降って来るもの

写真と散文とぽえむ

聴心記.ⅩLⅤ

2017-12-20 22:27:44 | 聴心記

                 XLⅤ「幾兆個の」

 

順列や組み合わせを捻り

想いを濃淡に塗し

意味を複雑に織り込み

気分を彩なし、心血を注いで

 一瞬ごとのイノチの有り様を

 cosmosに渦巻く星雲を

有無の垣根を超え

明暗の壁や、悲哀や憤怒の形相を突破し

千載一会のchanceを愛撫しながら

 僕はほんとに沢山の言句を陳列したので

流石に何処かで影のように

表裏の片割れのように

怪人のように何面相もの疑似体が

 うようよと連なるかも、と案じたけれど

千差万別のヒトの頭数のように

ひとつの束に括られたものは

それぞれに別物の一個の塊と一瞥の表情で

 幾兆個の細胞で生きる僕の

その一個に違いないのだと

其処に行き着いて安堵した次第だ

*12/20 22:46 万甫

 

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聴心記.ⅩLⅣ

2017-12-20 05:30:05 | 聴心記

                   ⅩLⅣ「無の抽斗から」

 

支えられているのをヒシヒシと感じながら

僕は一行を書き下して行く

 耳元に

そのヒトの息遣いが途切れたら

僕は書くという目途を失ってしまうかも知れない

 其処に必ず

そのヒトの眼差しが注がれ

僕はその温かい視野に見守られて

 無の抽斗から有を取り出し

色々の型枠に嵌め込んで

其々の形を創造してゆくのだ

 

支えられていることの確たる幸せを

強固な深基礎に据えて

                     「自惚れる」

 

僕が書いたものの全てに

対面してくれるヒトが

果たして数えるほどに居てくれるだろうか

僕が提示した沢山のフレーズに

ココロを付き合わせてくれたヒトが

せめて片手の指の数を越える位には

存在してくれているだろうかと・・

 

生きることの先行きと同じように

正確なことは何一つとして

明らかなものはないけれど

僕等は

其々に都合がよくて

各々に味方してくれる予想や想像で

明日の架け橋を渡ってゆくのだ

 

僕の書物が

両手両足の指の数では

少し足りない程の人に読まれていると

自惚れているように・・

                      「脳内青春」

 

活き活きと血が滾っている時代には

イノチがただそれだけで輝く絶頂期には

 次々と壁に挑み

これでもかとばかり

障害を飛び越えて疾走する

 前途に洋洋たる明日が約束されていると

信じて疑わないから

 

ムネの鼓動が静かに時を計るようになると

無理を押し通してはいけない

 必ず反動が来る

背伸びしてはいけない

必ずどこかを挫く

 多くを望んではいけない

積み重ねてきた過去に見合いの未来を・・

けれど

抑制の対象外があるとしたら

たった一つ「脳内青春」だろうか

 其処では

精力的な日常が可能だ

数多の夢を結ぶこともできる

                   「今日の衝動のままに」

 

書き過ぎてはいけないということが

有るのだろうかと

想うことが時折にある

 

数多く書くことの弊害が

何処かに出ないのだろうかと

訝ることがある

 

書き過ぎて損なわれてゆく

濃さや深さや鮮度やが

派生することは無いのだろうかと

自分に問い質してみるけれど

渦中に居てpenを奮っているときには

そんな危惧などお構いなしに

トキの間に間を通過してゆくのだ

 

それで良しとしよう

 

よしんば障害が発生しても

枯渇して

干乾びる未来が待っているとしても

それが明日だとしても

僕は書きたい今日の衝動のままに

今日の僕を物語ってゆくのだ

 

今日の悔いを

明日の思い残しにせぬ様にと・・

*12/20 05:30:05 万甫

 

 

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