Omikron
書くのは嫌だが、書きたくはないが、書き残しておかねばならない。人類のinochiの物語の一頁として記録しておく為に。
目に見えぬ敵が襲来して、戦いの日々は二年を過ぎたが、人類共通の敵は強かに姿を変え方法を進化させて、尚強固で困難な相手になりつつある。
「Omikron」!!この見えざる凶器のようなvirusは、人々から繋がりや絆や結びつきという根本的に大切な人間社会の血管と神経を、遠慮会釈もなく断ち切り、遮断し、剥奪してゆくのだ。
それ故、人々は表情を隠し、笑顔を喪い、押し黙り、其其がさらに他人となって寒風の巷を彷徨う。
全ての人の口元を覆うmaskという白い布が、その様態が、若しかしたら第二の皮膚になってしまわないか・・という途方もない恐怖さえ生じさせる。
軽々と跳梁跋扈する悪魔の使徒のような、このウイルス”Omikron”によって、ヒトは無表情のまま往来し、個人は更に個人の殻に閉じ籠り、削り取られた言葉たちは、ヒトから必然的に人間を証する基本の哀楽の感情さえ強奪してゆく。
ほんとうに、人類が人間として生き延びるための試練の闘いだと感じる。其其の個個がそれを認識し、結束して一つの武器となって立ち向かうしかない。
智慧と叡智を結集し、口元を隠す第二の皮膚など要り様も無く、誰一人として望むべくもない未来なのだからと。決して負けないという意志と人間の尊厳を持って。
2022 01/13 06:36 まんぼ