Uta.88「イノチの価値を」
ほんの些細な糸口さえ見つかれば
僕はそれを手繰ってゆける
イノチを刻んできた
僕の二万有余の日々に堆積されてきた技能で
物語を編むことはいとも簡単な手作業かも知れぬ
但し
味や深みや色合いや拡がりや
興味や感動や
含まれる哀楽の分量を別にすれば・・だ
その中身に
essenceや序破急や意匠を鏤めてゆくのは
一言で断言できる程には簡単ではない
けれども
其処にこそ苦悩が生まれ
その葛藤が
イノチの価値を
一ランク押し上げてくれる
02/24 14:11