書名 糸
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著者 林 民夫
発行社 幻冬舎
発行日 2019年12月30日
頁 300
価格 580円 + 税
北海道で生まれ育った高橋漣は、花火大会で出会った園田葵に一目惚れ。
彼女が義父から虐待されていることを知るが、まだ中学生の漣には何もできなかった。
それから八年。
漣は地元のチーズ工房で働き、葵は東京にいた。
遠い空の下、互いを思いながらも、すれ違いと別れを繰り返す二人。
それぞれの人生を歩んできた男女が、再び巡り逢うまでの物語。
・「内面の気持ちは、空気となって相手に伝わるんだよ」
・物語のように話せるということは、客観的になれているということだ。
・本当に辛い話は、人は物語として語るまでは時間を要する。
・誰かのためにものをつくることは、心が弾むものだ。
・変化に対応できるものだけが生き残る。
・「結、偉い人にならなくていいからね。
泣いている人や悲しんでいる人がいたら、
抱きしめてあげられる人になりなさい」
・誰かを守る人間になりたかった。
だがそれは、守る、と言った瞬間に相手を下に見ていたことになる。
・こつこつやっていた人間が報われる世の中であってほしい。
・大切なことは、私たちが生まれる前に動いていて、
私たちは、それを掴むことしかできない。
自分の存在・・・父母がいて、祖父母、そのまた祖先がいたからこそ、自分が存在する。
この系図の一箇所でも切れていたら自分は、存在しない。
・「人は、出逢うべき時に、出逢うべき人に出逢うんだと思います」
・人間、そうそう劇的な出会いがあるわけではない。
いつの間にか近くにいた。考えてみれば、大切な存在に気付くことは、往々にしてある。
・「だいたい元号で時代をわけるって考えがねぇ」
・人には物語が必要なんだよ。
懸命に生きて来た。それなりによくやったじゃないか。そんな物語が・・・。
・自分に会いたいと言ってくれる人がいる。・・・>村田節子
それだけで葵は、北海道のチケットを買っていた。
・北海道 美瑛、上富良野、シンガポール
・高橋 蓮 園田 葵
今年、映画『糸』を観てたから小説本を読んだので情景がありありと浮かびました。
2020年いちばん感動した小説でした。
映画『糸』公式サイト への リンク