞれ登場人物が、深夜バスがひっそりと夜の町を繋いでいくように、物語の中で繋がっていく。

・「結婚より・・・離婚のほうが、はるかに大変だった。」

・親であっても立ち入ってはいけない領域がある気がした。

・母親がいたら、親がしっかりしていたら、何の屈託もなく、自由に生きられたろうか。

・ミッドナイド・ブルー

・「今、歩み寄らなければ、いつまでも溝は埋まらん」

・あのときが一番輝いていた。

・この暗がりをずっと走ってきたんですね。あなたは。
 たった一人で。家族のために。

・あなたが一人で見続けた風景を二人で見にいこう。

・自分たちのせいで、子どもたちの心に傷を負わせたのだろうか。

・年って後ろ姿に出るのね。それを見たら、せつなくなってきた。悲しいけれど・・・。

・今際の際(いまわのきわ)に後悔する・・・。:死に際

・「どうして僕らは、もっと早く・・・ばらばらになる前に、うまく立ち回れなかったんだろうね。鳥でさえやれることを、どうして僕らはやれなかったのだろう」

・「どうして別れたんだろう。どうして離れてしまったのだろう」

・違う場所で、同じ分の歳月を、この人も生きていた。

・「”私の人生にあなたは、もういらない”って言われた。お前は、いらなって言われるのは、こたえるね。」

・「置いていったわけでも、逃げたわけでもない。ただ、道が分かれただけだ。
  どこかで交差しようと望めば、また会える。生きてさえいれば。」

 私たちの道は、二度と交わらない。

 「そうだとしても、子どもたちへの道だけは、絶たないでくれ。」

・同じバスに乗り合わせ、明日へと夜を越えていく。

・たとえ今が夜のなか、先が見えない暗がりの中にいたとしても。
 そんな時をいくつも越えてここまでやってきた。そして今夜も越えていく。

・走り続けたこの先には、いつだって、きれいな朝が待っている。





なでし子物語

2014年12月30日 | 小説

書名   なでし子物語}
著者   伊吹 有喜 
発行社 ポプラ社
発行年 2012年11月10日
頁数   389頁
価格   1,600円+税


父を亡くし母に捨てられ、祖父に引き取られたものの、学校ではいじめに遭っている耀子。
夫を若くして亡くした後、舅や息子と心が添わず、過去の思い出の中にだけ生きている照子。
そして、照子の舅が愛人に生ませた男の子、立海。彼もまた、生い立ちゆえの重圧やいじめに苦しんでいる。
時は1980年、撫子の咲く地での三人の出会いが、それぞれの人生を少しずつ動かしはじめる。

・「いずれ、いやおうなしにそれぞれの境遇が違うことがわかってしまう。
 子どもが大人になるとは、そういうことです・・・。」

・「どんな理由でも進み続けたじゃない。今、息切れして休んだからって、それが何?
 ゆっくり休んで力をつければいいのよ」

・「大人には大人の事情がある。子どもには、わからない、どうにも出来ない事情が。
 だけどいつかすべて判るときが来る。許せなくとも、判るときが来る。」

・「じっくり考えるタイプです。たくさん考えた分、心の中は豊かで深いはず。
 だけど結果や速さだけを良しとする世界では落ちこぼれてしまう・・・。」

・夜を重ねるたび、会話を交わすたびに、心と体がほどけていく。
 そして、見たこともない自分が現れる。

・「今の状態を『どうして』って責めても、何も始まらないのよ。
 だって、もう終わってしまったことだから。」

・「『どうして』って、思いそうになったら、『どうしたら』って言い換えるの」

・「「『どうして』と自分を責めない。『どうしたら』と前に進もうとする。
 やっぱりそれが今を変える魔法の言葉。」

・「どうして、どうしてって嘆き続ける人生より、
 どうしたら、どうしたらって、必死でもがいて戦う人生が私はいい」

・「勉強というのは、自分の武器を見つけるための手段なの」

・「あなたを思っている人がいる。あなたへ命をつないだ人がいる。
 お誕生日にプレゼントが届かなくても、毎年大きくなっていくこの身体は、
 お父さんとお母さんからのプレゼント。贈り物に文句を言ってはだめよ。」

