一粒の種
亡羊の深々たる深みよ!!
けれど、それは
亡羊の混沌を断ち切って
渇望の原野にやって来るのだ
その些かの自覚の耕地に
約束の
一粒の種として・・
それじゃ、何時?どの様に?
然れば
湖沼の暗部から不意に突出する気泡のように
草木たちの鬩ぎ合う吐息のように
溶解する氷塊の最初の吃音のように
物語の核心に蜷局を巻く言語の意志のように
歪曲収差に軋む宇宙の嗚咽から零れ落ちる微塵のように
縺れ合う有無のエクスタシーの雄叫びのように
生を貪り合う人獣たちの一筋の涎のように
漂泊の魂に滲む一滴のエキスのように
まだ、今は・・