生滅の明暗
胸のリトマスに何も滲んでこないトキは
何時までも空が割れない日には
誰も微動だにしない一日は
歯車が狂ったように軋むトキは
風景が色を喪う日には
あらゆる種子が地中で腐るトキは
海馬に亡羊が拡がってゆく日は
動かねばならぬ!と拡声器が連呼するトキは
繋ぎ合わせる日時の結び目が解けない日は
烏が埋め尽くす陰惨な朝には
願いが沈黙に引き千切られる夕べは
荒野で墓標が朽ち倒れるトキは
一花も許さない悪意の季節には
つまりは
生滅の間の明暗は
この小動物のか弱さに何の箍を填める?
盲目の虫が突出する日は
西から日光が上がり滞る月光が嘲笑う一日は
想いの糸が縺れて一塊の屑になるトキは
腑に落ちぬ滴が天空を彷徨う昼間は
つまりは
人間である間に
為すべくは何ぞや?と匕首を!!
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2017 06/22 16:00:00