・「やらまいか」
   やら舞歌

・たとえ、その手が遠くても、いつかどこかでつながっていける。


2014/12/28 第31回船橋市立船橋高等学校吹奏楽部 定期演奏会

2014年12月30日 | 言葉

2014/12/28 第31回船橋市立船橋高等学校吹奏楽部 定期演奏会

 すばらしい演奏会でした。
 高校生吹奏楽部員のパワー、能力全開、ひたむきさに感動しました。
 
 3年生53人は、一年生の時から誰ひとり退部せず、
 定期演奏会を成功させたこと、感動しました。

吹劇「宿命」 高橋健一 吹奏楽部顧問の文章より転載します。

 マザーテレサの言葉}

   思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
   言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
   行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
   習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
   性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

思考により「運命」は、如何様にも変化することになる。
しかし、「宿命」は、自分の意志で変えることは、不可能。
「宿命」は、自分の内側に宿っているもの。
私たちに出来ることは、ただ受け容れるだけ。
人であることを。日本人であることを。親を。性別を。
遺伝子を。時に障害を。

自らの「宿命」を受け容れることは、他者の「宿命」をも肯定すること。
他者の「宿命」を否定することは、自らの「宿命」をも否定すること。

生まれたことを後悔なんかしない。
生んでくれた事を後悔はさせない。

子は、親を選べない。親は、子どもを選べない。

乗るのが怖い 私のパニック障害克服法

2014年12月26日 | ノンジャンル

書名   乗るのが怖い 私のパニック障害克服法
著者   長嶋 一茂 
発行社 幻冬舎
発行年 2010年11月30日
頁数   187頁
価格   780円+税

読売巨人軍の現役選手だった三十歳の夏、神宮の花火大会を見物中、
突然、パニック発作に見舞われた。飛行機、新幹線に乗れなくなり、
ひどい眩暈に襲われ、わけもなく涙が出て止まらない。
完全にうつ状態になり、ついには強い自殺衝動が。
そんな病との闘いを繰り返し、現在「おおむね健康」といえる心身を取り戻しつつある。
なるべく医師と薬に依存しないようにして導き出したその対処法は、「孤独と飢えを味方にする」という考えをベースに、自分と暮らしをシンプルにすることだった。
体験者ならではのリアルかつ具体的、実践的なパニック障害克服法。

・「もっともっと」から「ほどほど」に。


風待ちのひと

2014年12月25日 | 小説

書名   風待ちのひと
著者   伊吹 有喜 
発行社 ポプラ社
発行年 2011年4月5日
頁数   391頁
価格   640円+税

“心の風邪”で休職中の男と、家族を失った傷を抱える女。
海辺の町で偶然出会った同い年のふたりは、39歳の夏を共に過ごすことに。
人生の休息の季節と再生へのみちのりを鮮やかに描いた、著者デビュー作。
『四十九日のレシピ』にも通じるあたたかな読後感に心が抱まれる物語。

・意志を持って作らなければ、時間というものは、空かない。

・親の人生のけじめのつけ方が、子供の人生に大きく影響する。

・「子供の時は、不仲な親を見て、いっそ別れてくれればいいと思った」

・この人の帰りを待っている家族がいる。

・この人は、何に喜び、何に笑うのだろう
 何が好きで、何に夢中になるのだろう。

・恋をしたから結婚し、無茶をしたから心のバランスが崩れたのだ。

・「踏み外したんじゃないよ。風待ち中。いい風が吹くまで港で待機しているだけ」

 「そうゆう時は、抵抗しちゃだめ。渦にまかれて海底まで行ったら、底を蹴ってふっと横に抜けるんだって。
  そうすると凄い勢いで浮上するらしい」

 「無理を通して仕事を続けていたら、自分の弱さと向き合うことを避け続けていたら、
  彼は、力尽きていたのではないか」

・「生むだけが家族じゃないだろう。添い遂げるというのも家族のひとつの形だよ」

・親子の愛情に変わりはないが、男女の愛情は、育てて行かないと枯れる。

・この人生で良かった。たとえ失うことになっても、めぐり会えて良かった。

・人も物も変わっていく。変わらぬものは、ない。
 ならば、恐れずに越えていこう。
 変わっていくことで、より良い未来が来ることを願いながら。





この日、この空、この私―無所属の時間で生きる

2014年12月23日 | エッセー

書名   この日、この空、この私―無所属の時間で生きる
著者   城山 三郎 
発行社 朝日新聞社
発行年 1999年10月5日
頁数   211頁
価格   1,200円+税

