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降って来るもの

写真と散文とぽえむ

生滅の明暗

2017-06-22 16:00:08 | 

        生滅の明暗

 

胸のリトマスに何も滲んでこないトキは

何時までも空が割れない日には

誰も微動だにしない一日は

歯車が狂ったように軋むトキは

風景が色を喪う日には

あらゆる種子が地中で腐るトキは

海馬に亡羊が拡がってゆく日は

動かねばならぬ!と拡声器が連呼するトキは

 

繋ぎ合わせる日時の結び目が解けない日は

烏が埋め尽くす陰惨な朝には

願いが沈黙に引き千切られる夕べは

荒野で墓標が朽ち倒れるトキは

一花も許さない悪意の季節には

 

つまりは

生滅の間の明暗は

この小動物のか弱さに何の箍を填める?

 

盲目の虫が突出する日は

西から日光が上がり滞る月光が嘲笑う一日は

想いの糸が縺れて一塊の屑になるトキは

腑に落ちぬ滴が天空を彷徨う昼間は

 

つまりは

人間である間に

為すべくは何ぞや?と匕首を!!

2017 06/22 16:00:00

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転生

2017-06-22 05:15:03 | 

        転生

 

何もかも普遍性など持たぬ

否、持てぬのだ

それは億に一つの奇跡もない

普遍なのは

それぞれの「死」だけ

けれど其処からイノチは始まる

 

幾兆回の奇跡を潜り抜けて

無の闇から

死の暗黒から

誕生する「生」よ

 

イノチの輝きは

その原点に集約され

其処から僕らは誰も彼も等しく

 煌めきを脱いでゆくのだ

光る鱗を一枚づつ失ってゆくこと

それが

生きることの宿命

 

この世に授けられた恩恵を腑に落とし

天与の輪廻を辿る

いつか

再びの転生を夢見て・・

*06/22 05:15:05 万甫

 

 

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長い昼間

2017-06-22 04:52:51 | 随想

        長い昼間

 

薄暗がりの占める割合が

その僅かなpercentの違いが分かるほどの熟練工のように

レースと厚手のカーテンで遮蔽された安眠確保の空間で

朧な意識を視覚に集中して得られた情報は

ほぼ夜の手の内にある午前三時を過ぎたばかりの時刻

例によって

そんなしじまに半覚醒しては頭を駆け巡る彼是への対応にわらわになる

どれ位の分秒を取り留めないその問答に費やしたのだろう

束の間のような

もしかしたら永劫の一端のような・・

 

その内に寝室の暗闇が徐々に淡くなる

夜の濃さが少しづつ濾過され明暗の容量が変化してゆくのが判るのだ

ぼんやりしていた風景の辻褄が合ってくると

pierrotたちが四回騒ぎ立てる時刻が直ぐにやって来る

 昨日は夏至

今日は一番長い昼間から一日目

その違いに殆ど差のない長い昼が

一番短い夜の幾らかを掠め取っては更に上乗せした

我が地方の日の出04:44の長い長い昼間が始まる

*06/22 04:52

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