人生の持ち時間に大差はない。
何でもない一日こそかけがえのない人生の一日であり、その一日以外に人生は無い。
問題はいかに深く生きるか、である。深く生きた記憶をどれほど持ったかで、その人の人生は豊かなものにも、貧しいものにもなる。

・良い思い出を互いに積み立てておきたい。

・結果はともかく、在るべき姿を求めて、いかに悩み、いかに深く生きたか。
 いかに爽やかに、いかに優しくいきたか。

・人生、不遇続きの中でも挫けることなく、何か心掛けてさえいれば、
 いつか、一直線に駆け抜ける日が来る。

・これからの世の中は、明日どうなるかわからない。
 今やりたいことを自由にやることだ。

・「タネを蒔かぬバカ
  明日刈ろうとするバカ
  思い切ったことのできぬバカ」

・同窓会へは、恵まれた人たちが集まる。

・「腕は、申し分ないが、年齢だけが問題。あと十年早かったら」




黄金の太刀 刀剣商ちょうじ屋光三郎

2014年12月22日 | 小説

書名   黄金の太刀 刀剣商ちょうじ屋光三郎
著者   山本 兼一 
発行社 講談社
発行年 2011年9月16日
頁数   290頁
価格   1,728円+税

純金入りの“黄金鍛え”の刀をめぐり一万両の刀剣詐欺が勃発。
盗人は詐欺剣相家の白石瑞祥。光三郎の刀剣談義仲間の一人は瑞祥を信じて詐欺の片棒を担いでしまう。
瑞祥は奪った金を元手に憧れの名刀を求め江戸を出た。
光三郎は瑞祥を追い、日本刀「五か伝」の地、相州鎌倉、美濃関、京、奈良、備前長船へ!

結果の格差、機会の格差

2014年12月21日 | ノンジャンル

結果の格差

機会の格差

途中下車 ---パニック障害になって。息子との旅と、再生の記録

2014年12月19日 | ノンフィクション

書名   途中下車 ---パニック障害になって。息子との旅と、再生の記録
著者   北村 森 
発行社 河出書房新社
発行年 2012年7月18日
頁数   237頁
価格   1,620円+税

41歳春、突然襲ったパニック障害。電車に乗れない、会議が怖くなる。
会社を辞め、息子とふたり旅をしながら、病気と闘い、自分と家族の再生を目指した、感動のノンフィクション!

NHKドラマ 途中下車

・「まあ、就職は、ご縁ですから」

・パニック障害は、「力ずくで制するもの」でなく、
 「気が付いたら治っているもの」

・腸炎

 「過度のストレスが、血液中の成分に影響を及ぼして、結果として腸の粘膜を傷つけるケースがある」

赤絵そうめん とびきり屋見立て帖

2014年12月18日 | 小説

書名   赤絵そうめん とびきり屋見立て帖
著者   山本 兼一 
発行社 文藝春秋
発行年 2011年11月25日
頁数   259頁
価格   1,500円+税

坂本龍馬から持ちかけられた赤絵の鉢の商い。
「とびきり屋」真之介がとった秘策とは? 夫婦の智恵と心意気に胸躍るシリーズ第3弾。

・人は、死ねば髑髏となる。
 生きているあいだに、頑張れということや。

・花開いて風雨多し
 人生別離足る

   「桜の花が開くと嵐がやって来ることが多いように、人生には、辛い別れがつきものだ」と言う意味


ええもんひとつ―とびきり屋見立て帖

2014年12月16日 | 小説

書名   ええもんひとつ―とびきり屋見立て帖
著者   山本 兼一 
発行社 文藝春秋
発行年 2010年6月25日
頁数   248頁
価格   1,429円+税

名代の茶道具屋の愛娘だったゆずは店の奉公人だった真之介と出奔、幕末の京都で道具屋「とびきり屋」を営んでいる。
二人にわかるのは道具のことだけ。でもその「見立て」力で、龍馬や桂小五郎らと渡り合い、動乱の京を生き抜いていく。
若い夫婦の成長を軸に、京商人の心意気を描いた大人気シリーズ第2弾。

・こういうお祝いごとをきちんとやっていると、毎日の暮らしに張りが出る。

・願うだけ、思うだけでは、願いは叶わんぞ。
 思うて実行するから、望みは叶うんだ。

失敗礼賛

2014年12月15日 | ノンジャンル

書名   失敗礼賛
著者   小島 慶子 
発行社 ベストセラーズ
発行年 2013年8月1日
頁数   197頁
価格   1,500円+税

「コミュニケーション能力」至上主義に反論!
ダメ出しだらけの世の中を上手に生き抜く65のヒント。

・人はみたいものを見たいように見る。


〈できること〉の見つけ方――全盲女子大生が手に入れた大切なもの

2014年12月15日 | 伝えたい思い

書名   〈できること〉の見つけ方――全盲女子大生が手に入れた大切なもの
著者   石田 由香理 、西村 幹子 
発行社 岩波ジュニア新書
発行年 2014年11月20日
頁数   161頁
価格   800円+税

視覚障害を理由に将来の可能性を否定され、傷つき悩んだ10代の頃。
果たしてどのように壁を乗り越えたのでしょうか。
盲学校での生活、受験勉強、キャンパスライフ、海外留学…、
様々な経験を通して自らの可能性を広げていく姿を辿りながら、誰もが生きやすい社会のありかたを考えます。

・決めつけず、とりあえずやってみる・・・・時には大事。

・私の努力では、どうにもならないコンプレックス・・・先天性障害等

・座右の銘ではないが、魔法のことば「ありがとう」

・「ありがとう」は、相手の「できること」を尊重する言葉

・本当の強さは、自分の弱さを自覚することから生まれるのかもしれません。



千両花嫁―とびきり屋見立帖

2014年12月14日 | 小説

書名   千両花嫁―とびきり屋見立帖
著者   山本 兼一 
発行社 文藝春秋
発行年 2008年5月30日
頁数   360頁
価格   1,619円+税

時は幕末。将軍の上洛にわきたつ京の都で、真之介とゆずは道具屋を構えた。
ゆずは名代の茶道具屋の愛娘。真之介はその店の奉公人だったが、駆け落ちして夫婦になったばかり。
一癖ある手代たちを仕込みながら、いわくつきの御道具をさばき、新撰組や龍馬、高杉と渡り合う。
夫婦の成長を軸に、京商人の心意気を描いた傑作連作短篇集。

・肌と肌は、互いに求め合わなければ面白くない。

・人いうのは、疑うて使うもんでない。信じて使うもんや。

・自分は、真之介と結ばれるために生まれてきた。

・強く願ったこと、本気で望んで実行したことは、きっと叶う。



原発ホワイトアウト

2014年12月11日 | 小説

書名   原発ホワイトアウト
著者   若杉 冽 
発行社 講談社

発行年 2013年9月11日
頁数   319頁
価格   1,600円+税

キャリア官僚による、リアル告発ノベル! 『三本の矢』を超える問題作、現る!!
再稼働が着々と進む原発……しかし日本の原発には、国民が知らされていない致命的な欠陥があった!
この事実を知らせようと動き始めた著者に迫り来る、尾行、嫌がらせ、脅迫……包囲網をかいくぐって国民に原発の危険性を知らせるには、ノンフィクション・ノベルを書くしかなかった!

・神は細部に宿る--->だから細部の加工の手抜きをしない

・瓜田(かでん)に履(くつ)をいれず、李下(りか)に冠(かんむり)を正さず

・無理が通れば、道理がひっこむ

・人間の価値は、大きな危機のときにこそ試される